試作にプレゼン、秋のランチの試食会

月に一回やってくる「かにの華」というお店。
かつてかに料理の専門店は日本全国で繁盛してた。
蟹という贅沢でわかりやすいおいしさを持つ食材が、ハレの場の外食機会にピッタリだった。原料のカニもふんだんに手に入った時代でしたから。

けれど今では蟹の輸入が制限されて、かに料理を専門にしていたお店は苦労をしてる。
そのほとんどが「かに料理もある」お店に趣旨替え。
でもそうなると、普通の日本料理のお店との差別化が難しくなる。
少々値段がはっても蟹を食べた…、って気持ちになってもらえる食卓をどう提案するかがとても大切。
その提案をみんなで一緒に考えようと、季節、季節でランチの提案、試作に試食をずっと続けて人気を持続させている。今日は秋用のランチメニューをメインに試作。

秋らしいコト。特に食材が季節感を表現できていることというのが料理つくりの縛りの一つ。それ以外には今ある食器をなるべく使って、お膳の上に全部乗り切る…、つまり料理提供が一度で出来るというのが条件。

前回の夏の料理の試作は不作。
夏を代表する食材っていうのが結構、むつかしい。
それに比べて秋の食材は豊富でしかもわかりやすい。
キノコに栗。
鮭に秋茄子。
調理法にしてもそろそろ涼しくなってく季節でそれで蒸し物、あるいは鉄板焼きにといろんな提案がやりやすい。
それで全部で8種類の提案が出る。

花籠の中に色とりどりの料理を盛り込んだ提案は、10年ほど前からずっと変わらずちょっと上等な日本料理のお店の定番。
蟹の足やキノコを丸い鉄板で焼いて味わう趣向の料理や、雑穀米で作った釜飯。土瓶蒸しには松茸だけじゃなく蟹やエビを忍ばせゴチソウ的に仕上げて供する。
牛肉や野菜、キノコの蒸し物に同じ素材をしゃぶしゃぶにして味わう提案。
やはり寿司はみるから贅沢。
それに味噌や麹の風味の汁で煮込む寄せ鍋。
いろんな料理がちょっとづつ並ぶ提案もいいけれど、シンプルに食べたいものを心置きなく食べて貰おうとカニのばら寿司をメインにしたものと多彩でたのしい。

ちなみにずっと、誰が作ったかわからぬ状態で、みんなで投票して実際に商品化する料理を決めていたのだけれど、今回からそれを考えた本人が、どういうテーマで誰に向け作ったものか。セールストークも含めてプレゼンをしてそれで選ぼうとルールを決めた。これがなかなかオモシロく、商品ひとつひとつに説得力が出てきた選ぶのがたのしくなった。

ひとつひとつ丁寧に料理をみます。
この段階で食べることはまだできない。
お客様がメニューを見て、料理を決める気持ちになって料理を見て選ぶ。
だって、お客様が料理を選ぶとき試食なんかできないから、見た目に説得力がなくちゃ売れない。
それで食べずにジックリ観察。
気になる料理がいくつかあった。
一つはカニ汁。
固形燃料の上で炊き、熱々にして味わう豪華な味噌汁ってテーマの料理で、カニのツメがニョキッと生えたようで贅沢。
カニのばら寿司からこれまた生えたようなズワイの足がこれまた美味しげで、錦糸卵で覆われたすし飯のちょうどてっぺん部分にたっぷり、カニの内子で作った塩辛。色鮮やかで食欲誘う。
カニのツメが刺さって仕上がるおむすびも子供っぽくって可愛くて、食べてみたいなぁ…、って思わせるモノ。今日はかなり迷います。

ひとり4票。無記名でいいと思った料理に入札。上位3つの料理はそれぞれ8票、8票、6票と多くの票を集めたけれど、4票集めた料理が3つ。さてどれにしようかとみんなで討議。どれも決め手に欠けはしたけど、選ばれた料理をまるで違った趣向の料理だからと、カニのちらし寿司がメインの料理が選ばれた。
ただ、4票しか集まらなかった理由がどこか決め手にかける大人しさ。お腹いっぱいを約束できるよう、惜しくも落選した提案にあったキノコのあんかけうどんを借りてきて、それで合格。

ひとりひとりが真剣に考え提案することで、思いがけない料理ができて、その貸し借りで料理の精度が上がっていくのがオモシロイ。

季節のランチのメニューだけじゃなく、季節の夜のメニューも一緒に試作で試食。カニとすき焼きの両方が楽しめるという会食なんかにピッタリのモノ。あるいはカニを炭火で炙って味わう提案と、湯気が漂う料理は秋にピッタリで、できたて感もたのしめる。
あるいは手軽な定番ランチ。定番といえども定期的にリニューアルしないといつかは飽きられる。うどんと寿司の組み合わせが手軽なランチでは一番人気。ずっとカニの太巻きをセットにしてたのをカニのバッテラに変えてみましたと、色鮮やかでうつくしいステキな提案。良き勉強となりました。

 

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