ロイヤルホストの思う未来と来る未来

ロイヤルホストが新戦略の店を作った。場所は銀座というので来てみた。
高速道路の高架下。大衆的な飲食店が並ぶフロアの一角で、銀座とは言え場末感が漂う場所。大企業の新しい企みを発表する場所としてはいささかしょぼい。ひっそり静かに実験中…、という感じでしょうか。
ただお店の中にはかつてロイヤルホストの最盛期に、オペレーションを差配していた白いジャケットコートをきた人たちが3人もいて、先頭たって働いている。
本部としてもかなり力を入れているのでしょう。必死が伝わる。ちなみにその新しい企みとは「省力化」。省力化そ実験するのに企業の精鋭を打ち込んで現場で働かせるってなんたる本末転倒だろう…、とまず笑っちゃう。

セルフオーダー端末の導入が工夫のメイン。なのにその端末がテーブルの上ではなくてベンチソファの背中のところに置かれてる。
どういうこと?って思っていたら、お店の人がメニューをもってやってくる。それもプラスティックのリングで留めたアルバム式のメニュー。今どき田舎のファミレスですらこんな無様な目ミューは作らぬ。それをみながら、オーダーは端末でよろしくね…、ってお店の人は帰ってく。
注文をとるのが面倒で時間がかかる。客の都合で呼びつけられるのはかなわないから、客に注文をさせればいいんだという気持ちはわかる。けれどそれならオーダー端末だけでことをすませればいい。なのにメニューをもってきて「サービスをすることそのものを放棄したわけじゃないんですよ」とサービスもどきをしてみせる。それがいちいち気に障る。

確かに端末のUIがあまりに不出来。
アナログのメニューブックの画像をそのまま取り込んで、そこにリンクボタンをつけた感覚。
ステーキたのんで、オニオングラタンスープとドリンクバーをたのむために何度も画面を切り替えて10分ほどもかかってしまう。
そもそもこういう端末を置き、ドリンクバーまで用意すればサービススタッフを呼ぶ装置なんて必要ないに違いないのに、置かれているのはこういうことか…、って思ったりする。
ちなみにドリンクバーには最新機器がおかれてて、にもかかわらずドリンクバー単体のメニューはなし。ドリンクバーだけで居座られちゃかなわんからってコトなんでしょう。すべてがお店の都合でできてる。

メニューは通常のロイヤルホストのメニューから、和食、御膳、定食類をなくした内容。
ロイヤルホストは洋食レストラン。そのアイデンティティを再び確立したいからというコトなんでしょう。
パンを焼いてる。
ライスよりもパン推奨。だからお箸もおいてない。洋食だからナイフ、フォークというこの発想は時代遅れじゃないかと思う。だってお箸のほうが食べやすい料理が洋食の中にも沢山あるんだもん。
今限定の牛ヒレ、チキンとエビのグリルにサラダ。サイズ小さい食材が多いサラダはフォークじゃつらい。肉はなかなかよい状態。オニオングラタンスープもおいしく、ロイヤルホストのかつての売れ筋メニューだけを集めた店をやっぱり作って欲しい。都心回帰はこんなへんてこりんな工夫じゃなくて、正攻法で来てほしいって思ったりもする。

そして最後に会計しようとしてビックリした。レジの前にお店の人が立っているのに置かれたレジはオートレジ。しかもお金の挿入、投入口がこちらを向いて置かれてる。伝票わたしてお店の人がすることはバーコードをかざすだけ。あとはお客様に一切合切をぶん投げる。
やるべきことと合理化すべきことがみんな逆転してる。ダメだなぁ…、ってしみじみ思う。
ロイヤルホストという会社がこれほどのことをしなくちゃいけないほどに、日本の飲食店を取り巻く環境は劣化激しく、未来がなかなか見えぬ状態。苦労をしてる。落ち着いた頃にまた来てみよう…、ロイヤルホストの見る未来の本質を見てみたいから来てみよう。

 

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コメント

  1. Eiko

    この、「お金を入れるのがこちらを向いているレジ」って違和感ありますよね…目の前にお店の人がいるのに。109シネマズのコンセッションがこのレジに切り替わって、おばちゃん何度もお釣りが出てくるところにお金を入れようとしました(笑)

    適材適所ってヒトだけでなく、技術にも言えるだなぁ、というのをしみじみと。オートマも楽しい工夫と適所への活用、ってことでしょうか。

    話変わって「とんがらし」が閉店とのうわさ、本当でしょうか。日本の多様な食文化、を継続していってほしいものです…

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      こういうレジが置かれた店の、それでもレジに立っている人ほど無駄なものはなく、なのにお店で一番偉そうな人がそこに立っている。そんな管理職なんてまず最初に節約されるべきものだ…、って思っちゃいました。
      この実験で彼らが効率ではなく、人の気持ちを鑑みてくれればそれでよし。そうでなければ暗い未来がやってくるんだろうなぁってしみじみ思いました。
      それにしても水道橋のとんがらしさん。
      お店の方々が年をとられてらっしゃったから、そういうこともあるのかもしれません。近々、行って確かめてみようと思います。

  2. 食欲

    うちの実家裏のパン屋さんもこのレジを導入しています。ガラスのスクリーンの上にパンを置けば、その形状からどのパンか判断し値段も自動ではじきだす。パン屋さんですから、別にこちらもそんなにコミュニケーションを求めてはいないですけど、そこに立ってるバイトの女の子がほとんど口をきかない。うちの父親はそれについていけず、なんの説明も手助けもしてくれないサービスに憤慨しておりました。見たらわかるでしょ、全部機械がやってくれますよ、っていうスタンス。おなじみさんが来ても、もうあいさつもしないんだろうなー。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      食欲さん
      お客様よりも機械のほうが付き合いやすいんでしょうね。レストランでサービススタッフを呼ぶベルを鳴らせば飛んでくるのに、手をあげたり声をかけたりしても気づかない。人よりも機械のために働くほうが気軽な人たちが、これから日本自慢の「おもてなし」をどう維持していくのだろう…、と本当に心配になります。

  3. KOJI

    いつも、たのしみに拝見しております。すべての接客業界がオート化されていきますね。「本当に人手不足が深刻なんだろうなぁ」伝わります。最終的にはどこの飲食店も回転寿司みたいに新幹線に乗って料理が運ばれてくるのでしょうか(笑)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      KOJIさん
      人手不足であることはしょうがないと思うのです。
      でもその人手不足を感じないような営業をいかに考えるか。そこが大切なところで、この店のように人手不足対策をしながら、人が案外多かったりするようなとぼけたことはしちゃいけない…、としみじみ感じました。

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