灯ともし頃の新宿の街

とてもひさしぶりに夕方の新宿をひとりで歩く。
用事があってグズグズしてたら灯ともし時になっちゃって、街に灯りがともりはじめた。
昼でもなく夜でもないただでさえ気持ちがざわつく時間です。
駅の近くを歩いてみれば、先を急ぐ人たちが次々駅に飲み込まれていく。
誰かが待つ場所に戻る人もいれば、待つ人のいない場所に戻っていく人もいるんだと思うと気持ちが一層ざわつく。
新宿の街を、昼にひとりで歩くことはよくあった。
けれど日が暮れてから歩くときには大抵、彼と一緒でだから1人で歩く夜の新宿はまるで見慣れぬよそよそしさでそれが怖くて敬遠してた。
今日もなんだかさみしい景色。
どうせさみしい景色だったらと、デジカメのモノクロモードで撮ってみた。そしたらまるで昭和の街の景色のようで、アートな感じにちょっと気持ちが落ち着いた。

せっかくだから家に帰る途中で夕食。
ちゃちゃっとテキパキ。
立喰寿司の魚がし日本一にした。
昔に比べてちょっとゆったり食べられるよう、透明の仕切り板が感覚広めで置かれてて、カウンターの上にはビラビラ透明の幕。
これがこれからの店作りのスタンダードかと思うと本当に切なくなっちゃう。
しょうがない。
寿司をあれこれ。まずは貝。ちょうど立った目の前に貝がずらりと5種類並ぶ。赤貝、トリ貝、ホタテにホッキ、それからつぶ貝。全部握ってとシャリ小さめでお願いをしてパクン、パクンと口に運んでお腹を開く。
それにしてもネタのサイズが小さくなってしまったような…、シャリが小さくにもかかわらずそこに貼り付くような見た目がちょっと残念。ホッキだけは分厚く良かった。季節が少々微妙なのかも。

続いて今日のおすすめから光り物の三貫セット。イワシにアジ、それからきびなご。脂のほどよくのったイワシが口の中でとろける感じがなかなか上等。アジはザクッと歯切れてやはりとろける。ブリンと奥歯に抵抗するようなきびなごは生姜の風味と一緒に味わう。夏のアジ。
光り物にコハダが入ってなかったのをこれ幸いとコハダをもらう。それから鮪の赤身とパクリ。力強い酸味がおいしい酢〆のコハダ。赤身もスキッと酸味がおいしい。夏にはこういう寿司がおいしい。
それからここで必ず食べる炙ったイカゲソ。マヨネーズをたっぷり乗っけてそれが焼けて沸騰している。焦げた香りとマヨネーズの旨味に風味。上等な寿司屋さんでは体験できぬおごちそう。

 

関連ランキング:寿司 | 新宿駅新宿西口駅都庁前駅

 

寿司を食べて冷えたお腹を熱い汁麺であっためたくなるのはあいも変わらず。
今日は新宿西口のメトロビルにある、永坂更科布屋太兵衛の「綾子南蛮蕎麦」を選んだ。
卵とじ系のそばを出す店が最近結構減っている。
手間がかかるからなんでしょう。ほとんどのそばは麺に汁をかけるか添えるかすれば完成する。バリエーションはほぼトッピング。
けれどあんかけだとか卵とじとかは、汁を手鍋の中で仕上げる一手間が必要になるからプロを雇わぬ店であったり、提供時間にこだわる店は敬遠しがち。
ここのは見事なとじ具合。出汁を吸い込みふっくら仕上がる卵に具材。ネギに皮をきれいに剥いだ鶏肉も汁でおいしく煮上がっている。スルンスルンと汁と一緒に麺をたぐって体を芯からあっためた。

 

関連ランキング:そば(蕎麦) | 新宿駅新宿西口駅新宿三丁目駅

コメント

  1. すうさん

    メトロ食堂街が近々クローズするらしいです。聞いた話なので真偽のほどはわかりませんが。だとしたら非常に寂しいです(´Д`)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      耐震基準をまるで満たしていないビルという話を前から聞いておりました。
      最近、テナントが入れ替わるたびに気持ちが入っていない店になっていくのを見るにつけ、そろそろかなぁ…、と覚悟しておりましたが、なくなるとさみしくなっちゃいますね。それまでせいぜい、贔屓しようと思います。

  2. batten

    夜の帳が下りる頃に街を彷徨うのは良いですね、人それぞれに「今から夜!」って感覚が好きです。
    馴染んだ通りの店店の灯りがキチンとついてると安心し嬉しくなります。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      battenさん
      灯ともし頃に火が灯るって当たり前のことが当たり前にまだ行われているってありがたいコトですね。

  3. いにしえ

    サカキ様
    メトロ食堂街。乗り換えの途中で階段トントン上がればたどり着けて、ビルの中なのか、通路なのかよく分からない場所にある手頃で確実なお店の集まりに、初めてこの場所を知った時は、なんて面白いと思ったものでした。もう20年以上前かもしれません。タカノや追分だんごがあるのも嬉しいですし、食堂街という名前も素敵です。
    先日、東京メトロと小田急の新しいビルの計画の発表を目にした時に、あー、いよいよかなと思って寂しくなりました。いつまでも変わらないわけにはいかないのでしょうが、味気ない場所になってしまったら寂しいですね。
    場所の面白さや魅力というのはどうしたらできていくのだろうと考えさせられます。立地や店舗をきれいに計画してできるものでもないんだろうなと感じています。
    まずは、今のうちに味わいたいです。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      ヨドバシカメラも超高層ビルに建て変わる計画があるようで、新宿西口も大きく変わっていくんでしょうネ。
      ビルが新しくなれば保証金も家賃も上がる。良心的なお店がおいそれと商売できる場所じゃなくなってしまうというなやましさ。変わらなくて良いものまで変わってしまうのって、おせっかいな話かも…、って思ったりします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。