甘じょっぱい朝に日本橋の藪の中で昼

日本橋に野暮用ありでやってきて、朝ご飯をと「ピークスピーク」にやってくる。
日本橋高島屋の新館のビルの一階部分。オフィスビルのエントランスロビーにキッチン付きのカウンター。カウンターを眺めるように客席が設えられてる。
舞台を眺める観客席のようなムードが面白く、しかもロビー自体がなかなかゴージャス。高い天井、広々とした空間でしかも朝の時間は静かで落ち着く。
外から見るとここにお店があるように見えないのでしょう。
中に入っても果たしてここを自由に使っていいのかどうか迷うほどに結界的な何かがあるのネ。ボクは好き。

パンケーキの朝食セットが三種類。
バターパンケーキとツナマヨ、ベーコンチーズという品揃えで先日はツナマヨを試した。
今日はベーコンチーズを選んでたのむ。
ベーコンエッグじゃなくてベーコンチーズというのがなんだか潔く、おそらく目玉焼きを作れる厨房ではないのでしょう。
パンケーキの間に溶けたチーズと焼けたベーコン。
そしてケチャップ。
パンケーキの下にはサラダ菜という構成。
プラスティックのナイフとフォークがついてくるんだけど、挟んで手づかみするのがたのしい。
パンケーキのサイズが手のひらサイズというこぶりな仕上がり。サラダ菜をまず食べ、残りを重ねて挟んでみるとまるでどら焼きみたいな風貌。ベーコンが舌を出してるみたいに見えて愛らしい。

甘み控えめのパンケーキ生地はふっくら、ほどよくやわらかい。チーズのとろけとベーコンの脂が染み込み口の中でどんどんクリーミーになっていくのがなかなかおいしい。
甘じょっぱくってケチャップの明るい香りにお腹の中から目覚める感じ。
これでたったの７００円。前回来たときから５０円だけ値段が上がっていたけれど、それでも申し訳ないような値段でもありありがたい。
ちなみに店名の表記が「Peak s Peak」。
PeakとPeakの間にsが挟まっていて、実は山本山海苔店がやってるお店。山頂 s 山頂と訳せばなるほどって思ったりする。オモシロイ。

 

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お昼に「藪伊豆総本店」。
住所は日本橋なんだけど、日比谷通りを超えた東側。
宝町のインターチェンジが間近にあって、感覚的には八丁堀って感じのエリア。
オフィスビルの中に突然、鬱蒼と茂った木々に囲まれた立派な門構えが見えてくる。
藪伊豆総本店という看板がなければ神社かお寺があるんじゃないか…、って感じ。門をくぐるとここが東京都新であることを忘れてしまえる。
お昼時には近所のオフィスの人たちでかなりにぎわう。もらったテーブルが厨房の出入り口の前だったから、一際にぎやか。
そばをメインにした定食がいくつかあって「じゅげむ定食」っていうのをたのむ。そばに鶏肉の柳川小鍋、副菜、小鉢、そばの実のご飯がぎっしり並んでお膳はにぎやか。
もりそばをたのんだら、なんと２段重ねできました。かなりのボリューム。ちょうど腹ペコ…、こりゃいいや。

小鍋は薄くそぎ切った鶏の胸肉、ささがきごぼうが入っててかえしと出汁でクツクツしてる。鶏胸肉はふっくらやわらか、牛蒡がシャキシャキ、歯触りがよく土の香りが力強い。
副菜は高野豆腐が２切れとかまぼこ、きんぴらごぼうが並ぶ。高野豆腐ってひさしぶり。好きなんだけど自分で炊くのは面倒くさくなったりするからありがたい。
小松菜のおひたしはやさしい味わい。そばの実を混ぜて炊かれたご飯はコツコツ、奥歯を叩く感じがおいしい。そば湯で割ったタレまで完食。
お店をでると「どうもありがとう存じまぁす…、またどぉぞぉ」って神田やぶを思い出させる節回しの女将さんの声が背中をおいかける。

 

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