第二力酒蔵・午後四時半

新宿で仕事が思ったよりも早く終わった。
時間は4時のちょっと過ぎ。
週末、金曜、ノースケジュール。
昼の食事は早めにテキパキすませたこともあり、ひさしぶりに中野に足を伸ばしてみようか…、って思って電車で一駅西に向かっておりる。

「第二力酒蔵」というオキニイリの居酒屋がある。
居酒屋というのに昼の2時から営業している不思議な店で、早い時間からお酒をのんびりたのしむ人でにぎわうお店。
東京という街の時計は多様で多彩。
おやつどきを前にして仕事を終える人もたくさんいるのでしょう。
あるいは他人の時計を気にしないで、100%、自分の時計で生活できるシアワセな人もたくさんいるに違いなく、今日も4時半過ぎにすでに先客、ちらりほらりとのどけき景色。お店のドアを開けた途端に「あら、おひさしぶり。あけましておめでとうございます」って馴染みのおばさんが笑顔でひとこと。
今年もよろしくお願いします…、って応えて席に案内された。

続いて続々やってくる人ほとんどが、同じように「今年もよろしくお願いします」って挨拶しながらやってくる。
おなじみさんに愛されている店の新年はなんだか特別、明るい感じ。
焼酎やウィスキーの瓶がずらりと並んだ棚。
ボクらのキープボトルがさっと出てきて、それがまたまたウレシクて、見た棚の横に時計が目に入る。
ほらほら、なんとまだ4時37分。これから飲むとはなんたるシアワセ。

入口近くにカウンター。その向こう側には厨房があり中で調理をするスタッフの多いコト。しかも昔からのベテランスタッフに混じって、若い人たちがたくさん並んで料理を作る。料理は昔ながらのモノで、昔がしっかり受け継がれてるって思うとステキ。

まずはお通し。今日は煮付けた里芋。
里芋は好きなんだけど自分ではなかなか上手に煮付けることができない。
表面はぬめらず、噛むとはじめてネットリとろける。
それから煮豆腐。
魚の煮付けを作る煮汁でコトコト炊いた木綿豆腐で、中までしっかり煮汁の味が入ってる。
あら煮や煮魚をたのむとちょっと値が張るけれど、この煮豆腐だと手軽な値段。
なのに煮魚の味を楽しむことができお酒もすすむ。だから人気で、遅い時間にやってくるとなくなっちゃうほどの人気の名物。

それからぬた。いつもはあおやぎを選ぶんだけど、何か変わったのはない?って聞くと、ゲソもおいしいですよと、それでゲソぬた。クニュクニュとしたイカゲソにシャキシャキとしたネギ、わかめ。甘酸っぱいぬた味噌との相性もよくてニッコリします。ぬたがおいしく感じてしまうお年頃(笑)。

店の奥では新年会かなにかでしょうか…、大人数の宴会の準備が着々とすすんでる。
予約をしていた人がポツポツやってきて、二階へどうぞ、三階へと次々、上に案内される。徐々ににぎやかになっていく。

魚がおいしいお店です。何種類もの刺身が用意されている。中でも目を引いたのが「貝の刺身の盛り合わせ」。貝好きさんにはたまらぬ提案。それにした。
ぎっしり氷を敷き詰めた器の上にキレイに並ぶ貝のさまざま。
赤貝、青柳、ホタテにアワビ。
ホタテは分厚く、ネットリとした食感と甘みがおいしい。一方、赤貝はクニュクニュとした食感に強い旨みと最後に残る渋みが旨い。
冬になるとおいしくなってくるのが青柳。田舎にいた頃はこの青柳の干物をストーブにのっけて炙って食べるのが、冬のゴチソウだったりしました。独特の香りと軽いエグミを感じる味わいがなつかしいったらありゃしない。
そしてメインは蒸しアワビ。ふかふかやわらか、噛めば噛むほど旨みが滲んで海藻っぽい風味が口に広がっていく。固くてゴリゴリしたアワビもおいしいけれど、ふかふかやわらかいアワビもまた旨い。

海鮮類の料理をいくつか。まずはホッキのバター焼き。粉をはたいてバターを吸わせてサクサクにする。生のホッキより旨みが強くなるようで、特にザクザク歯切れる感じは肉や魚、野菜にはない感覚でウットリします。
イカのかき揚げ。衣が細かく花を咲かせるように仕上がり、それがサクサク。油の香りがこうばしく、角切りにしたイカがねっちり。噛むと甘くて衣と混じってとろけてく。
穴子の白焼きを塩とワサビで食べて〆。表面ザクザク、こうばしく噛むと軽い土の香りとでもいいますか。穴子独特の香りがしてきてとろけてく。お酒でお腹もあったまる。なにより気持ちがほんわかしました。また来ようと表に出たら、やっと暗くなっていました。金曜日。

 

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