白河そばでぶっかけ中華にきざみご飯

出張で地方に行くと歩く機会が激減する。
ほとんど車で移動になるから、アップルウォッチが運動量が足りないと、うるさく叱る。
それで今日は早起き、散歩。
ついでに朝ごはんをいつもは行かぬオキニイリでと牛込柳町にテクリテクリと20分ほど。
今でこそ地下鉄の駅ができて最寄り駅なるものがある街になった。
でも大江戸線というきわめて使い勝手の悪い路線の駅で、それができるまでは陸の孤島のような場所だった。ちなみにそこで5年ほど住んだことがあったのだけど、タクシー代がかさみました。
そんな不便なところにポツンと「白河そば」なる立ち食いそばの店がある。そして案外はやってるのに感心します。

朝早くから車がひっきりなしに横づけしては店の中へととびこんでいく。
タクシー、配送の営業車、あるいは車通勤の移動の途中。
考えてみれば車があれば都心のどこからでも便利な場所で今日も先客5名ほど。

メニューは厨房前のカウンターの上の壁に貼られてる。
ひもかわうどんと蕎麦に丼。
ほどよき種類の品揃え。
「ぶっかけ中華」が目当ての料理。
かつては暑い時しかなかった商品。
いまでは夏が終わってもほぼ年中、作ってくれる料理になった。
今日も商品名の横に「出来ます!」と貼り紙がある。
ありがたいなぁ…、こういう季節感の喪失は悪くない。「ぶっかけ中華お願いします」っていうと「トッピングはいいですか?」ってご主人が聞く。
このご主人。見た目はちょっと強面。けれど応対丁寧。お客様の一人ひとりの注文をやさしく聞いて見事な手際で料理を作る。
ぶっかけ中華のお供にと「きざみごはん」の小さなサイズ。煮玉子追加でひと揃え。

さてこのぶっかけ中華。
軽く縮れた中華そばを茹でてザブザブ、冷たい氷水で洗ってしめる。
丼に入れそこに冷やしたそば出汁注ぐ。
天かすに胡麻、刻んだネギに海苔をたっぷりのっけて完成。
出汁は透き通った黄金色。
鰹節とこんぶ、しいたけ、それから塩で仕上がる汁で砂糖やみりんなど使わず自然な旨味に塩味、甘みがおいしい。
あくまで和風の味なのに麺が変わるだけで味が日本離れしていく。
だち油という店特製の旨味の強いラー油を注ぐと、油の香りで不思議なほどにラーメン風になっていく。
一味をドサッとふりかけると辛味が汁の甘みをひきたて、旨味もキリッとひきしまる。シコシコゴリゴリ、そしてプルプル。麺の食感がすばらしい。

オキニイリのここではいつも煮豆腐ご飯をお供にしてた。今日、はじめてのきざみご飯。メニューに「元祖」と名前がついててたのんでみるとこれがおいしい。
お揚げを刻んでオニオンスライスとおかかを混ぜて醤油で風味を付けただけ。お揚げがそもそもおいしいのでしょう。シャキシャキとした玉ねぎの歯ざわりが揚げのふっくらした食感をひきたておかかが分厚い旨味で膨らます。これだけ売ってくれたら買いにくるのになぁ…、ってしみじみ思う。
肉うどんや牛丼用に肉を煮込んだ鍋の中でクツクツ炊いたゆで卵。白身がキュッと縮んで黄身はしっとりなめらか。
出汁をとった昆布を刻んだ佃煮に、酸味がスッキリしたたくわんもご飯のお供に気が利いている。汁も全部飲み干そうと思うもさすがに若干味が強くて残す。残った汁をうらめしや…、って思って店をあとにする。

 

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