讃岐の出島「麺通団」で高野豆腐の天ぷらを食べる!

ひさしぶりに麺通団にやってきてみる。
「うどん大使東京麺通団」というのが正式名称。小滝橋通りという今ではラーメン激戦区として知られる気軽でおいしい飲食店が集まる通りからちょっと入った路地にある。
もう何十年以上前のコトになるんだろう。
この店ができたときにはまだまだ「新宿のはずれ感」が漂う寂しい通りだった。
そこにまだ珍しかった讃岐風のセルフサービスのうどん屋さんが新宿の路地に忽然と姿をあらわした。トタン板を貼り付けた外壁。中に入ると麺の打ち場に茹で場があって、そこから一直線に民家の軒下みたいな造作。まるで田舎の製麺所の前庭に紛れ込んだような感じに襲われる。
讃岐うどんのテーマパークができたみたいだと随分人気が出たものでした。今では街中にセルフサービスのうどん屋ができ、珍しさこそなくなったものの本場さながらの雰囲気、料理はやはり別格。たまにくると田舎に帰ったみたいな感じがしてくるのがいい。

たまたま来た今日が月曜日。そうだ、毎週月曜日は天ぷらが全品50円になる日だったとお店の前の掲示板を見て思い出す。なんてラッキー。お店の前に置かれたお店の人の自転車も自転車王国讃岐のムードをよく出している。
ちなみにこの自転車の持ち主はうちの近所に住んでる人で、讃岐からワザワザこの店のために東京に移住して、日々、おいしいうどんを作ってる。
軒下部分にズラッとならぶ天ぷらさまざま。とり天だったりゲソ天だったり讃岐うどんのお供が全部で15、6種類はありましょうか…、たのしく迷う。入り口部分でうどんをもらって天ぷらとってお金を払ったその先に、熱々のかけ出汁が出てくる蛇口があるのもかなりの讃岐的。蛇口を倒すとおいしい出汁の匂いと湯気が噴き出してくる。腹が鳴る。

肉うどんの冷ぶっかけをメインに選んだ。
茹でて冷たくしめたうどんをクルンとまるめて丼の中に入れ、ぶっかけ用のタレを注いで肉をのっける。
冷蔵ショーケースの中に置かれた大根おろし。
レジ横にあった生姜に刻んだネギをのっけて麺をグルンとかき混ぜる。
醤油の風味がくっきりとした甘めのタレで、大根おろしの旨味や辛味で味がキリッとひきしまる。
コシがあるけど硬すぎはしない打ち立て、茹でたてのうどん自体がおいしい上に喉越しがよくてスルンとお腹に流れ落ちてく。
讃岐のうどんは噛まずに飲むっていうのが親父のこだわりだった。なのに東京の讃岐うどんは硬すぎてかなわんとも言っていたけど、ここのうどんなら飲み込める。ただ噛むと噛むだけ小麦の風味が際立つ感じでどう食べようかとなやましくなる。飲んだり噛んだり、たのしく食べる。

天ぷらは2種類。ひとつはちくわの磯辺揚げ。青のりを混ぜた衣でサクッと揚げた大きな天ぷらで、指でちぎってうどんにのっける。大根おろしやタレにどっぷり浸して衣をやわらかくしてパクっと食べるとムッチリ、奥歯に弾力感じる。天ぷら衣の油が混じってタレにコクがでるのもステキ。
もう一種類は高野豆腐の天ぷらで、好きでなんともなつかしい。
讃岐では炊いたり煮たりしたものに衣をつけて天ぷらにする。レンコンだとか筍だとかごぼうを煮付けて揚げると天つゆなんかを使わずそのまま食べられるうえ、冷めてもおいしい。煮た高野豆腐の天ぷらのサクッとしててフワッととろける感じは格別。
カップに注いだ煮干しの香りが鮮やかな熱々の汁を飲みつつうどんをキレイに食べて、大根おろしが入ってた器に高野豆腐の天ぷら入れて汁を注いでハフハフ食べる。チェーン店とはまるで違ったおいしさ、たのしさ。また来ましょうと思うなり。

 

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