滋養に満ちたスープの朝に昼に思い出のオムライス。

体のすみずみまで染み渡るような滋養に満ちた朝にしたくて東銀座の「たらちゃん」にくる。
韓国の干し鱈のスープ、ブゴクの専門店。
赤坂の一龍別館のソルロンタンにしようかちょっと迷ったけれど今日の気持ちは海の滋養。それでたらちゃん。
ブゴクの定食だけの超専門店で、お店に入るとスープの匂いで満たされている。
カウンターの中に厨房。スープがたかれた寸胴の鍋から湯気が湧き上がり、空気がおいしく潤っている。寸胴鍋からスープを手鍋にとってIHヒーターにのせて温度を揚げていく。
しばらくするとブクブク沸騰してくるのネ。かなり大きな泡が鍋の中で暴れるように噴き上がり、そこに溶いた卵を入れる。
火を止め器に移してネギをちらして出来上がり。スープが大きなあぶくになって沸騰したのは、干し鱈からでたゼラチン質がスープに溶け込んでいたからでしょう。スープの上には小さな泡がずっと漂い卵もふっくら。

エゴマの粉末を混ぜた焼き塩、白菜キムチにニラのキムチ、オキアミの塩辛、大根の水キムチが添えられて、自分の好みに味を整え食べていく。
滋養に満ちたおいしさです。しっかりとしたうま味がある。けれど決しておしつけがましいうま味ではなくやさしく、なのに力強い。卵はふっくらなめらかで、たっぷり入った干し鱈はボロボロこわれて口に散らかる。噛めば噛むほどうま味が口に広がって次の一口をねだるおいしさ。
食べていくと唇や舌がすべすべしてくる。ゼラチン効果。
キムチを落として酸味、辛みをくわえて食べるとお腹が汗をかいていく。器をなめるようにキレイになった。体の底から元気が湧いた…、オキニイリ。

 

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昼は蜂の子。ほぼ3年ぶりにやってきてみる。
タナカくんとふたりでオムライスを食べ歩いていた時期に作ってた「行ってみたい店リスト」にリストアップしてた店。結局行かずしまいで終わって、本願寺さんにお参りした帰りに寄ってくればよかったって思った店です。
そのときはただただブラブラ歩いていたらお店の前に偶然立ってた。
タナカくんが連れてきてくれたんだなぁ…、ってしんみり思った。
記憶を辿って歩いたけれどちょっと迷った。だって飲食店がありそうもない路地にある店。通りにメニュー看板が立っているから気づいたけれど、はじめて来たときのあの偶然はなにだったんだろう。不思議で不思議でしょうがない。
入り口に元気なマダム。案内されたテーブルは前回座ったのと同じテーブル。
窓に面して置かれたひとりがけのテーブルで「Cランチを!」とお願いします。前回食べたランチと同じ。

ビニールシートで几帳面にラッピングされたスプーンとフォーク。
スープが入ったカップが並ぶ。
今日のスープはコーンポタージュ。
お腹がやさしくあったまる。

そしてまもなくメインのお皿。
オムライスとハンバーグ、ポテトコロッケの盛り合わせ。
オムレツライスじゃなくて焼いた卵でケチャップライスをくるんだ正統オムライス。
けれど卵がふっくらなめらか。薄いオムレツって感じがあるのが独特で上に明るい色のデミグラスソースがまんべんなくかかってる。みずみずしくて舌にのせると卵がとろけてたちまち消える。飲めるオムライスってはじめて食べたときに思った。二度目もやっぱりそう思う。
卵がなめらかなのはバターや生クリームをたっぷり含んで仕上がっているから。一方、ケチャップライスはパラパラで細かく刻んだ鶏肉が奥歯で潰れる。

家では絶対作ることができないオムライスだなぁ…、って思う。プロの仕事のプロの味。
ケチャップライスも卵の味も、そしてソースも「過ぎない」ところがボクは好き。ひとつひとつを食べるとどこかちょっとものたりなくて、なのに一緒に食べると互いが互いを引き立てあってこの上もなくおいしくなってく。
食べ続けるとどんどん味がしっかりしてくる…、上等料理。
ハンバーグは細かなメッシュのひき肉をカッチリ固めて焼いたもの。プチュンとちぎれて口の中でゆっくりほどける。オムライスにのっけて一緒に食べるとこれがなんとも言えぬおいしさ。やっぱり今日も泣いちゃうネ。

 

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