気がきいていると面倒くさいの違いを、クウド

羽田の「cuud」。ひさしぶり。
カレーうどんの専門店です。「curry」と「udon」の適当なところをつまんでガッチャンくっつけて、「cuud」と店名にしたのでしょう。透ける素材ののれんごしに中の様子が見えるのだけれど、かなり様子は高級で遠巻きに中を覗いては決心決まらぬ人がたくさん。
カウンターだけ。オープンキッチン。カウンターの一角には大きな釜がおかれてて、中に出汁。ひしゃくですくって器に移す様子が同じターミナルにある「HITOSHINAYA」的で、おそらく同じ系列なんでしょう。
お店に入ると出汁の香りに混じってクミンシードの匂いがします。インドの街角にある日本料理のお店に来てみたいな感じがするのがオモシロイ。

カレーにトマトカレー、冷たいカレーとスープ違いのうどんが3種。
朝にはうどんがハーフポーションになる朝カレーうどんが用意されててトマトカレーのそれにする。
小さめの丼にぽってりカレー。
上には水菜と白銀地があしらわれていて、若干赤みがかった色が「私はトマト」と静かに言ってるようなさま。
なかなかおいしげ。
箸をつっこみ麺をたぐると、カレーをまとって箸が重たい。細めの麺でコシはないのだけれどやわかいわけでもない独特の食感。なぜだかスルスル口の中に入っていかないのが面白く、しかも短め。なるほど、調子に乗って麺をたぐりあげるとカレーが跳ねて大事件。それを防ぐ工夫なんだろう…、なんて思ってもぐもぐ食べる。スッキリとした辛さがおいしいたのしいカレー。

カレー自体に具材がほとんど残っておらず、かわりにピクルスがついてくる。トマトに大根、パプリカ、ズッキーニとどれもがそれぞれの食感残しておいしく仕上がる。酸味もやさしく朝のお腹がよろこぶ感じ。
それに少量ご飯と出汁の器がズラリ並んでひと揃え。
…、なのだけど、なぜだかピクルスの器の箸にご飯粒。何かで押さえられて潰れてへばりついたような姿にぞっとする。ご飯の入った器にもご飯粒が貼り付いている…、それも嫌ではあるけれど理由の明らかな嫌であり、一方のピクルスの器に貼り付くご飯粒の「嫌」は、その理由を考えれば考えるほど闇に向かっていこうそうな底知れぬ「嫌」。見なかったことにしてピクルス食べた。

ここのカレーうどんにはおいしい食べ方の指南書がつく。
うどんを食べる。食べ終わったらご飯と一緒にカレーを食べる。最後に出汁を注いでカレーを飲み干して…、と、確かにひとつのカレーをいろんな食べ方をするたのしい提案。悪くない。
悪くはないけど、指南があまりにはっきりするとそれ以外の食べ方を考えてみるイマジネーションが発動しなくなる。例えば出汁をカレーに注ぐのでなく出汁の器にカレーをちょっとづつ足して味の変化を楽しんだほうが良かったんじゃないか…、であるとか、うどんを出汁に浸して食べたらどんな味になったんだろうとか、食べ終わってから思いつくのがもったいない。
ちなみにピクルスの器の底にもご飯粒が2つ。もしかしたらこれ、洗浄機の中で貼り付いたご飯粒かも…、って思ってぞっとしました。分厚い紙おしぼりはお土産に、後味悪い朝のコト。

 

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コメント

  1. すうさん

    うわ~酷い。口直しに別のお店にいらっしゃいましたか?
    食洗器って業務用でも家庭用でも食器を入れる位置が難しいからきちっと練習してほしいです(‘ω’)

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      あまりの衝撃に口直しはお預け。ローズベーカリーでアールグレイを飲んで気持ちを落ち着けました。
      食洗機が洗ってくれたから安心と思う気持ちがこういうことになっちゃうんでしょうね。手でさわってみる、目で確かめる。システムや機械をたよってしまうとろくなことがないという勉強になりました。

  2. セツモ

    盛り付けの時に気がつきますよね?
    見えていたけど無視したのでしょうか。
    それとも、ご飯をよそる時にご飯粒が手袋に付いて、ピクルスを用意する時に混入したとか。

    • サカキシンイチロウ

      セツモさん
      自分が提供するべき料理のことを注意してみていれば気づきそうなものですよね。だから気づいていてもそれで良しと判断したのか、それとも気づかないほどぼんやりしていたのか。
      どちらにしても、飲食店とはサービス産業という基本がどこかにおきざられていしまった結果と感じました。

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