灯ともし頃のむじなそば
出張から早めの帰京。四谷三丁目に着いたときが灯ともし頃。軽く腹ごしらえをしてから家に帰ろうと「つぼみ家」にくる。
セルフサービスのそばの店。
券売機で先払いという店でメニューの種類が多いから何にしようかいつも悩む。ボクだけじゃなくほとんどみんな悩むから、悩む人にみんな寛容。ボクの前の人もかなりしっかり悩んでた。
ボクは「むじなそば」にしようと思ってやってきたから、あっという間に買えると思った。
…、なのになかなか目当てのボタンが見つからない。上から下に一生懸命ボタンを探してやっと発見。ボタンをポチり。ボタンを探している間に目に入ったイカの天ぷらもポチりと買って、それからおにぎり。ひと揃え。

むじなそばっていうのは「たぬき」と「きつね」の盛り合わせ。
人を化かす動物といわれるむじな。
たぬきときつねのばかしあいにかけてむじな。
これを「おばけ」という店もあってどっちにしても化ける食べ物。
冷たいぶっかけにして食べる。
ここの天ぷらはどれも揚げたて。
そばも茹でたて、冷たいそばは〆たてでだからちょっと時間がかかる。
天ぷらの仕上がりに合わせてすべての料理が整う様子をぼんやり見てるとあっという間に料理は完成。
おむすびはしゃけに梅、昆布と3種類用意されてて、ここではいつも昆布を選ぶ。ラップでぐるぐる巻きにされたおむすびで、これは作りおきなんです。
握りたてのおむすびのパリッと乾いた海苔もおいしい。でもしんなりとした海苔がご飯と一体化した作り置きのおむすびも味わい深い。なによりここのおむすびの具材はたっぷり。ご飯の中から突き出すように昆布の佃煮が顔を覗かすおゴチソウ。
キリッと角張ってツヤツヤとしたみずみずしいそば。これもおいしい。ザクザク歯切れるような食感。口の中でばっさり切れてちぎれてにぎやか。
タレは若干甘めで、枯節を使っているのか出汁に香ばしい焦げた香りがついている。天かすに甘いきつねにわかめにネギ。七味をたっぷりほどこしてスルスル食べてく。
食べていくうちにタレに天かすの油が混じってコクが出る。半分ほども食べたところでイカ天のっけて出汁を吸わせる。バリバリの衣がゆっくりふやけてとろける。イカのプリプリした弾力がふやけた衣と一緒に口にやってくる。イカの甘味が際立ってお腹も満ちる。家に帰ったらまずお風呂。






