ハンバーグの上の目玉焼きはご飯の上で醤油を浴びる

ひさしぶりに若松町の「かどや」に来てみる。
この店の裏側に両親が住んでいたことがありよく来てた店。
実家に帰ると仕事の話になることが多く、父とはよく衝突してた。大抵、小さな口喧嘩で終わるのだけど、たまに険悪なムードになることもあって、そんなときには母が「今日はかどやにしましょうよ」とボクらを急き立て店にくる。
気のいい家族が仲良くやってるこういう店が父は大好きで、だから機嫌がすぐ直る。
両親がその家を引き払い実家の香川に引っ込んでからは縁遠くなったけど、ボクが落ち込んでるいると彼が「かどやに行こうか」って誘ってくれた。親子で来てた頃の話をすると気持ちが落ち着いて、思い出話を「うんうん、そうだね」ってニコニコしながら聞いてくれたのに助かった。
カウンターに座敷の小上がり。柱がちょっと突き出たところが座敷にあって、それを背にして座ると楽でそこが彼の定番の席。今日は代わりにボクが座って、彼が見ていた景色を眺める。

父はエビフライ、ボクはポークピカタで母はハンバーグと注文は決まってた。
彼も大抵ハンバーグ。おふくろと同じ注文だな…、っていうと、お母さんとボクは気が合うんだよって答える。確かにボクの母は彼をかわいがってた。母がずっと大事に使ってた一眼レフのカメラ一式を「私の代わりに使ってやって」ってポンッと渡したこともあるほど。
ここのハンバーグには目玉焼きがついてくる。母はそれをなにも言わずに父のご飯の上に置く。父はそれに醤油を垂らして食べるのだけど、彼が父と同じようにご飯にのせて醤油をかけて食べるのをみて、父にも似てるなんて嫌だなぁ…、って思ったりもした。一時期、父がなす事すべてが嫌いだったのですね、しょうがない。

今日は試しにやってみる。
白身はキチッと熱が入って黄身はほどよく半熟状態。
白胡椒がたっぷりかかって、それと醤油と卵の黄身が混ざりあってご飯と一緒に口の中へとやってくる。
旨いじゃないか…、ってパクパク食べる。

目玉焼きをご飯にのせるとハンバーグがむき出しになる。
たっぷりのデミソースをまとってツヤツヤ、色っぽい。
昔はサイドにフランス風の平打麺をウスターソースで味付けをしたヌイユが添えられ、ボクは案外その食感ややさしい味わいが好きだった。でも評判が悪かったのでしょう…、いつのまにかスパゲティーのケチャップあえになっちゃった。まぁ、それもよし。タバスコたっぷりジャバジャバかけてヒーハー味にしてやればこれまたご飯のおかずにぴったり。

ハンバーグは合いびき肉でふっくら仕上げたやわらかタイプ。デミグラスソースもやさしい味でとんかつソースと芥子を使って、好みの味に整え食べるのがまたたのしい。
何を食べてもおいしいここの、でもとびきりにおいしいのが漬物と汁。季節で種類は変わるけどかならず4種類が盛り付けられてる。今日は大根、キュウリにウリ、なすび。カリカリ食感しっかりとした大根に季節のウリはシャクッと歯切れてみずみずしい。おいしい糠の香りもゴチソウ。ご飯がすすむ。
汁は熱々。食べ終えるまで熱さが持続するほどでしかもじゃがいも、ネギに豚バラと具材もたっぷり。どっしりとした出汁の味わい、味噌の風味とお腹がしみじみあったかになる。お店の前のバス停からバスに乗って街にでましょう。お昼時。

 

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