浅草寺にて泣く…。

地下鉄にのって浅草寺にくる。
毎日朝の10時から法会が執り行われていて、それに間に合うように家を出た。
お水舎の手水鉢の上に置かれた龍神像が、タナカくんが晩年描いてた創作浮世絵みたいな感じで、「よおっ」って挨拶。手を洗い、線香たてて頭を下げる。
本堂に入るとほどなくして読経がはじまる。
時節柄、葬式らしい葬式を出すこともなくボクがひとりで見送り、骨になっちゃった。読経すらもなくてそれが心苦しく情けなく、伽藍に響く厳かな声に頭を垂れて涙を流す。目をつぶるとを嗚咽が漏れてしまうから、目を開け厨子をじっと見つめる。あのきらびやかな世界が君の居場所なんだね…、と思えばそれはしあわせで、やっと心がひと段落した気持ちになった。

先日、画像を整理していたら雷門の前で撮った写真がでてきた。
二人並んで写真を撮るのは珍しい。
なのに同じ場所で撮った写真が何枚もあり、その一枚をFacebookのプロフィル写真に使うことにした。
うれしいことがあると本当はハグしてチューをしたいのだけど、人前でそんなことは出来ないから代わりに「チューッ」って口を尖らせ言っていた。

その表情で、おじさんながらになかなかゴキゲン。
そう言えば昨日、この世に戻ってくるとき風神さまに風を起こさせ、雷神さまを従えてドンドコドドンと威勢よく。最後は虹の橋までかけさせ派手な登場だったよなぁ。…、ってそんなことを思ってニッコリ。でも今のボクにとってこの兵法が最大限のニッコリだっていうのがちょっと情けない。

おみくじひいた。そしたら見事「凶」でござんした。
そもそも浅草寺のおみくじには凶の札が多いと言われる。そしてたしかに今この状態は「凶」でしかなく、もうこれ以上悪くなりようがないと思えば踏ん張れる。ただ気になったのが最後の一節「佳人一炷香」。
貴婦人の寝室で様々な思いが香のように広がるごとく、心が落ち着かないさまを言うのだという。たしかにずっと眠れないもの。泣きつかれて寝ることが多いから、目の周りが腫れちゃってフェイスクリームの消費量の増えたことにはびっくりします。
凶のおみくじは結んで置いた。仲見世歩いて駅に向かう途中の靴屋、カロールの店先守るおじいちゃんは今日も健在。ここに来るたび「腰が曲がっても足が駄目でも、生きていればなんとかなるね」って言っていたじゃない。死んだらなんともならないよ。

百貨店の地下に行くと食べたいものが溢れてる。
なかなか夜のメニューが決まらずけれど買いたいものがひとつある。
実は近所の八竹のお寿司を今日は食べたかった。
けれどなんとお盆の期間は休業してる。
代わりに志乃多寿司をとお稲荷さんに太巻き、海苔巻き。
お皿に移して盛り合わせ夜の主役にして食べる。
あったかいものも食べたかろうと、お蕎麦を茹でてちょっと甘く仕立てたあごだしに泳がせ上に焼き茄子のせる。くったりとした麺と一緒にスルンと口に入って潤すやさしい汁。
酸っぱく甘い志乃多のお寿司もみずみずしくて、何より今日はかんぴょうの苦味がおいしい。今晩はビデオ三昧にしようと思う夜には志乃多の折り詰め買ってじっくり腰を落ち着けたもの。今日のお供は「悪魔の手毬唄」にするつもり。

おかずに豚のロースを焼いた。脂と筋に包丁を入れ、肉を油を薄く塗りこんがりふっくら焼き上げる。スティックセニョールを軽く蒸し、焼けた豚の脂をからめて風味をつけてシャキシャキ食べる。
まぐろの赤身にえごまの油をまとわせて塩をパラっとほどこし食べる。油の風味と脂の甘み。塩で味がひきしまり鮪の酸味がひきたつおいしさ。
キレイなだだちゃ豆があって蒸す。塩をたっぷり揉み込んでサヤに前歯をあててくわえてプチュンプチュンと実をはじき出す。塩と一緒に口の中に入ってくるのがおいしくて、プチュンプチュンとテレビを観ながらぼんやりたのしむ。
〆はトップスのチョコレートケーキ。半分食べて残りは明日のおやつにするネ。おいしいね。

コメント

  1. あおあお

    サカキ様

    長年、一読者として、おいしいものや微笑みがあふれるサカキさんのブログを楽しんでいる者です。

    大切なパートナー様がお亡くなりになられ、お一人で見送られてから今日までの道のりを想い、心から哀悼と敬意を表します。

    今日のブログを拝読して改めて、愛の深さに触れました。夜も朝も昼も、サカキさんが愛と癒しの時間に包まれますように。
    生きていらっしゃって、こんな素敵な言葉と写真で幸せな風景を綴っている、サカキさんが私にはとても眩しいです。救われています。
    一緒にこの時代を生きていきましょう!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      あおあおさん
      ここ数日、本当に戻ってきてくれたのかなぁ…、とさみしいことに変わりない日々を送っています。特別に変わりがないということは、今までもずっと傍らにいてくれたことの証なんだと思うことにして、今日はゆっくり昼寝をしました。
      生きるということはすばらしいこと…、そうしみじみと思ってのんびり過ごしていこうと思います。温かい言葉ありがとうございます。

    • 蜂蜜

      2人の写真、何とも良い感じ!
      相方さんは堂々とチュ、榊さんは少し照れながらチュ😚

      • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

        蜂蜜さん
        ボクがカメラを持っているんでシャッター押すのに一生懸命でした(笑)。

  2. よおぜふ

    泣き虫サカキさん(仕方ないですね、ごめんなさい)。
    私の若い頃、まだ目の上に脂肪がありまして、お水が出てしまったりで、翌朝まぶたが腫れて困った時のお助けアイテムがありました。
    クラランスのアイジェル。宜しかったらお試しください。
    みのもんたさんが奥様亡くされた時、渡哲也さん夫妻が家に来られて、奥様に、恥ずかしくないから泣いていいのよ、と声をかけられたそうです。
    サカキさんも、いっぱい泣いて良いんですよ。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      よおぜふさん
      何事も我慢しては体に悪いことはわかっているので、我慢しないで泣いてます。
      クラランスはボタニカルコンパウンドの愛用者でして、けれどアイジェルはまだ未体験。試してみます。

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