貝だらけからキャベツだらけにハシゴする

本格的に牡蠣がおいしい季節が近づく。
それでひさしぶりに「貝だらけ」を覗いてみようと思って新宿西口の路地。
「貝の三是」と看板があり、お店の外には一周年の感謝の看板。
そうか、できてもう一年。お店の中に入るとほとんど予約で満席で、最後のテーブルをもらって座る。入り口脇の予備で置いてるテーブルなんでしょう。開店当初のいつ来てものんびり座れる状態が、こんなに人気が定着した…、となんだか子供が巣立ったような気持ちになった(笑)。
飲み物たのむとお通しがくる。レンコンと春雨、ワカメの酢の物にさつまいもの天ぷら、ひじき煮。それにアサリのおすましがつく。このおすましが貝の旨みがしっかりとけこみ汁は白濁。湯気が湧き立つ熱々で、飲むとお腹が温まる。気がきいていていいなと思う。

貝の刺し身の盛り合わせ。
3種、5種盛り、8種盛りと三種類が用意されてて、それぞれ何が入っているのと聞いたら結局、8種類の盛り合わせをたのんだ方が得だと判断。

タイラ貝につぶ貝、サザエ。
ホッキ貝にミル貝、赤貝、トリ貝。それに牡蠣で8種類。
コリコリがあり、ムッチリがあり、サクサクがあり、ねっとりがあり。どれもそれぞれ特徴のある触感で、しかも味も微妙に異なる。渋みを感じるつぶ貝や、酸味が後味ひきしめるミル貝、ホッキ。どれも旨みがしっかりしていて、赤貝なんて貝を食べてるはずなのに昆布を口に含んだようなとろみや旨みをしっかり感じる。
牡蠣はポッテリ。
噛むとトロリとミルクのような旨みジュースをにじませとろける。
サザエは本当においしゅうござった。コリコリとした赤い部分は、まるでナマコを食べてるようで、色の明るい部分はフッカリ。歯ざわりがよくてうっとりしちゃう。

貝の天ぷらの盛り合わせをたのんでお腹を温める。ホッキの天ぷらはフッカリやわらか。ハマグリの天ぷらだったり、小柱と三つ葉のかき揚げとどれも味わい深く、お酒の進むオゴチソウ。冬になったなぁ…、としみじみ思う。

 

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貝の店では、お腹に余裕を残して終えて、ハシゴしようと街をさまよう。
あそこでもない、ここでもないとさまよい、さまよい、新宿駅の西から東。新宿三丁目まで歩いてしまう。
例えば銀座という街には、ハシゴに適した店がたくさん。
赤坂もそう。
新橋もそう。
お腹を「ほどよく」満たせるお店がたくさんあるのに、ココ新宿は「お腹一杯になっちゃう」店が多くて困る。街の性格なのでしょう。
結局たどり着いたのは二丁目ちょっと手前の「あづま」という洋食店。昭和な店で、サンプルケースがそもそも昭和。お店の中は一階、地下に分かれてて結構ニギヤカ。一人客から家族客。仲間同士に女子同士といろんな人がやってきてそれぞれたのしみ帰っていける便利なお店。

季節のおすすめというトマトクリームポタージュをたのんでためす。
キャンベルスープのトマトスープが結構好きで、それでためしてみたのだけれど、なんとスープの中に生の玉子が沈んでた。
熱々ですから…、と言われて確かにスープは熱々。
器を触ると「アチッ」となるけど、生の玉子に熱を通してしまえるほどに熱々かというと役不足。
特に白身がスプーンをすべってドゥルンと落ちる様子をみると怖くなり(笑)、付き合ってくれた友人にすべて進呈。どんな味?って聞いたら、キャンベルスープをよりクリーミーでコクある感じにしたみたい…、って。
あぁ、玉子が入っていなければ絶対好きになれるのにって思ったりした。なんとも残念。

2人でひとつ。ココの名物の鉄板焼きをたのんで分ける。
粗切りにしたキャベツを油で軽く炒めて、熱々にした鉄板の上にこんもりのせて、牛肉や豚肉を炒めたものと一緒に食べる。
醤油ベースで飴色炒めのみじん切りの玉葱がタップリ入って、ほのかな酸味で味引き締めたサラサラソースをかけてジュージューしながら食べる。
キャベツとタレの相性がよく、肉のサイドのキャベツじゃなくて、キャベツのサイドに肉がある…、って感じの料理。
ご飯がすすむこういう店にはウレシイ一品。かつてはキャベツだけだとか、あるいはツナをのっけたモノがメニューにあってそのツナキャベツがおいしく好きでよく食べていた。今となっては過去の思い出。なつかしい。

メインは「あづまカレー」っていう、カレーの上にハンバーグとサーモンフライをのっけたものと、10種類ほどの料理から好きな2種類を選べるセット。ハンバーグとクリームコロッケを選んで食べる。
洋食屋ってこういう料理のこういう食べ方が醍醐味だよね…、って子供に戻って感じでハフハフ。どちらにもスパゲティーのケチャップあえがついてくる。しかも千切りキャベツのこんもりと。洋食屋さんって千切りキャベツがもしかしたらば主役なのかも…、って思えるほどにそれがおいしく、シャキシャキシャクシャク、顎をたのしく動かし食べる。
さまよい歩いたかいがあったネ…、ってニッコリしながら満たされた。

 

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