移動都市・モータルエンジン(ネタバレしてます…)

映画を観ます。
アカデミー賞が決まったばかりで、ノミネート作品や受賞作品は大人気。本当は「女王陛下のお気に入り」を観たかったのです。でもちょっと騒動が落ち着いてからと、それで「移動都市・モータルエンジン」というSF作品。

事前にYouTubeで配信された本編オープニング10分ほどの映像のすごかったことと、ロードオブザリングスシリーズで名を上げたピータージャクソンがプロデュースしたと言うのがみるに至ったきっかけで、さて観た結果。
中身が薄い作品に限ってオープニングに命がけになるんだなぁ…、とか、プロデューサーという立場は監督はまるで違った無責任に近いポジションだから決して信頼してはならないんだ…、ってしょっぱい教訓を得るに至った。
ツッコミどころ満載でもし千鳥の「相席食堂」的にツッコミボタンがあったなら3分おきにボタンを叩いていたに違いない(笑)。

地球が壊滅的に破壊されてから1000年たった未来の話です。
荒廃した地上に住むことをあきらめた人たちは自ら移動する都市に身を委ねて生き延びている。
移動し続けるということは、土地を耕したりすることがないわけだから交易を生業とするか略奪を仕事とするかと決まってて、そういう移動都市の頂点に君臨しているのが「ロンドン」。
なかなか気が利いてます。
何しろ海賊国家英国の首都であり、しかも今や世界の金融のメッカ。金融業というのはそれそのもが生産的行為を行わず、儲かるところに次から次へと場所を変え姿を現し、儲け尽くしたら次の場所へと姿を移す。移動都市の名を冠するぴったりではある。
しかもその造形が見事で、大英博物館やセントポール大聖堂が埋め込まれている。都市の両サイドには三越のライオン…、いやいやトラファルガー広場のライオンが鎮座していたりする面白さ。

ただ、普通ならばロンドンのような都市が他にもあるに違いないと思うじゃないですか。それが証拠に彼らは海を渡ってヨーロッパを狩ろうと画策していた。
そこには例えば、ブランド品を売り散らかして法外な利益を上げているパリだとか、遺跡をどっさり積み込んで観光都市を装いながらコソ泥をたんと匿っている「ローマ」なんて都市があってそれらとの戦いがはじまるのか…、と思うとあっさり、戦いの相手を「非移動都市」に向け直す。その名は「シャングオ」。

へっ?

土地が汚染されているとかやんごとない事情で仕方なく移動都市にみんな閉じこもっているのかと思っていたのに、定住している人がたくさんいるわけですよ。しかも彼らは城壁の向こう側で平和な生活をしていて、そこにいる人たちはインド系とかアジア系の人たちで都市の長はどうみても中国人です。ロンドンとシャングオの間であんなことやこんなことがあって、その間に主人公たちの過去のあんなことやこんなことがフラッシュバックして物語がウネウネ進んでいって結局、ロンドンは負ける。
負けたロンドンに手を差し伸べるのが中国人という、あたかもブレグジットで経済的敗退を迎えてしまいそうな英国が中国にすがって救ってもらう映画のように見えちゃう哀しさ。何かで口直しをしなくちゃね…、ってしみじみ思う。なさけない。

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