為治郎の冷やしニシンに小山のきそば

東京駅の朝。「為治郎」で蕎麦を食う。
東京駅は駅構内に蕎麦屋がないという不思議な駅。昔は「神田藪」がプロデュースした小さいながらも実力派の店が一軒あったのに、今でも駅の改札口の外に出ないと蕎麦屋がない。
立ち食いの店が一軒地下に。
地上にあるのはこの為治郎。京都からやってきた店で、舞妓ちゃんがにっこり笑ってお出迎え(笑)。
蕎麦にうどんにラーメンがある。
京都の店ではラーメンが人気のようでいつかは食べてみたいと思うも、やっぱりここでは蕎麦になる。冷やしが推しの季節でもあり、冷やし鴨蕎麦か冷やしにしん蕎麦で悩んだ。前回食べたにしん蕎麦が存外、おいしかったような記憶があって冷やしにしん蕎麦にした。

大きな鉢に蕎麦。にしんの甘露煮にたっぷりの九条ねぎ。この九条ねぎがこれでもか…、って乗せられているのが京の意地ということでしょうか。うちの近所の新福菜館も九条ねぎをたっぷりのせて仕上げてくれる。
シャキシャキとした食感で辛味はおだやか。風味もやさしく口の中を騒々しくして潤す感じがいいなと思う。にしんの甘露煮の強い香りとバッサリとした食感、味がネギの力で引き立ちおいしくなっていく。ねっとりとした麺とどっしりしたタレ。温かい蕎麦とはまるで違った印象にびっくりしました。サイドの八つ橋をお土産にして移動をしましょう…、新幹線。

 

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仕事を終えて蕎麦をズルリと、小山の駅。在来線のぼりホームにあるホーム蕎麦。かつて山手線とか中央線とか都心の駅にもこういうホーム蕎麦がたくさんあった。今ではホームがあまりに混雑しているからってこともあるんでしょう…、随分減った。
地方都市の主要駅。乗り換えで使う人も多くて、けれどそれほどホームが混雑するようなこともない。絶妙なバランスのお陰で生き残れたのでありましょう。
さてコロッケそばをと思って券売機をみるもすでにコロッケは完売で、かわりに天ぷらそばを選んだ。そういえば普通の蕎麦屋で天ぷらそばといえばエビ天が必ずのるけど、立ち食いそばでは野菜かき揚げというのが通り相場。エビの天ぷらを乗せるメニューがある店はわざわざ「エビ天そば」って名付けたりする。岩下新生姜をトッピングして遅めのお昼。

出汁の風味がどっしりとした濃厚な汁。醤油の色が力強くて、なら塩辛いのかというと決してそんなことはない。風味、旨味は強いも味はスッキリとした上等さ。麺は若干太めで色黒。スルスル口の中に飛び込み噛むとばっさり歯切れて散らかる。濃厚出汁とほどよいバランス。やっぱりうまい。
かき揚げはざく切りにした玉ねぎと刻んだ紅生姜に衣たっぷり。ネギは甘くて出汁を吸い込みたちまちとろける衣が麺にひっかかってはしがみつき、口の中へとやってくる。生姜は酸っぱい。そしてほどよく辛くて香りをスッキリさせる。汁も全部飲もうかと思ったけれど、塩分過多になりそうでちょっと残した。大人なり。

 

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