民家のもてなし「割烹みうら」

変わったお店があるんですよ…、と、車に乗って小一時間。内陸の街、古川から海辺の町の石巻の方に向かってしばらく走ると、まるでなにもない山間部につく。川の畔の坂道をしばらく走るとポツンと看板。それも小さく、ぼんやりしてると見過ごすほどの小さなモノで、その看板の脇を入ってく。車がすれ違えないほどの山道で、しばらく上がった先にほのかな灯り。

miuramiu zensai民家があります。そこが店。

「割烹みうら」。
民家とはいっても田舎の旧家です。
豪壮にして大きな建物。
庭も立派で、古いながらも丁寧にメンテナンスがなされた居心地の良き快適空間。
床の間のある畳の部屋に絨毯をしき、椅子とテーブルを置いた南蛮仕様の部屋で食事とあいなった。

一品、そしてまた一品と料理が運ばれてくるコース仕立ての提供方法。
まずは季節の菜っ葉のおひたし。乾杯をして続いてやってくるのがもずくとカニの酢の物仕立て。お酢の酸味は控えめで、出汁の旨みを味わう趣向。つゆまで全部ゴクリと飲んで、お腹の調子を整える。

miu sakanamiu kai魚の料理がやってきます。
まずは刺身。そして魚介類の盛り合わせ。

コース仕立てではあるのだけれど料理がテキパキ、速いスピードでやってくる。
テーブルの上に必ず何かと食べるものが置かれているという状態が、腹ペコ君にはうれしいもてなし。
田舎の人は早食いだから、のんびり料理を提供してたら叱られるから…、と。懐石料理のようでありつつ、たちまち食卓の上が宴会料理のような景色になっていくのがいい感じ。

蒸し牡蠣に、蒸したホヤ。生の牡蠣とは一味違う、磯香りと塩の風味が濃縮された感じがうまい。蒸しホヤはまるで熱を通したウニを食べてるような感じがするのがたのしい。
口に広がる磯香りをたのしみながら、刺身をパクリ。鯛に鰆のたたきにマグロ。
ブリブリとした瀬戸内風の鯛の刺身と違ったねっとりした食感に、土地が変われば同じ刺身もこんなに違うとしみじみ感じる。さすがにマグロはおいしくて、一口、そしてゴクリと焼酎のお湯割りのんでご機嫌になる。
鰆の照り焼きに小さなサザエ。これがクルンときれいにとれてプルンと食べる。ワタの苦味に再びお酒がすすむゴチソウ。

miu chawanmiu ryouriそれにしても料理が次々やってきます。

刺身をたっぷり堪能したと思ったら、カツオのタタキがやってきてそれに天ぷら。
この天ぷらが衣に塩が入ってて、サクサク歯切れる薄衣。
噛むと口の中に散らかる衣がおいしく、カニの磯辺風に白魚とネタも上等。
魚づくしというよりも、魚まみれだって思っていたらローストビーフがやってきて、ホッとしました(笑)。
ねっとりとした牛肉に、南蛮味噌がのっているのが宮城県的。これもいいなと思ってパクリ。

miu kinkimiu shokuji茶碗蒸しでお腹をやさしくあっためる。粗みじんにしたタケノコがシャキシャキ、卵の食感ひきたてなかなかおいしい。
しかも中に白玉団子が一個入っているんですね。珍しいね…、って言ったら、この地方ではこれが普通というのです。とろりととろける団子の食感が、これまた卵のフルフル感と相性よくてびっくりします。

そして〆。キンキの煮付けがやってくる。
ちょっと小さめ。けれど脂がのってて、ねっとり、キンキ独特の肉質と強い旨みを堪能できる。
昔、魚の煮付けの皮は苦手でカレイのような魚でも、全部きれいに剥がして食べてた。
けれど最近、大人になった(笑)!
それで皮も食べられるようになったのですネ。
皮と一緒に食べる魚は、煮汁の味をこれでもかって堪能できて、その上ねっとり。とろりととろける皮の食感もまたオゴチソウ。
鱗がついていなければ、大丈夫…、って今日もきれいに食べ尽くす。

〆のご飯はカニのほぐし身が入った炊き込み御飯。薄味にしてキンキの煮付けと相性抜群。
汁はアサリの味噌汁で、満腹以上の満腹をたのしく味わう。
辺鄙な場所にわかりにくく作った店に、人があつまり賑わう理由を感じて終える。いいお店。

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