続いていきます、とんかつ鈴新

ひさしぶりのあたたかい夜。鼻歌まじりに荒木町をブラブラ歩く。
何を食べよう…。ぼんやり歩いて、まだ間に合うならとんかつにしよう…、と、それで「鈴新」を目指して歩く。
車力門通りという緩やかに下る路地を歩いた先の突き当り。お稲荷さんの横の角地に小さな建物。ご主人の似顔絵が描かれた大きな看板。のれんが下がってまだ営業中。あぁ、ありがたいとのれんをくぐった。
コの字のカウンター。中に厨房。10席ちょっとの小さな空間。
いつもはご主人と奥さんが二人でニコニコしながら「いらっしゃいませ」と挨拶をする。ところが今日はご主人の代わりに若い調理人がたっている。多分、ご主人の息子さん。小柄な体格、顔も似ていてご主人の奥さん…、つまり多分、彼のおかぁさんの彼を見る目の温かいこと。髪を短く整えて白衣もキリリと初々しい。まだ余裕がないのでしょうか、表情固いところにキュンとなる。

お年を召したご主人です。
だからいつもいた場所にいないということにちょっとドッキリしてしまう。
まさかそんなコトはないだろう…、と、思うもちょっと心配だった。
そしたらガラリと扉が開いて、「お父さんはいらっしゃる?」っておそらくおなじみさんなんでしょう…、入ってきたおじさんがいう。
「呼んできましょうか」と彼が答えると「いや、いいんだ。裏のスナックで飲んでるからって言っといて」って。
ただのお誘い、ホッとした(笑)。

それにしてもこういうお店を継ぐというのはとても大変。
地元に根ざしていて、しかもご主人はじめお店の人の魅力におなじみさんがついている。だから「店」を継ぐのではなく「お客様」を継がなきゃいけない。
代が変わると味が変わった…、っておなじみさんはいいたがり、それにも負けずおなじみさんの信任を得つつ自分は自分のあらたなおなじみさんを時間がかかっても育てていかなきゃいけない。大変だけど、ゼロからスタートするより恵まれている…、と思う人しかこういう店は継げなくて、そういう決意をしたんだろうなぁと、応援したい気持ちになった。

ヒレカツとエビフライの盛り合わせを作って貰った。
小さなヒレ芯をサックリと揚げ一口大に切り分ける。エビは大ぶりで健康的な正直なエビ。
パン粉細かく、がっしり張り付き、ラード混じりの脂でガリッと揚がってて、衣自体が甘くて旨い。
ソースは酸味が強めでスッキリとした味わいで脂をさっぱりしてくれる。
エビフライにはタップリのタルタルソース。コクたっぷりでそれだけ食べてもなんとおいしい。
千切りキャベツはちょっと粗めで、ザクザク歯切れる感じがステキ。
ポテトサラダは塩がビリリときいていて、ちょっと酸っぱい粉ふきいもみたいな感じがまたいい。

小鉢代わりのがんもの煮物はおでん味。大根、キャベツにキュウリの浅漬はシャキシャキさっぱり。豚汁は豚の脂がキラキラ浮いて、ずっと熱々。大根、ニンジン、こんにゃくに細かく刻んだ豚の筋。風味豊かにウットリします。

友人はとんかつたのんで二人で分ける。ココは3種類のとんかつがあるというので有名。揚げたカツを煮込んで玉子で閉じるいわゆる普通のとんかつが「カツとじ丼」。揚げたとんかつをそのままご飯の上にのっけて、玉子でとじた出汁をのっける「かけカツ丼」。玉子じゃなくて大根おろしをたっぷりのっけ、刻んだ胡麻で風味をつけた「おろしカツ丼」。
サクサクのとんかつの食感と、甘辛味の卵とじを同時にたのしめるかけカツ丼が今日のチョイスで、これがおいしい。食べてるうちに徐々に出汁と玉子とカツがとけあって、いわゆるカツ丼に変わっていくのがオモシロイとこ。
カツの油と出汁が染み込むご飯が何よりおいしくて、ニッコリ、お腹が満たされる。

 

関連ランキング:とんかつ | 四谷三丁目駅曙橋駅四ツ谷駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。