銀座の吉宗、夫婦蒸しに太麺で焼く皿うどん

銀座のお昼。ひさしぶりに「吉宗」にくる。
長崎に本店のある長崎料理の専門店。お昼ご飯にはまだ早い時間、祝日だからみんな遅出に違いないとふんできたらばもう満席で10分ほど待つ。大繁盛。
昔はのんびりした雰囲気で、でも「最近の週末はいつもてんやわんやで、お客様にはご迷惑をかけっぱなしなんですよ」って大忙し。銀座という街のパワーが強くなっているのでしょう。しかもそういう銀座で調子にのらず自分の昔ながらの店のペースを守り続けていられる店で、だから尚更、人気が持続するのでしょう。お年寄りのおなじみ様やファミリー客と、銀座にこういう気軽で安心できるお店があると助かる人でにぎやかなのがいい感じ。
メニューは変わらず。献立表をみずとも注文できてしまうのがうれしくもある。そういえば信濃町の駅近くに支店があった。力が分散したからでしょうか。どちらのお店も徐々に状態が悪くなり結局ここ一軒になっちゃった。そしたら店の状態が良くなって「ひとつを守る」コトの大切、感じたりした。

さて、夫婦蒸し。
ここの名物、看板料理。
茶碗蒸しと蒸し寿司のセットでどちらも蒸し料理。
だからここの厨房の一番目立つ一等地に大きな蒸し器がドンっと置かれて蒸気を噴き出す。
名物料理のいいところは、ほとんどの人がこれをたのむから見込み生産ができること。
本来時間のかかる料理もあっという間に提供される。店に入るのに少々待っても、座るとすぐに食べることができるというのは「並ぶ価値ある魅力」のひとつ…、って思ったりする。今日もささっとやってくる。

同じ大きさ。
同じ形で同じ絵柄の蓋つき茶碗。
この世で「夫婦」を名乗るさまざまなものは大抵、夫は大きく妻は小さくと同じような形のものを大小合わせて夫婦と称する。
けれどここでは夫も妻も同じ大きさ。男女平等的なる姿がまずはオキニイリ。
しかもこれを提供する人はまず間違いなくこれは茶碗蒸し、これは蒸し寿司を蓋をあげずに選んで食卓にそっと置く。
30年近く通ってボクは2度だけ、間違えたところを見たことがある。それほど正確。それも好き。
それにしても茶碗蒸しと蒸し寿司。どちらが男でどちらが女なんだろう。ふるふるなめらかで儚い感じの茶碗蒸しが女性的でおそらく夫婦の「婦」の方に違いなく、ならば婦人丼が大きい方がいいなと思って笑う。

錦糸卵に桜色のデンブ。焼いて刻んだ穴子がギッシリきれいに並ぶ蒸し寿司。
酢飯の中には刻み穴子と甘辛に煮付けて刻んだしいたけたっぷり。
長崎独特の原色ピンクのかまぼこも彩添えて、ふっくらとしたお酢の風味が口に広がる。
あったかい。
熱々の茶碗をもってゆするとタプンと表面揺らす茶碗蒸し。
レンゲをいれるとおびただしい量の出汁が下から滲んで凹みを満たす。
ふるふるしていて、なのに口に含むと瞬時に出汁にもどってく。かまぼこにお麩、白身の魚に分厚いしいたけ。鳥のモモ肉、焼いた穴子と具材ゴロゴロ。どれもが出汁を吸い込みふっくら、おいしく仕上がっている。
蒸し料理の最高峰のひとつでもある。玉子料理のある究極の姿でもあり、これほど出汁の魅力をたのしむことができるスープもおそらくほかになく、茶碗蒸しってスゴイ料理…、ってうっとりします。

お供に皿うどん。全国的には細いパリパリ麺の皿うどんが一般的ではあるけれど、ココで食べるべきは太い麺で作った皿うどん。なんであのパリパリ麺のあんかけを「うどん」と呼ぶのか疑問氷解。
太いちゃんぽん麺を茹でて炒めてお皿に乗せて、上にたっぷりあんかけかける。
キャベツにもやし、豚肉、あさりにイカにエビ。かまぼこ、天ぷらとつまりちゃんぽんの具材をスープで炒めてとろみをつけたもの。

「皿に盛った海鮮ちゃんぽん」って感じの料理ではあるけれど、脂や油が焦げた香りがおいしいムチムチ麺にスープや素材の味が凝縮されたあんがネットリからむ感じが力強くてとても独特。長崎名産のチョーコーソースを注いで食べると、酸味に風味、スパイシーな辛味があんにからんでオゴチソウ。

 

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