蕎麦前に串天、〆の蕎麦にカツカレー丼

昼はあんなに暖かかったのに夜になるとひんやり冬の空気になった。あったかいもので体をあたためたいって思って、四谷三丁目の街をウロウロ。そうだ…、居酒屋づかいができる蕎麦屋があったはず。
裏路地歩いて住宅街のちょっと手前にひっそり佇む「稜花」に来てみた。
昼は界隈で働く人たちでにぎわうのでしょう。夜の蕎麦屋はやっぱり静かで、ボクらを含めて3組だけ。それでもみんなのんびりと酒やビールを飲んでたのしげにおしゃべりしてる。
〆においしい蕎麦が待ってる…、とそう思うとのんびりじっくり、心置きなく酒をたのしむことができるのがありがたい。
ビールを一本。お通しにとかぼちゃの煮付けが一口分だけ。出汁でクツクツ炊かれて味がしっかり入って汁までおいしい。皮をポクンと噛んで味わい、かぼちゃ自体の持ち味をしみじみ感じる。肴をあれこれたのみます。

まず「蕎麦屋の肴の盛り合わせ」。
鴨とネギの焼き物。
板わさ。
甘く仕上げただし巻き卵。
山菜おろしにエビの天ぷら、山芋とろろに青のりかけたものと6品。
たしかにどれもがそばの具材になるモノか、蕎麦の出汁を使っておいしく仕上げる料理。蕎麦前料理を一口づつ、器にきれいに並べたもので気が利いてるなあ…、って思って食べる。
しかもこれらがススっとすぐに提供される。たのんだ料理ができるまで時間をたのしくすごせる工夫がありがたい。
全部で30種類ほどある料理の中で、なかでもおすすめと印がついていたのがぬか漬け。たのんでみると大根にカブ。きゅうりにニンジンと4点盛りでひとつひとつがしっかりしてる。漬物で酒が飲めるってなんだか大人になったなぁ…、って思ったりする。

ここのイチオシメニューが串天。
串揚げよろしく、串にさした素材に天ぷら衣をつけてカラッと揚げたもの。
串揚げはウスターソースにひたして食べる。
串天はポン酢や天つゆを使って食べる。
だからさっぱり、やさしい味わい。
一種類づつ丁寧に揚げ、揚げたてを一本一本もってきてくれるというのがなんとも丁寧。
まず、鶏しそ天のピリ辛タレかけ。
薄く開いた鶏むね肉で大葉を巻いてクルンと丸めて揚げたもの。
ふっくらしていて衣はサクサク。大葉の香りが鮮やかで酸味を帯びたピリ辛タレで油がさっぱり。
たまご天はだし巻き卵に衣をまとわせ揚げたもの。
表面サクッ。中はしっとり、ふっくらとしただし巻き卵そのもので一体何を食べてるんだって不思議に思う。オモシロイ。

それから大根。薄切りにして串を打ち、衣をつけて揚げただけ。火の入れ加減が絶妙でシャキシャキザクザク歯切れて砕ける。揚がっているのに生だった頃の余韻をずっと保ってる。薄切りにしたかぼちゃを2枚、合わせて串にさして揚げたのは、芯までしっかり熱が入ってホクホクで厚みを感じる面白さ。チーズちくわでひと揃え。ムチュンと歯切れて中からとろりとチーズがとろける。そして〆。

熱々のおろし蕎麦とカツカレー丼をたのんで分ける。
甘めの汁に辛味たっぷりの大根おろし、山菜の水にたっぷりの蕎麦はざっくり、歯切れてとろける。
カレー南蛮用のカレーを揚げたてのカツをのっけたご飯の上にたっぷりかけて仕上げたカツカレー丼。カツカレーじゃなく丼であるというのがおいしいところで、出汁の風味や旨味がどっしり。辛味はあとからじんわりおいかけ、お腹の中から汗をかく。
それにしても揚げたてのカツのおいしいコト。脂をキレイに落として植物油でサクッと揚げる。歯ごたえたのしく衣がカレーにとろけてコクになっていくのがオモシロイ。
実は今日は健康的な夜にしようと蕎麦居酒屋を選んだつもり。なのにやっぱり背徳的な料理を食べて体を甘やかす。しょうがないけどおゴチソウ。

 

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