銀座のざくろで柘榴の和食

おいしい日本料理を食べたくて銀座の「ざくろ」。
不思議な店です。日本料理と言えば季節感が命といわれ、その季節感を上手に表現できる店の単価は高いというのが常識でもある。
なのにここの料理は年中、ほぼ変わりのない揺るぎなさ。
それでもある程度の単価が頂戴できるのは素材の贅沢感を活かした料理作りをしているからなんでしょう。何しろ和牛の品質の良さが売り物のお店ですから安心できる。
それからなんと言っても良いサービス。マニュアルなんかにたよることない、人柄溢れる人たちのやさしいもてなし。しかも基本に忠実で、見ていた不安になることがない。今のような街が不安に包まれている嫌な時代には、こういうお店のどっしりと変わらぬ魅力がありがたい。

一ヶ月ほど前に食べて満足できた「柘榴の和食コース」をたのしむ。
前菜、メインの料理が3つ。そしてご飯に汁、甘味でひと揃え。前菜はアスパラ豆腐と決まってて、でもやっぱりトマトサラダも食べたくもあり追加でたのむ。やわらかな卵豆腐とスベスベはりのあるのアスパラガス。ポッテリとしたマヨネーズにカイエンペパーともう何十年もこの組み合わせ。ドレッシングを飲むようにしつらえられたトマトサラダも変わらぬおいしさ。ホッとしながら堪能します。
氷のベッドにごきげんな表情で並べられた戻り鰹にイカの細造り。擦った生姜に穂紫蘇にたっぷり大根のつま。銀鱈の西京焼きも今日は分厚く大きくて、脂がのった銀鱈のねっとりとろけるようなおいしさ。ウットリします。

そして主役中の主役の一品、国産牛ロースの香り醤油焼。
かつてここには卓上ステーキというのがあった。
ジンギスカンの鍋のような分厚く丸い鉄板で、お店の人が厚切りの肉をバターの香りをつけながら焼いてくれるという料理。
脂を削ぎ落とした肉はやわらか。
おいしく焼き上がったらお店の人がそれを取り上げ、芥子醤油が入った器に移して「どうぞ」とテーブルに置く。前歯でサクッとやさしく歯切れ、奥歯を軽く沈ませじゅわりと肉汁吐き出し、ゆっくりとろける。
肉を食べてるって実感がしゃぶしゃぶなんかより数段上で、タナカくんも好きだったなぁ…。その卓上ステーキの味に限りなく近いここの醤油焼。
肉の量はどうだろう…、80グラムくらいしかないんじゃないかなぁ。でもほどよき厚さに歯ごたえを損なわぬ程度のやわらかさによき焼き加減。芳醇な肉汁に焦げた脂のおいしい香りと分量以上の満足感を味わえる。

ご飯の炊き加減が好きでした。ちょっと硬めでご飯の粒を感じることができて脂ののった戻り鰹や和牛をおいしくしてくれる。
付け合せも見事なんです。やわらかくバターでソテしたキャベツに茹でたいんげん。甘く仕上げたキャロットグラッセ。分厚いしいたけのソテに焼いたさつまいも。
彼と一緒に来てたら文句なく、しいたけとさつまいもをトレードして食べたろうなぁ。今日はさつまいもも文句を言わず食べてお皿をキレイにする。
あちらに行ったら苦手なものも食べられるようになるのかなぁ…。それとも好きなものだけ食べることができるんだろうか。ボクはこちらでちょっとづつ苦手なものがなくなっている。鶏皮と生卵だけはまだダメだけど随分、いろんなものを食べられるようになりました。甘く煮た梅のゼリーよせ、吉野紅梅でお腹に蓋する。満ちました。

 

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コメント

  1. チキタン

    サカキさん
    銀座の柘榴
    ごまだれが、、、
    大好きです
    この味を出したくて自分でも色々試してみました

    昔より一品料理の品数が減って
    アワビが無くなり
    大好きな胡麻豆腐も限定になり
    ちょっと寂しいです

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      チキタンさん
      昔はどんなお客様のどんな要望にお応えできるようという贅沢が満ち溢れていたお店。
      若干の合理化がなされているのもしょうがないことだろうと思います。
      ここのしゃぶしゃぶのゴマダレのおいしさは格別で、ボクもいろいろと試してみました。お店の人に旨みの秘訣はと聞きましたら、豆腐ようをすりつぶして混ぜているんですよ…、と教えてくださったことがあります。

  2. チキタン

    サカキさん
    私もそっち系が怪しいと思ってました 笑
    色的にも
    アスパラ豆腐も定番の美味しさですよね

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      チキタンさん
      実は豆腐ようを漬け込み終わった泡盛がこの上もなくおいしい調味料であるはずなのに、産業廃棄物として捨てられているという話を聞いて、買い占めようかと沖縄までわざわざでかけていったこともあります(笑)。
      アスパラ豆腐のマヨネーズがおいしくてしょうがありません。

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