背筋をのばして、おいしくたのしむ銀座のざくろ

背筋を伸ばして食事したくて銀座のざくろ。
気持ち勇んで開店のちょっと前にお店に着いた。おじさまグループ3組がもうにぎやかに待っていて、ボクの後にご婦人二人がやってきた。
開店時間になって次々案内されて、次はボクだなぁ…、と思った瞬間、おばさまたちが立ち上がりいそいそお店の中に向かった。案内係の黒服さんが戸惑いながらもおばさまたちを先に案内。
あぁ、ボクは先に案内されたおじさんたちと同じグループに思われたんだろうな…、と思って浮かした腰を落ち着かす。
おばさまたちの案内を終えた件の黒服さんが、おまたせしましたと戻って深々、頭を下げる。前屈運動クラスのお辞儀で、順番を譲っていただきありがたい…、という気持ちがひしひし伝わってくる。
お辞儀ひとつで気持ちが伝わる。そういう日本の文化ってすばらしいなぁ…。しかもその力を思う存分使い切る接客力もスゴいと思った。

お気軽定食ってここのランチで一番気軽な値段の定食。
刺身、肉料理、魚料理の3つの中から2つ選ぶ。それにご飯に汁、トマトサラダに漬物がついてひと揃えという昼限定の定食で、それに追加でアスパラ豆腐と食後の甘味をお願いした。
アスパラ豆腐がまずやってくる。茹でた白アスパラガスを土台に固めた玉子豆腐。ツルツルの豆腐とスベスベのアスパラガスの喉を滑り落ちるなめらかをたのしむ一品。たっぷりの自家製マヨネーズとアスパラガスの風味が一体となってお腹の入り口をこじあける。
スプーンですくってドレッシングと一緒に食べるトマトサラダは酸っぱいガスパッチョみたいな感じでまた旨い。

牛バラ肉のオイル焼き。
それそのものにはあまり味はついておらず肉そのものの味わいで、芥子味の醤油に浸して味を好みのととのえ食べる。
刻んでお酢で洗ったホースラディッシュをたっぷり乗せて、肉の脂を旨味に変える。
ニンジングラッセ、甘いキャベツにほうれん草と、サイドの野菜も上等味。

マグロの赤身は胡麻だれであえて山葵をたっぷりのせる。ねっちりとした噛み応え。すっきりとした酸味で幕引きする旨味。胡麻の風味にワサビの香りが彩りそえて、ご飯をおいしくしてくれる。赤出汁、漬物。ご飯のお供の鯛味噌といつも通りにホッとする。

それにしてもこのお店の男性サービススタッフの働き方がボクは好き。
あくまでサービスの主役は着物姿の女性スタッフです。その彼女たちが働きやすいように…。そしてなるべくお客様に見える場所で活躍できるようにと、厨房に入って料理をピックアップして客席の近くに設えられた配膳テーブルまで運び、そこからお客様のテーブルに運べば済むように彼らは気づかう。しかも笑顔でキビキビと。女性スタッフの優雅な振る舞いとのコントラストに惚れ惚れします。
トロトロに煮た梅を葛の中にとじこめ梅のシロップ添えた吉野紅梅でお腹に蓋する。ごちそうさまで、またよろしくネ、とお店をでます。オキニイリ。

 

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