蛇口から出るみかんのジュース

mikan新宿で会いたい人がいて、小田急百貨店にいく。
今、日本全国のおいしいモノを紹介するイベントを催事フロアでやっていて、その人に会いに行くついでに、ブースをあちこち。
中に一か所。
笑っちゃったブースがココ。愛媛県のみかんジュースを売ってるところ。

愛媛といえば愛媛みかんとポンジュース。
松山には、ひねるとみかんジュースが出てくる蛇口があるんだとまことしやかに伝わる都市伝説があるけれど、それを現実のものにしちゃったのですね。
200円を払うとカップを渡されて、蛇口をひねって好きなだけ入れていいです…、っていうサービスで、味は普通のみかんジュース。酸味の少ないポンジュースって感じのモノで、でもそれを自分で注げる。しかも蛇口からっていうのがたのしく流行ってた。
ボクが松山の小学校に通ってた頃。時たま学校給食でみかんジュースが出ていたけれど、酸っぱかったり香りがなかったり。今になって思えばおそらく、ポンジュースを市場に出すための実験かなんかだったんだおうなぁ…、って思う。ナツカシイ。

pistacio用事を果たしてブラブラ、再び新宿散歩。
夕食を家で今日は作って食べようと、それで買い出し。高島屋にくる。
ひさしぶりに来たら部分的にリニューアル中。
そのリニューアルが終わったところもいくつかあって、これがいい。テナントが丁寧に整理され、魅力的な売り場になってた。
角を上手に使ったショーケースのしつらえが、見やすくしかも買いやすく。あれこれ買っちゃう。オキニイリ。

ちょっと甘いものを気持ちが所望。ジェラート売り場に立ち寄った。そしたらなんと、プレミアムピスタチオなるフレーバーがあり、600円を超える値段ではあったけれどもピスタチオ好きとしてはどうにも食べたく、買っちゃった。ポッテリなめらか。ザラッとナッツの砕けた感じが舌にのこって、きな粉を舐めたような味わい、食感がある。それがユックリ、ピスタチオ独特の青い香りに変わっていって喉から体が潤っていく。そしてお家へ帰ります。

さて、晩ご飯。土鍋でご飯をまず炊いて、おかずを幾つか。

y karaageメインを鶏の唐揚げにする。
鶏もも肉を買ってきて、ぶつ切りにしてタレに漬け込む。
タレと言ってもとてもシンプル。日本酒、醤油に生姜にニンニク。
醤油を四国のちょっと甘目で出汁の旨みが入ったモノを使うところだけが小さなこだわり。
2時間ほどで引き上げて、粉を叩いて油で揚げる。
カラッと二度上揚げ。

ハーブ野菜にオリーブオイルを塩を揉み込みしんなりさせたサラダをお皿のサイドに盛って、スナップエンドウを茹でて飾った。
鶏の唐揚げのジュワッと脂が染み出すおいしさ。鳥の唐揚げって、人の気持ちを元気にさせる力があるよね…、って思ったりする。
それにしてもスナップエンドウの甘いコト。
少ない水で蒸し焼きにして、軽く塩を施しただけ。他に味はまるでつけていないのに、甘くて緑の香りもどっしり濃密。噛めば噛むほど口に旨みが広がっていく。野菜のおいしさって格別だなぁ…、ってしんみり思う。

y snapy okazuスナップエンドウを買った売り場の隣に春菊。
これも立派で、軽茹でにする。
水でさらさずそのまましばらくザルに引き上げ、握れるようになったらギュギュッと水気を搾って出汁を少々。練りゴマまぜて休ませる。
食べる直前に煎った胡麻。軽く渋くて、苦味が消えると甘くなる。お腹の中がキレイになるようなオゴチソウ。

釣ったタチウオが売られてて、それをこんがりバター焼き。
焼く前はキラキラキレイな銀色をしたツヤツヤ肌で、それをそのまま残そうと思ったけれど、残念、皮のところどころがはげちゃった。
でもしっとりと。粉をはたいた表面がパリッとところどころは残って香ばしい。四国にいた頃はもっと太って分厚いタチウオが、もっと普通に手に入ったのにって思ってちょっと里心。擦ったとろろに出汁をくわえて、ズルンとご飯を軽く一杯、お腹に収める。

y sobaそして〆。蕎麦をゆがいて食べました。

実は今日。小田急百貨店にいった理由が、昔、お世話になった蕎麦屋さんが催事場に店を出してらっしゃったから。
「大久保西の茶屋」という、戸隠蕎麦の名店でそこの若ご主人が、Facebookで今新宿です…、って書き込んでいて、挨拶しようとでかけた次第。
若ご主人のお父さんまでいらっしゃり、元気な顔が拝見出来て、あぁ、よかったなぁ…、と懐かしむ。
ついでに蕎麦をもらってそれを1分茹でてザブザブ洗う。エビのかき揚げとレンコンの天ぷらを添えて、スルンと食べる。

茹でてる間から、蕎麦の香りがフワッと漂う。
水に放つと、徐々にハリが麺に出てきて、ザブザブ洗う手にまとわりつく麺の感触がしなやかにして、なめらかになる。
唇なでる麺の感触みずみずしくて、喉なでまわし、お腹をひんやりたのしく冷やす。おいしい水を麺状にして食べてるような艶っぽさ。ステキな夜となりました。

 

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コメント

  1. いわし

    ちょうど昨日、浅草の「まるごとにっぽん」で松山市のイベントをやっていて、「蛇口からみかんジュース」を初体験してきました。無料で1杯サービスしてくれたんですが、子どもは大喜び、わたしは酸味の強い昔のポンジュースみたいな味が懐かしかったです。楽しいですよね!
    松山って仕事でたまに行くけど、松山城を囲む街並みがとにかくステキだなあといつも思います。

  2. サカキシンイチロウ

    いわしさん。
    松山城の三の丸に、ボクが通った中学校があったんです。
    ですから今でも、松山城の城山をみると昔のコトを思い出します。
    何を食べてもおいしい土地柄。だから逆に名物料理のようなものがないので、関東にでてくるとちょっとさみしく思ったりします。

  3. ゆか

    お久し振りです。
    博多うどん本を拝読致しました。サカキさんの食文化への愛おしいほどの 研究熱心さを感じました。ご馳走様。
    松山は いつの間にか ホルモン焼きの看板が目につくようになりました。でも、太刀魚やオコゼは 見事な姿で堂々と誇らしげですよ。 霧の森大福は すぐに 完売です。

    • サカキシンイチロウ

      ゆかさん。
      ありがとうございます。励みになります。
      日本全国、同じような飲食店ばかりが増えていくのが悩ましくって、だから博多うどんのような、変わらずずっと街の人たちに愛されている料理は、大切にしなくてはと思います。
      松山の労研饅頭が、昨日、無性に食べたくなりました。

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