讃岐

高松に家族集まりちょっとぼんやり。栗林公園に来たことがない人がいるということが判明して、ちょっと散歩をしましょうか…、って。

udon miyabi途中でおいしいうどん屋さんがあるからと、そこをランチの場所とする。
「うどん雅や」という店。
JRの栗林駅の一階にあり、東京的にいえば「駅そば」みたいな位置づけ。
けれどお店の前に駐車場があり、駅の一階なのに駅前みたいな風情がある。タクシーの運転手さんがやってきてはうどんを食べて帰ってく。
こういう人が贔屓にする店にハズレ無し…、って感じがたのしい先味作る。
客席部分は決して大きくなくて、それに比べてびっくりするほど厨房が大きい。製麺機があり、茹でるための大きな釜が置いてあり、天ぷら揚げる鍋に大きな作業台。
注文をするカウンターの前にはおでんの鍋があり、厨房の中のお店の人は七面六臂の大忙し。
これからうどんを茹でますから、ちょっと待って下さいネ…、って。
おいしいうどんを食べるためなら、少々待つのはむしろたのしいコトでござんす。

udon odenおでんの鍋からいくつかもらって、みんなで分けて時間を潰す。
継ぎ足し継ぎ足し使った煮汁。
ほぼ黒色の鍋の中に、串に刺した具材が並ぶ。
すべてが串刺しというのが讃岐うどんのお店のおでんの特徴で、しかも刺された具材が独特。
こんにゃく、玉子、平天という練り物に豆腐に牛すじ。それから大根。
玉子のような串から外れてしまいそうな具材の頭に、小さく切ったこんにゃくをさしすべりおちないようにする。
トロトロに溶いた辛子味噌をかけて食べるのもまた特徴で、それをタップリ。

出汁が染み込んだおでんのおいしさ。
牛すじはトロトロ、ネットリ奥歯にからみつくなめらかさ。肉感的な味わいがある。
玉子は黄身までしっかり熱が入ってホロリ。煮込んで縮んだ白身がムチッと歯切れ、そこに黄身が混じってトロリ。
どれもおいしく、けれどやっぱり中でも一番讃岐らしいなぁ…、と思うのが平天でペロンプルンとやさしい歯ざわり味わいたのしむ。

udon kijouyuまず天ぷらがやってくる。
ボクらがお店に入った時間が1時ちょっと過ぎ。実はこの店、14時半にはお店を仕舞う。代わりに朝早くからのオープンなんだけど、それで天ぷらは作りおきじゃなく注文受けて作るのですね。
竹輪の天ぷら。
鶏肉を蒸して下味をつけたものをさっくり揚げた鶏の天ぷら。
どちらも当然熱々で、ハフハフしながら食べてるうちに、うどんが次々出来上がる。

肉うどんに熱いぶっかけ。それから生醤油。
飴色のうどんを水でキリッとしめて、大根おろしにネギを散らしたところに生醤油。
この醤油の旨味が強いのですね。ぶっかけダレほど甘くはなくて、醤油の風味とどっしりとした旨味がうどんの麺にからむ。
麺そのものに塩の旨味が入ってて、出汁を必要とせぬおいしさにうっとりします。
生姜をまぜたり、ゴマを吸ったり、天かすのっけて風味をつけたりといろんな味を試して食べる。お腹が気軽に満たされて、散歩の続きをいたしましょ。

 

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それにしても栗林公園という公園。写真を撮るのに難儀する。

riturin山を借景とし、広大な敷地に池に築山、うつくしく整えられた木々が並んだ立派な日本庭園なのだけれど、すべてがあまりに人工的で、目の錯覚をもってすべてが整えられている。
だからなのでしょう…、カメラのレンズを通すと途端に魅力が薄れる。
平坦で、遠近感がありすぎてどこをポイントにして撮っていいのかわからなくなる。
ボクのカメラのレンズが単焦点にして標準画角であるということや、そもそもボクの写真を撮る腕の不出来のせいでなかなかキレイな写真が撮れない。
残念至極。悔しくってくやしくて、そうか、ココは「来なくちゃ魅力がわからない」庭園なんだと無理やり合点で気がなごむ(笑)。

用事を終えてホテルに入り、泊まったホテルの名物サービス「夜鳴きそば」をズルリと食べる。

yonakisoba宿泊特化型のほどよきホテル。露天風呂付きの大浴場があるのも売り物で、かわりに客室にはバスタブがない。その分、ベッドが大きく快適。
旅館とホテルのいいとこどりのようでしっかり機能的。ビジネスマンのための旅館っていう感じもしてたまに利用する。
とは言え高松ではいつも別のホテルを使っていたのだけれど、その定宿がなんと満室。
どうしたことかと聞いてみると、中国からの直行便が最近、高松空港に乗り入れてそれでグループ客の扱いになれたホテルがみんな満室…、というのです。
ちなみにボクが泊まったホテルにも、韓国系や中国系のお客様たち。夜遅くまでロビーでワイワイ、夜の街へと雪崩れ込んでらっしゃった。
あいも変わらずアジアは元気でございます。

さて夜鳴きそば。油すくなめですっきりとした醤油味。いたずらにおいしくしないさっぱり味で夜のお腹にいい感じ。
細く縮れたシコシコ麺に、メンマにネギに刻み海苔。白い胡椒をタップリふってズルンと食べるとお腹がたのしくあったまる。お風呂に入って今日は早く寝ましょうと思って寝ます。そして朝。

asaasa udon今日は1月7日でござる。ホテルのバフェにいくと七草粥がある。
あぁ、いいなぁ…、こういうもてなしはアリガタイ。
ポッテリ炊けた白米に、七草独特のこうばしい香りがしみこみお腹がぽっかりあったまる。
今年は新年早々忙しく、気ぜわしくなる気持ちをホっとなだめてくれる。

それからうどんがあるのが讃岐流。
温かいの、冷たいのと好みを聞いてくれてから、チャチャッと湯がいて作ってくれる。ネギや揚げ玉、生姜などの薬味もタップリ。
天ぷらも竹輪にレンコンとうどんをおいしく食べるのに十分なものが用意されてる。しかもこれがおいしいのです。うどんは茹で置きだからほどほどおいしく、けれど出汁が旨いのですネ。
こういうところで食べてもおいしいというのがまさに県民食の底力。喫茶店にもうどんがある…、そんな讃岐の朝をたのしく味わった。

コメント

  1. おすぎ

    サカキさんこんにちは!
    今年も様々なおいしい記事を、楽しみに読ませていただきます。よろしくお願いいたします。

    讃岐にいらっしゃったのですね。栗林公園!!
    市の中心部にほど近く、ああいった庭園が残っているのは
    豊かなことだなと、傍を通るたびに思います。
    私もこの正月は讃岐に帰り、うどん三昧♪
    義母の作ってくれたしっぽくうどんにあん餅雑煮も美味でした!

    道中の新幹線で御本も楽しませていただきました!
    結論にがっかりはしましたが(博多うどん食べてみたいです!!)その土地が出してくれる美味しさって絶対あると思います。全国各地の豊かさを味わっていきたいです。
    九州にも初上陸を目論みます☆

    相変わらずお忙しそうで、お身体どうぞご自愛ください。
    でも、サカキさんが具合の悪い時に召し上がってるものもとっても美味しそうで、、、ワルイ読者ですね。
    幸多き一年になりますように!

  2. サカキシンイチロウ

    おすぎさん。
    しっぽくうどんにあん雑煮。
    まさに讃岐三昧ですね。
    あの結論。
    たしかに東京に住んでいるとガッカリですが、九州に旅するきっかけになってくれればいいなぁ…、と思って、そうしました。
    その土地にいってこそ美味しい料理って博多うどんだけでなく、たくさんありますものね。
    今年もよろしくお願いいたします。

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