西荻窪で肉にまみれてコーヒーゼリーであまやかす…
ある店のことをふと思い出し、無性に行きたくってしょうがなくなり電車にのった。
西荻窪駅の近くの「キッチンキャロット」っていう洋食屋さん。
はじめて来たのが10年前。
肉でお腹いっぱいにしたいときにぴったりで、タナカくんもいたく気に入り何度か通った。最後に来たのは6年くらい前だったかなぁ…、ひさしぶり。
グリル系の料理がメイン。オールビーフのハンバーグにステーキ、チキンソテ、その組み合わせで20種類のランチメニューが揃ってる。
一番人気にしてタナカくんがいつも食べてたのが「ステ盛りチキン」。ステーキ、ハンバーグ、チキンソテと人気の料理の全部のっけにクリームコロッケ。ご飯に味噌汁、選べるソフトドリンクまでついて1850円。アイスコーヒーを選んでたのむ。
さまざまな調味料が几帳面に並んだカウンター。
注文と同時に冷たいお水に大きな紙ナプキンがやってくる。
まもなく料理が出るタイミングでご飯に味噌汁。
それを合図に、紙ナプキンをカウンターの手前に広げて、料理を待ちます。
熱々の鉄板の上で脂やソースが跳ねるのを防ぐための儀式でござる。
ジュージューバチバチ。にぎやかな音が近づき蒸気を噴き出す鉄板到着。鉄板から溢れ出すほどの料理の山にニッコリします。
鶏肉好きのタナカくんが中でも一番好きだったのがチキンソテ。ニンニクオイルで皮目がバリッと焼き上げられてトマトソースがたっぷりかかる。このトマトソースがおいしくってネ…、タイムにオレガノの香り鮮やか、スッキリとした酸味と甘味が鶏もも肉の味わい、風味をひきたてる。
手切りで細かく刻んだ牛肉だけを使ったハンバーグ。芯はレアで鉄板に押し付け好みに焼いて味わう。噛みごたえのあるひき肉でジュワッとおいしい肉汁が口に広がる。おゴチソウ。
ステーキ肉は赤身のおいしいとうがらし。これまたきれいなレアな仕上がり。歯ごたえがあり噛めば噛むほど旨味が口に広がっていく。
自家製のにんにく醤油をかけて風味を整えてもりもり食べる。
チキンソテをまぜ全部食べ、まだ熱々の鉄板にご飯をのせてトマトソースやスイートコーン、ハラペニョソースと混ぜて食べるとジャンバラヤみたいな味がする。クリームコロッケと一緒に食べるとおいしくってネ。ポテトフライにインゲンのソテとボリュームたっぷり。お腹いっぱい、オキニイリ。
満腹のお腹を揺すってお茶しに近所の喫茶店「どんぐり舎」。
駅前商店街が終わってここから先は住宅地…、って場所の一軒家。鬱蒼とした緑に中の一軒家。
お店の中も風情があって、ジブリにアニメに出てきそうなゴチャゴチャ感が好きだった。
ご夫婦でやってらっしゃってのんびりとしたリズムがなによりオゴチソウ。時間をのんびり無駄遣いするのにいいお店。
1日5個だけってコーヒーゼリーを選んでたのむ。
ラム酒を使った大人味。コーヒーゼリーの上にアイスクリームをまるめておいて、そこに生クリームをたっぷりかける。冷たいアイスクリームにふれた生クリームが凍ってかたまっていく。スプーンをあてるとクシュっとこわれる。
口にふくむと最初はかたく、それがゆっくり溶けてとろける。気持ちの凝りがほぐれる感じ。
苦くて硬めのコーヒーゼリー。スプーンですくうとブチュンと音をたててちぎれてスプーンにのっかり震える。「ボク、おいしいよぉ〜」って言ってるみたいでクスリと笑う。
甘いシロップをかけて甘々にして舌にやさしくのっけて味わう。
甘さで苦味が強調されて、口の温度でゼリーの中に閉じ込められてた香りがふわりと目覚まし鼻から抜けていく。
おいしいなぁ…、しみじみおいしい。正時がくると柱時計がボンボンなるんだ。ボーンボーンじゃなくってボンボンちょっとせわしなく。そのボンボンって音に混じってゼンマイがジリジリ動く音がして、こういうムードが好きだったよなぁ…、って思い出す。