浅草むぎとろ、麦とろのバフェ

浅草駅の目と鼻の先。雷門からもほんのちょっとだけ歩いたところに「浅草麦とろ」という店がある。
麦とろ料理の専門店です。
百貨店や上等な食材を扱う専門店で冷凍麦とろを本格的に売っていて、通販なんかでも手に入る。
創業昭和4年と言います。1929年だから今年で90年という歴史。浅草の町では新参者なのでしょうけど、それでも麦とろ一本で商売をずっと続けて来れたというのはすばらしいこと。
もしかしたら「麦とろ一本だったから」続いたのかもしれず、本店ビルの一階はその麦とろの物販商品がズラリと並ぶ。
ちなみに本店最上階で麦とろ食べ放題のランチが提供されていて、今日の目当てがそのランチ。エレベーターで上に上がるとかつて屋上だった名残の明るい客席ホール。目の前はもう隅田川で川の向こうにスカイツリーとこの上もなきロケーション。

二ヶ所に分かれて料理が並ぶ。メインの場所には麦飯、麦とろ。押し麦がたっぷり入った麦飯はせいろで蒸してずっと熱々。湯気が立ってて食欲誘う。
その横にとろろが2種類。どちらも自然薯をすりおろしたとろろで、ひとつは醤油風味の出汁で伸ばしたさっぱり味。もう一種類は味噌を出汁で伸ばしたタレを加えたポッテリ、濃厚味。ボクは醤油出汁のすっきりとした風味、味わい、食感が好き。
おかずの惣菜料理が15種類ほど別のテーブルの上に並ぶ。うどんに冷やツユ。マグロのぶつに漬物、煮物。マカロニサラダがちょっと洋風。熱々おでんに味噌汁と迷わぬ程度の品揃え。料理をあれこれとってお膳に並べていくも、やっぱり主役は麦とろになる。

麦飯ととろろを一緒に食べてみようと思った昔の人の発想力に感服するほど、その相性はすばらしい。
ぽってりとしたとろろの食感が、麦のホツホツした騒々しさを引き立てる。
麦飯が口に入ると噛みたくなる。
噛もうとするととろろがすべって噛ませぬように邪魔をする。
それでも噛もうと口の機能を総動員して、気づけばずっととろろと麦飯の食感、味わい楽しんでいる…、という感じ。麦とろにマグロのぶつの漬けをあわせて「山かけ漬け丼」のようにして二杯目は食べてみる。
クニュっと潰れるひんやりとしたマグロのブツは確かな食感。そこにとろろがからんで麦飯ならではのスベスベホツホツした食感が一層引き立つ。うどんにとろろをかけて食べると、とろろがまるでうどんの形になってお腹の中に飛び込む感じがステキ。オモシロイ。

用意されている料理はどれも手が込んでいないけれどほどよい味わいの惣菜料理。
細切りにしたたくわんにはゴマ。
やわらかなマカロニを使ったマカロニサラダが案外おいしく、口の状態が変わってたのしい。
それからおでん。
ちくわにはんぺん、大根、こんにゃく、ゆで卵。
出汁がおいしく熱々だからあったまる。
案外おいしくおかわりをする。
汁をたっぷり、練り物、はんぺん、ちくわをとって海苔をちらして汁代わり。

混ぜるもの。
合わせるものでおどろくほどに食感が変わるところがとろろの特徴。
ほんの少しの麦飯にマグロの漬け。
とろろをたっぷり。
細切りにしたたくわんを入れてぐるぐるかき混ぜて、飲むようにして口の中へと流し込む。カリコリたくわんが壊れていくのがまたおいしい。例えばこれに仙台風の牛たん焼きが食べ放題でなくていいからお供に用意されてたら、どんなにシアワセだろうって思う。そういうお店ができないかなぁ…、って思ってお店をあとにする。

 

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