都城でとんかつ、人吉で伊勢海老

熊本を車で出発。南九州をウロウロしながら今の話や未来の話をして回る。
途中、都城でランチを兼ねた試食の仕事。
十兵衛というもともとえびのという高原の街に本店のあるレストラン。
レストランと言ってもとても気軽できさく。
田舎の人たちを緊張させないのどかなムードがいいお店。
もともとうどんがおいしいお店としてスタートした店で、だから今でもうどんのメニューが充実してる。一週間に何度も来る人がいるほどで、ちなみにうどんなこの界隈に独特のなめらかで喉越しのよいやさしい麺線。
けれどうどんだけでは地元の人たちのいろんな利用動機に対応できないからと、10年ほど前からとんかつに力を入れてる。それで最近、やっととんかつもおいしい店と認知されたようで今日なんてうどんよりもとんかつが出ている様子。時間をかけた変化は本物。

なにか試食をと注文を何にするかと思案してたら、横を「ジューッ」って湿った音と一緒においしい湯気が漂い食欲誘う。
あれって何?
メニューをみると「鉄板焼きとんかつ」。
試してみたくてそれにした。
東京のとんかつ茶漬けの名店が鉄板でとんかつを焼きながら出してくるんだ…、と一時期真似するお店が続出。
でもほとんどのお店はやめてしまった料理でもあって、やめた理由はとんかつを茶漬けにするのに抵抗があった。でも焼ける音とシズル感。おとなしい料理が多い日本料理のお店にとって需要な根強く、だから真面目にやり続ければ売れる料理になるのでしょうネ。ヒレカツ3枚。それぞれ食べやすいよう二切れにして都合6切れ。千切りキャベツをベッドにやってくる。

蒸気でカツの下半分の衣はしっとり。けれどカツの上側はバリバリパリパリ。だから口の中ではかなり騒々しい。しかも熱々。むらされたような高価もあって肉がずっとしっとりしているところがありがたい。
千切りキャベツの焦げたところもゴチソウで、ご飯がすすむ。いいなと思う。
とんかつもおいしい店と認知された結果、最近熟れているのが黒豚ロース。高い。けれどこれを目当てに片道小一時間もかけて食べに来るお客様がかなりの数いるんだという。東京や大阪で1時間の行列ができる話題の料理や食品と、メディアは持ち上げ報道するけど、1時間時間をかけてやってきてまで食べたい料理もあるんだよ…、って思ったりする。
うどんんがおいしいということは、かなりの部分「天ぷらもおいしい」ということであり、天丼もいい。東京の甘辛のタレを天ぷらに特設まとわせ食べる天ぷらとは違ってサラサラの天ぷらのツユのようなタレをたっぷりかけてザブザブ食べる。地方の味もいいもんだ…、って思ったりした。移動する。

 

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人吉に来る。サンループというお店で夕食。
熊本と鹿児島の県境の街で泊まりの仕事。夜遅くからの勉強会の前に食事をと、伊勢海老御膳。
盆地の街です。
近くに海はないけれど、南九州の真ん中あたりに位置する街で、日南、天草、鹿児島と魚の宝庫にアクセスできる。
だから鮮魚がおいしいと人気の店で、この伊勢海老は鹿児島から来る。本当は天草あたりの伊勢海老が甘みが強くておいしいんですが、これも十分、いけますよ…、と。
まずは天ぷらやご飯にぶりのあら炊きが並んだ小さなお膳が到着。あら炊きなんてひさしぶり…、って骨をしゃぶってチュバチュバしてたら伊勢海老到着…、という趣向。
大きな鉢に氷をぎっしり敷き詰めて、大きな伊勢海老の殻がドーンッと器の真ん中に鎮座する。太いヒゲがビクビク動いて鮮度を誇る。そのエビの殻の横にその伊勢海老の刺し身と魚の刺身が並ぶ。

マグロにハマチ。どちらもゴリゴリ。九州独特の甘い醤油でなければ魚のゴリゴリ感に負けて味が整わぬ。噛んでも噛んでも口の中にゴリゴリ居座り、顎が疲れる頃合いで旨味がスーッと広がっていく。
伊勢海老の刺し身はぶりぶり。一口目から甘くてとろける。オゴチソウ。
程よいところで鉢の中の殻を取り出し、しばらく器は寂しくなる。厨房に戻ったエビは具足煮になる。甘めの麦味噌の中でクツっと炊かれたエビの殻は真っ赤に姿をかえて、汁のなんともおいしいこと。仕事の前にご褒美食べた。一生懸命、がんばろう。

 

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コメント

  1. Eiko

    私もこの週末都城出張で畜産のお仕事だったのですが、地鶏や宮崎牛だけでなく、ブランドポークにも力を入れているんですね。鹿児島の黒豚のような知名度を得るには、もう少し時間がかかりそうですが…私も次回はとんかつ食べたい!<今回は都城名物にしようとしている鶏・牛・豚の焼肉舟盛戴きました。

    • サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      豚といえば隣の鹿児島に強敵がいますものね。
      熊本、宮崎、鹿児島と南九州の生産者さんはみんな一生懸命。次はどんなおもしろい食材と出会えるだろうと訪れるのがたのしくなっちゃいます。

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