煉瓦亭。ハムライスと魚フライにデミソース

昼、煉瓦亭。どうにもこうにも食べたいものが頭に浮かび、午前の仕事を終えてそのままやってくる。
開店時間は11時15分。到着したのが11時7分で、一番乗りでドア前で待つ。
窓にゴールデンウィークの営業予定の貼り紙がある。人が集まる銀座の街です。ほぼ通常営業というのに頭が下がる。それにしてもこの10連休は一体だれのためにあるんだろう…、ってしみじみ思う。
その貼り紙の下に今年のカレンダーが貼られてて、挿絵が「白いばら」。去年の1月で90年近い歴史を閉じたグランドキャバレー。全国各地出身のホステスがお国言葉で接客するのが売り物で、店の表に日本地図を模したホステスさんの在籍表が掲げられてた。あぁ、今日は愛媛県の娘がお休みだなんて、冷やかし気分で見るのがたのしみだったのに…。

建物の老朽化が廃業の理由だったけど、銀座の街がそういう店に似合わぬ街になってしまったのが多分原因。世知辛い。
おまたせしました…、とドアが開き二階へどうぞと案内される。大きな窓から外の明かりが入る明るい店内に、ゆったり置かれたテーブルに椅子。姿優雅なショートカットのおばさまスタッフが今日もニッコリ。背筋が伸びる。
食べたいものをちょっとしたワガママを取り混ぜながら伝えてみると「よござんす」とすべてOK。懐深さと対応力に老舗の力量感じてニッコリ。
コンソメスープをカップでもらう。香ばしい香りと強い旨味が口に広がって、口からお腹の食べる準備が整っていく。

ハムライスがやってくる。
今日、食べたくてしょうがなかったモノのひとつがハムライス。
ハムに玉ねぎ、マッシュルームを具材に炒めたピラフの上に、薄切りのハムのソテが一枚のっかっている。
ハムがごちそうだった時代のオゴチソウです。
今でも上等なハムはごちそうというにふさわしいおいしさで、このハムもそう。

薄さに反して歯ごたえがよく肉の風味も力強い。ご飯はスベスベ。バターの香りにハムの風味と一緒に口の中をカラコロ、転がり回る。シャキシャキ歯切れる玉ねぎの食感もよく、スプーンひとすくい分とは思えぬほどに存在感があるのがたのしい。

魚フライをお供にしました。ポークカツレツやメンチカツで有名な店。当然おいしく、けれど分厚いサーモンの切り身をサクッと揚げたフライもまた格別。なにより肉系のフライにはナポリタンと茹でたキャベツ化千切りキャベツ。一方、魚介系の料理には生の野菜がたっぷりサイドに添えられる。
ただ心残りは肉のフライに添えられるデミグラスソースが食べられないこと。それでタルタルソースをデミグラスソースに替えられませんか?と聞いてみた。追加料金になりますが、別でご用意いたしましょう。せっかくだからタルタルソースも別添えにされてみてはどうでしょう…、というからそうした。

タルタルソースも確かにおいしい。作りたてでフレッシュだもの。
ただデミグラスソースの甘みを帯びた濃厚な味。肉の旨味がギュギュッと凝縮されてるところは格別の味。
ふっくらとした魚のフライに2種類ソースを交互に使い、ハフハフ、にんまり。笑いが止まらぬシアワセな昼。
ハムライスにデミグラスソースをちょっと拝借。スッキリとした塩味ピラフが濃厚味のハヤシライスのようになるのにまた笑う。
フライのサイドの野菜もさすが。クシャッと潰れて壊れるレタス。口の中がみずみずしくなる。きゅうりはバリバリ、たくましく、湯剥きのトマトは甘くてなめらか。ポテトサラダがまたおいしくて、そこにちょこんとデミソース。とても上等なポテトサラダを食べてるような気持ちになった。贅沢な昼に感謝しました、オキニイリ。

 

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コメント

  1. ちい

    小さい頃、祖母がよく「大きくなったら、煉瓦亭でオムライス一緒に食べよう」と言ってくれました。銀座のおいしいもののひとつよ、と。
    残念ながら叶わぬ楽しみになってしまって、そして祖母が一緒でないのでなんとなく行けなくて。

    わたくしにとって憧れの、想像の中のお店です。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ちいさん
      叶わぬ思い出を大切にするってステキなコト。ボクにとっては父と一緒に来たかったけれど、父がスイス派だったので来ることのなかったお店。いつも父が向かい側に座っているように思いながら食事をします。

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