海外の皆さん…、日本名物ノリテマキですってよ!

気になっていたお店に来てみる。
「あの」権八が手巻き寿司の専門店を開業した…、というので前から来てみたかった。
「あの」というその意味は、米国大統領が日本国の首相と仲良く食事をした…、というもう15年以上も前の出来事がいまだになにやら特別な意味をもって発信されるという怪しい意味での「あの」であります。
インバウンド客にはそれに加えてキルビルの舞台になったと、西麻布の店はいまだに人気が絶えない。
そんな実力以上のブームに調子に乗って、今度は自らブームを作ってやろうとしかけたお店であります。
手巻き寿司の専門店。たしかにあったようでなかった業態。生モノが苦手なインバウンドの人たちにも受け入れられやすく、場所が原宿。しかもコープオリンピアという高級マンションの地下一階。

東京オリンピックを機会に建設されて日本最初の億ションになったといわれる、住めるものであれば住んでみたい場所にある。
ちなみに隣は東京を代表する板前割烹、重よしさんでございます。
フロア中心のキッチンを囲むようにカウンターがしつらえられて、大人照明、クラブ音楽と「どう、かっこいいでしょ」って呟いてる感が少々痛い。

カウンターの醤油差し。かっこいいです。けれどかっこよすぎてどこが注ぐ口かわからぬ形。知らずに持ち上げ斜めにかたむけカウンターをびしょびしょ汚す人がいて、形だけのかっこよさってクールじゃないなぁ…、ってしみじみ思う。
注文は伝票に書くスタイルです。入り口脇に置かれた伝票を自分でもってくる仕組み。日本語と英語バージョンの2種類あって、鉛筆も一緒におかれておりました。鉛筆の先がちびてて上手にかけないところがトホホ。もう散々(笑)。

いくつかたのむ。
梅きゅうり、スパイシーツナ、海苔きゅうり。ウニをたのんだら今日はウニがないというので、かにいくらで仕切り直した。
海苔にシャリをのっけてそこにネタ。そのまま出してお客様が自分で巻いて食べるスタイル…、手巻き寿司(笑)。
いろいろ問題を感じます。
まず、これって誰でもできるじゃん…、って思ってしまう。家でできることをわざわざお外で、しかも調子に乗って食べたら4本プラス赤だしで1640円という驚愕値段。
それに上にのっけるネタに比べて海苔が小さい。
梅きゅうりのようなものはきっちり巻けるのだけど、高級ネタになればなるほど巻ききれないで「海苔乗せ寿司」になってしまう。
ローカーボ寿司の流れにのって、シャリの代わりにカリフラワーを使った手巻きもあるのだけれど、もうそうなると寿司でなくてもいいじゃない…、って思ってしまう。海苔とシャリの間にサニーレタスの葉っぱが一枚あってしまっているのも、いいのかどうか。そのうち、手巻き海苔抜きって、韓国料理みたいなものが生まれちゃうかも…、って思ってしまう。笑っちゃう。

唯一すくわれるのは海苔がおいしいところ。海の風味がしっかりしていて、管理がいいからパリッと歯切れが良いのがうまい。
でもネ…。海苔が苦手な西洋人は今でも多くて、だとしたらインバウンドをターゲットにした業態として致命的じゃんって思いもします。
インバウンドを狙う業態を作ることは決して悪くないと思う。けれどインバウンドが消えてしまう…、あるいは減ってしまういつかは必ずくるはずで、そのとき一体どうするんだろう。
そもそもインバウンドを狙うがあまり現地の人がカッコ悪いとか居心地悪いお店を作るって、それは業態をでっち上げること。例えば「一蘭」なんて今やインバウンドブランドの象徴みたいになっているけど、それ以前にも熱狂的なファンがいた。彼らにとって最近のインバウンド行列は「あいつらが並んでるから気軽に食べられなくなっちゃったよな」という悔しさになる。でもこの店がもし大混雑になったとしても、日本のボクらは「あんな店に行って喜ぶなんて、やっぱりわかっちゃないよなぁ」って心穏やかに笑ってられる。それってすごくカッコ悪いよね…、って今日は思った。カッコ悪。

 

関連ランキング:寿司 | 明治神宮前駅原宿駅表参道駅

コメント

  1. Miatamore

    えぇ?!自分で巻くの?これを楽しいと思う人がいると考えるところ、お客さんを軽んじている気がいたします。自分でできないものを食べるのがお店で食べる楽しさなのに...壁に貼り付けられたさまざまな格子戸に、ガイジンがイメージする和風ってこんなもんでしょ、という決めつけ感を見た思いです。確かにこういう感じ、ガイコクでありますけど、それ日本人がやったらダメでしょう。もしかしてまたクエンティン・タランティーノに撮ってもらおうと思ってたりして。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Miatmoreさん
      海外に類似コンセプトの繁盛店があるんですよね。
      でも海外で流行っている日本風のものを、日本人が日本で真似してしまう。それを「逆上陸」と言えばかっこよくきこえ、「節操なし」と考えれば、有名企業のすることとしてはあまりに安直で恥ずかしい。
      当然、後者。
      いつまで続けていられるんだろう…、って思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。