福田屋のせりとじマメヒコの牛乳珈琲、変わらぬ渋谷

変わる渋谷もあれば変わらぬ渋谷もある。
それらは商業ビルに入らぬ渋谷。商業ビルにおさまりきらない魅力がある店、そして人。
冷たい雨の降る一日でもあり、昼を蕎麦にすることにした。
「そば処福田屋」。
裏路地にある自前のビルの2階のお店。家賃を払わずにすむ環境だからできる正直な商売というのがあるんだなぁ…、とここに来るたびしみじみ思う。
お店の人がお茶をそっとテーブルに置く。「せりとじそば」をたのみました。すると大きな氷をギッシリ詰めたグラスに水を注いだのを運んで、コトンとおいてくれる。ほどよい温度でしっかり煎じたお茶もおいしい。なによりこういう気づかいがおいしく、うれしく、ありがたい。
大きく、深く、だから蕎麦も汁もたっぷり入ってずっしり思い器が到着。食べやすいよう短く切ったせりの玉子とじで蓋したような器から、湯気が湧き立ちレンズが煙る。

玉子とじの玉子の状態はお店によってそれぞれ違う。ここのはかなり硬めの仕上がり。玉子もざっくり溶いたもの。だから黄色いところがあれば白いところもあって食感まばら。しっとりでもあり、ふっくらでもあり、プルプルでもありそのどれもが出汁を吸い込んで口を潤す。
蕎麦は硬めの仕上がりで、最初はホジっと芯がある。
熱々の汁の中でそこにゆっくり熱が入って、じんわりやわらかになっていく。出汁をたっぷり含んだそば。たぐると一緒に汁が口にとびこんでくる。旨味と風味、軽い酸味が後味最後にひきしめる。
せりは渋くてシャキッと歯ざわり心地よい。刻んだきつねが混じってて、それがしっとり、出汁をたっぷり吸い込み口を潤していく。食べはじめると止まらぬおいしさ。あっという間に器の中は空っぽになる。体が芯からあったまる。

 

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公園通りからバスにのって家まで帰ろう…、と思ってバス待ち。
PARCOの向かい側にあるビルの2階の「マメヒコ」にくる。
花のある店です。
年中季節の花木が大きな花器に飾られ目を休ませる。ホリデーシーズンということもあり生花のかわりにホリデーツリー。枯れ木が息を吸うように生き生きとして躍動的な景色を宙に描いてる。
公園通りに面した大きな窓際に、通りを見下ろすテーブルがある。
座り心地のよいソファ席も用意されてて、長居するのがたのしい空間。
けれどここで一番好きなのが大テーブルの隅っこの席。花器に入った花木で景色が遮られ、ほどよい大きさの「ワタクシ的な空間」をたのしめるのがありがたい。しばしみんなの気持ちがPARCOに向かっているのでしょうネ…、お店は静かでおなじみさんだけがくつろぐいいムード。

牛乳珈琲をたのんでのみます。
熱々のドリップコーヒーに常温のミルクをくわえたヌルいコーヒー。割合は半分半分で、飲み口やさしく一口目からゴクゴク飲める。熱いコーヒーで熱が入ったミルクはおいしい。乳臭さがすっかりなくなり飲み心地もサラサラしてる。
コーヒーは甘さをまして酸味ほのかで苦味がおいしい。
刺激的な飲み物で頭をしゃんとさせるのもいい。でもたまにはこういうのんびりとしたのどかな飲み物で時間を忘れるときもいい。とはいえバスの時間は忘れずに…、そろそろ時間となりました。

 

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コメント

  1. koku

    こちらの記事を拝見して、そういえばそろそろ牡蠣蕎麦の季節だなあと思い出しました。感謝です。四谷のカキバター同様、私的な冬の風物詩。明日の夜にでも行ってみます。

    • サカキシンイチロウ

      kokuさん
      メニューに誇らしげに牡蠣そばの名前がのっておりました。タカさんを覗かなきゃって思いました。

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