牧のうどん、もやしに丸天キムチとかしわご飯付き

博多を出発する前に食べておかなきゃいけない料理。「牧のうどん」のうどんを食べる。
長い移動の中継地点に博多の街を選んだ理由は、牧のうどんを食べておきたいと思ったからで、かつて郊外のロードサイドにしかなかったのが博多の駅前。バスセンターの地下に出店。博多うどんの本を書いた報告に牧のうどんさんを訪問したのが、なんとこの店の開店準備の時だった。
「牧のうどんの標準をこの場所、このスペースで守ることは至難の業」ではあるけれど、県外の人にも食べてもらいたいから…、とそんな気持ちで出来た店。この店ならではの独特もある。例えば券売機が置かれてて、食券を買ってお店に入るというとこ。
何しろメニューが多くてそれで券を買うのに時間がかかる。それを急かさずお店の中からニコニコしながらのんびり見つめてくれるおばちゃん、おねぇさんたちが明るく元気で「牧のうどんにやってきた」…、ってまずニッコリ。

買った食券を手渡しながら、うどんか蕎麦。
麺の硬さを伝えて座る。
郊外型のお店に置かれた、長い注文伝票の必要なとこだけ切り取り手元に残った…、って感じがするのがオモシロイ。

うどんをやわで。
昨日の夜からもやしうどんを食べようと手ぐすねひいてて、それを注文。
トッピングに丸天、それからキムチを選ぶ。
もやしうどんをまず味わって、トッピングで味変えを…、と思ってそれでそれぞれトッピングは別添えにした。
お供にかしわご飯をたのんで今日のひと揃え。
これだけたのんでも990円というのがウレシク「肉」も追加しとけばよかったなんてぼんやり思う。
お店の奥には大きな厨房。家賃の高いこういう場所で、厨房が大きいということは稼げる客席が少ないコトで、けれど牧のうどんを基準どおりに作るためには大きな厨房が必要になる。何しろ麺を茹であげる湯槽を何個も並べて時間をかけ茹でる。だから厨房の中は多量の湯気でけむって、製麺工場にいるような臨場感にワクワクします。

5分ほど待ち、お盆の上にギッシリ料理がのっかってくる。
うどんの丼の上には茹でたモヤシとワカメ。大きな丼から溢れ出しそうな勢いで、しかもすでに麺が出汁を吸い込み膨れだしてる。麺の表面はぬめぬめ、なめらか。箸を潜らせモヤシの下から引き上げてみる。
やわらかな麺が切れてしまいそうでいて、案外しぶとく箸にもったりからみつく。コシはないけど伸びているのじゃない状態。15分から20分。たっぷりのお湯でじっくり熱を通して茹でて、この柔らかさを手に入れたんだ…、と思うとなんだかいとおしくなる。
揚がった香りがおいしい丸天。そのまま食べるとごぼうの香りがフワッと漂う。キムチは浅めの浸かり具合で酸味おだやか。スッキリとした辛味で白菜がシャキシャキ歯切れる感じが新鮮。かしわご飯はふっくら、シットリ。出汁の旨味にウットリします。

テーブルの上にはネギが入った器。
下には箸を入れた箱が重ねて置かれ、小さなスペースを上手に使っているのに感心。
うどんをズルズルすすります。

長時間茹でたうどんから、水気が滲んで汁にどんどん混じってく。
それで汁が薄くなるかというと小麦の風味や旨味が汁に混じってトロミも付く。面からお湯が出るということは代わりに汁を麺が吸い込むということでもあり、やわらかうどん自体がおいしくなるのがスゴい。
豆がコツコツ、奥歯を叩くもやしの食感。茹でたモヤシの汁が出汁に青い風味をつけるところがまた旨い。
丸天いれると揚げた油のコクが汁をたくましくする。
キムチをのせると、辛味が出汁の甘みひきたてキムチ独特の香りがうどんに混じって不思議なおいしさ。かと言ってうどんの出汁が台無しになり、別のモノになっていくかというと決してそうではなくて、出汁は出汁でその持ち味を失わない。

コストと手間をしっかりかけた出汁ですから。
そこにワカメをのせようが、コロッケのせて崩そうが。
今限定という有明海の海苔をのっけてとろけさそうが、出汁の輪郭、風味は揺らぐことなくしっかりそこにある。
スゴいコトです。
感心します。

しかもその出汁が小さなやかんにタップリ入ってやってくる。
うどんがゴクゴク吸い込んだ丼の中を再び潤し、食べやすいよう整えるため熱々の出汁がタップリと。
最初はズッシリ、重たい丼。麺も太くて汁もタップリ。食べ始めたときはどうなることかと心配になる。けれどやわらかうどんはお腹にやさしい。芯から身体もあったまりどんどん食欲湧いてくる。いろんな素材や料理の味が混じった汁までゴクゴク飲んで、かしわご飯もしっかりお腹に収め、空っぽになった茶碗にやかんの残りの汁を注いでゴクリ。こんなに濃厚で甘くておいしい出汁を今まで食べていたんだ…、って感慨あらわなオゴチソウ。

 

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