讃岐で蕎麦、阿波で蕎麦

高松の朝。そばを喰う。
高松駅の駅裏にある「味庄」という小さなうどん屋。
厨房の中で麺をうち、出汁をひいて商売をする、いかにも讃岐のうどん屋らしい佇まい。
朝早くからやっていて、朝早くから人が集まる。駅と港がくっついている町の朝は早くていささか忙しない。町のリズムにあった店。
入り口入ると正面がカウンター。中に厨房。カウンターの一番左側にお稲荷さんやおむすびが置かれた小さなショーケース。麺の茹で場が目の前で、注文したらどんぶりに茹でた麺を入れて手渡される。右手に天ぷらがおかれてて、出汁の入った大きなボイラー。お金を払って席につく。
慣れるとこれほど合理的な仕組みはなくて、おなじみのおじさんたちは流れるような手際のよさで、あっという間に料理を整え食べはじめる。ご主人、おばちゃん二人でお店が動いているのも、この仕組ゆえって感心します。

ボクはここではいつも蕎麦。
そばというより、そば粉の混ざった細打ちうどんのような風貌。
むっちりとした食感で、粘るでもなくコシがあるわけでもなくただただ出汁をまとって口の中へとやってくる。
蕎麦の風味もしはするけれど、出汁の香りや味が強烈。
いりこの香りに昆布の甘み。醤油の風味が口いっぱいに広がって、麺の形の出汁を食べてるみたいな感じがオキニイリ。
揚げ物を二個とお稲荷さん。ここのお稲荷さんはきつねうどんを食べてるようなみずみずしさをもって独特。ちょっと薄めの甘辛味に仕上げたお揚げをしぼらずつゆだくのままで酢飯を詰める。お酢がビリッときいた酢飯で、一口食べると口の中がお揚げの煮汁で潤い旨い。

揚げ物をふたつ。ひとつはちくわの磯辺揚げ。指でちぎってそばの上にそっと置く。汁の蒸気でほんのちょっとだけ温度があがって、風味がよくなる。最初はサクッと乾いた衣が歯切れる感じ。それがゆっくり汁を吸い、ぽってりとろけてムチュンと竹輪にからんで潰れる。
もうひとつはコロッケで、何コロッケかと割ってみればこれがなんとカレーコロッケ。さっくり揚がったパン粉衣もカサカサおいしく、なにより汁に浸して食べるとカレー南蛮みたいな味にしてくれる。
麺をズルズル、汁をごくごく飲んでお腹の芯から体全部をあっためる。

 

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高松から電車で徳島。仕事をあれこれ。終わった時間は夕方近くで、飛行場に向かうバスにのるまでの時間を使って腹ごしらえ。
蕎麦にしました。
朝も蕎麦、徳島も蕎麦とうどん王国にやってきて蕎麦。
とはいえ思い出してみれば、松山にいたときもうどんは家で作って食べることが多くて、外食しましょうと行く店は蕎麦のお店が多かった。
蕎麦はゴチソウ…、大人の食べ物って思いながら育ったボクは、今や蕎麦世代真っ只中って感じでしょうか。
本家橋本という老舗の「並天」。
これがどうにも好きでしょうがない。細くてザクザク歯切れる蕎麦。熱々の出汁の中にあってもなおも、ザクザク感を失わず口の中で散らかるようなにぎやかさがいい。
汁は甘くて出汁がしっかりきいていて、そこに浮かんで漂う天ぷら。人差し指大のエビを一尾一尾衣をつけてさっくり揚げて、それをまとめてかき揚げ状にしたモノで、最初はひとつかたまりで、それがゆっくり衣がとろけて一尾一尾が散り散りバラバラ。ブリッとエビは健康的においしくて汁を吸った衣のポッテリなめらかなこと。おいしい油が汁に移ってコクになるのも味わい深い。さて東京へと戻ります。

 

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コメント

  1. にゃおにゃん

    東京で蕎麦。
    二週間前、上京してまして大庵で宴会。人気で少し並んだけど入れてラッキー。れんこんにそばがきと七味を混ぜて詰めて揚げたものや天ぷらやいろいろ食べて蕎麦で締め。ジャカルタより一時帰国な友人も、田酒に蕎麦を満喫して喜びな宴となりました。コスパよし、美味しい。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      にゃおにゃんさん
      カジュアルで日本らしいおもてなしにピッタリな店ですよね…、大庵。
      ボクもひさしぶりに行ってみたくなっちゃいました。

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