蟹にふぐ、冬の試作に試食の仕事

かに料理の専門店、かにの華にて試食の仕事。
いつもは、季節のランチメニューをコンテスト形式で試食する。けれど今日は、秋から冬の季節のディナー。あるいは定番ランチメニューの試作会。気合の入り方がいつもと違って、みんな真剣勝負という感じ。

まず冬の会席。
カニの小鍋にカニの天ぷら。
ズワイの足の天ぷらに、カニの半身を茹でたもの。
サラダに先付け、茶碗蒸し。
カニのほぐし身を玉子豆腐の上に乗っけて銀あんかけた一品料理に、肉の味噌焼き。食事代わりのイクラをちらした太巻きと多彩な上に、贅沢料理がズラリ並んでウットリします。

ちなみにコレで売価が5000円。
飲食店の商品開発は、売価から発想しながら作る方がいいんだという人がいる。それはつまり「原価を積み上げながら」料理を構築していくということ。チェーン店なんかはみんなそういうやり方をする。
その一方で、売価発想では結局、他のお店と一緒になっちゃうからまずお客様が喜ぶ料理を作った上で売価を調整する方がいいという人もいて、一概にどちらが正解とはいえない難しさがある。
ただ、売価を大体思い描いて、作りたいものを作った結果、それがピッタリ、想定売価で売れる料理ができたときには絶対売れる。これがそういう料理かなぁ…、と思ったりする。ワクワクします。

まもなく年末年始という、贅沢を好む季節がやってくる。
それにあわせたコースを2つ。
ひとつはカニとフグを一緒に味わうコトができる贅沢コース。
ズワイととらふぐのしゃぶしゃぶはどちらもタップリ、鍋を満たすほどのボリューム。
えのきに白菜、水菜もタップリ。
胡麻ダレ、ポン酢でたのしくあじわう。

フグの刺し身の横にはカニの刺し身がちょこんとのっかる。
ブリブリとしたフグの食感、ねっとりとした生のカニの甘みを交互に食べ比べ。
フグの唐揚げ。
フグの皮の湯引きの酢の物。オマールエビの蒸し物まで付き、年末年始という特別なときを寿ぐに十分な料理揃いでうっとりします。
〆は鍋で仕上げる雑炊で、冬にうれしいあったかさ。

もう一種類はせいろ蒸し。二段重ねのせいろの1段。カニにホタテ、だし巻き卵に椎茸にカブ。もう一段にはもやしとネギを敷き詰めて飛騨牛、豚肉と肉を2種類。下から蒸気を当てて蒸し上げる。刺し身にカニ味噌、茶碗蒸し。カニの爪のフライがついて〆は目の前で炊き上げるカニの釜飯。食べてる間、ずっと蒸気が湧き上がってる、その温かさがオゴチソウ。 それから定番ランチがズラリ。

日本料理は隠す料理。すべてをさらけ出すのではなく、おいしさを予感させる盛り付けだったり器使いに特徴がある。器に蓋をしたまま提供するというのがその代表的な表現方法。
大きな塗のお椀がひとつ。手前に簾で蓋した箱。お椀の向こう側にはサラダの鉢、天ぷら、天つゆ、醤油の小皿。何が入っているんだろう…、とワクワクしながら蓋をあけるとお椀の中にはカニのうどん。箱の中には押し寿司と、どちらもキレイでうつくしい。
特に押し寿司。卵焼きにキュウリにマグロ、イカに白身をモザイク状に散りばめて、酢めしの間には甘辛味の椎茸と、味わいニギヤカ。目にもキレイでうっとりします。昆布をまとわせ、上にとんぶり、三つ葉にトビッコ。それぞれ食感異なって同じ寿司なのに違った味を感じるところがオモシロイ。

頭ほどの大きさのお椀の中には料理がぎっしり。
カニの刺し身に卵焼き。
茄子に豆腐、生麸の田楽。
それから天ぷら。
ちなみに田楽の串の方向が左向き。こりゃ、配置違いと直しが入った。
こういう細かなとこに気づくか気づかぬか。蓋を閉める前に徹底しようといい勉強。

茶碗蒸しに小鍋の中は炊いて仕上げる豆腐。豆腐の中に蒸したさつまいもを散らしてご婦人ごのみを装う。
主食はカニの太巻きとカニの握りにマグロの赤身。
いろんなものをちょっとづつ楽しむことができるたのしさ。

一方、メインに汁、副菜2つで一揃えというシンプルだけど実力派。
海鮮丼ぶりにおすまし、サラダ、茶碗蒸し。
あれこれいろんなものを食べるより、食べたい者でお腹を満たしたいという人も多くて結構人気があるんだという。

それにしても味噌田楽がメインに近い扱いである。しかもお客様がそれを喜びたのしみにする。これって赤味噌文化のこの地方ならではだなぁ…、って思ったりする。オモシロイ。

他にもあれこれ。花かご型の器の中に料理がぎっしり並ぶ弁当。メインが寿司で、湯葉で巻いた太巻きという目に麗しく、食べるとスベスベ、奥歯にすべるようなおいしさ。
かにの刺身にカニの天ぷら。焙烙鍋の中にはカニのバター焼き。しかも主食ができたて豆腐をのっけたご飯。カニのほぐし身がタップリまじり銀あんかけて味わう趣向。なめらかな豆腐の食感があんで一層とろみがついてポッテリお腹をあっためる。
小皿料理がズラリ並んだ松花堂。ご婦人方の会食なんかピッタリで、4人、5人と集まって食卓囲んで誰もが必ず食べたい料理がそこにある。そういうところがいいんだろうなぁ…、と思ったりした。よき勉強。

 

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コメント

  1. いにしえ

    サカキさま
    田楽が入ったメニューがあったら、きっとそれを選らんじゃいます。田楽だー!という感じで。
    体の一部は味噌でできているんじゃないかと思う、赤味噌文化圏です。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      ボクも岐阜に通うにつれて、味噌の美味しさに目覚めたようで試食がはじまってまず最初に田楽を食べちゃったりします。
      甘辛味の赤味噌ってどうしようもなく食欲を誘いますよね。

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