空港おぐ羅でおでんに出汁かけ

羽田から出張の今日。お昼過ぎの出発ということで、ランチを国際線ターミナルですることにする。国内線のターミナルにも魅力的なお店が沢山ある。けれど国際線の飲食店の充実具合はやはり特別。
特に海外に出発する人が、出発前に食べておきたいおいしいモノを扱う店が多く出店していてたのしい。例えば洋食屋さんなんて、海外ではなかなか楽しむことができない料理でだからオムライスで有名な店が出店してて、案外流行っていたりする。焼肉の店もそう。韓国に行く前に焼肉の店で日本の焼肉を食べておく…、なんて粋な使い方ができたりするのもオモシロイ。今日の昼はおでんを食べることにする。

銀座に店を構える「おぐ羅」の出店。
店に入ると大きなカウンターがあって中におでんの鍋が置かれる。
ずっとおでんをくつくつ炊いているので、出汁の匂いがお店の外まで流れ出してくるのがおいしい。

出汁。しかもそれが炊かれて発する強い香りは日本の香り。
誘い込まれるような魅力に満ちてる。
カウンターに座って昼をたのしむことにいたしましょ。

おでん7品がメインをつとめる定食がある。
お膳の上にギッシリ器。
おでんを盛った丸い皿に小鉢がいくつか。おひつの中に茶飯が入って、おでんを炊いた出汁が土瓶に入ってくる。お膳の一番手前にはお茶漬け用のあられや昆布が置かれてて、それでサラサラ〆て頂戴…、という趣向。これが本当に長旅だったら、熱燗片手におでんを食べて、最後に茶漬けで〆というおでん屋的なる飲み食べできるところだけれど、今日はこれから仕事旅。だから普通に食事とします。テキパキと。

それにしても小鉢の料理がやさしくおいしいコトにウットリ。
ひさしぶりにおからを食べた。
シットリしていて、口に含むとパラリと散らかる。
そしてモサモサ。
小さい頃はこのモサモサした感じが苦手だったのに、今となってはこのモソモソとした食感こそがおからの味わい。
繊維がちらかる感覚に滋養を感じてニッコリします。
なにより出汁を含んだおいしさ。
やさしい味わい。いいなと思う。

出汁を吸っておいしくなった…、というコトにおいてはひじきの煮物も同様。そう言えば、昔、アメリカにひじきを送ってもらったらこれは違法物質じゃないのか…、って通関するのにすごく手間がかかったことを思い出す。あんときゃ、本当に大変だった。
大根のゆず漬けにきゅうりに赤かぶ。この赤かぶの漬物があるだけでなんだか得した感じがするよなオキニイリ。

おでんさまざま。
ごぼう天にちくわにこんにゃく。
厚揚げあたりに味がしっかり入っていくのはわかるんだけど、こんにゃくにまでしっかり味がはいるところにさすがを感じる。

茹でた玉子にワカメに大根。
玉子の白身は色白のまま。
けれど水気がしっかり外に吐き出され、カチッと固く仕上がっている。
なにより大根のおいしいこと。
芥子をたっぷりのっけてクチュリ。
噛むと出汁がジュワリと滲んで、口の中が出汁まみれになるなんたるゴチソウ。出汁をたっぷり吸い込んだワカメのハリある食感が口の中をにぎやかにする。朝のお腹が潤う感じ。

そう言えば、お膳の真ん中に鎮座しているわらび餅。これを、知らない国の人はどう思うんだろう。緑色の粉末がたっぷり覆っていてもしかしたらこれが噂のわさびだろうか…、と思って眺める。底にはコーヒー色の液体があり、なるほどあれが醤油だったら何かの刺身…、かもしれないと思って食べてあまりの甘さにビックリするかも。オモシロイなと思ったりする。
出汁で炊いたのに「茶飯」と呼ばれる茶飯に昆布とあられをまぶし、出汁をかけてサラサラ食べる。土瓶に入った出汁かけ用の出汁もおいしくはあるのだけれど、やっぱりおでんのお皿にたまった出汁がおいしい。芥子や大根のかけらなんかが混じってて、トロトロ喉を流れていくのも気持ちよく、お皿をキレイにして終える。

 

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