残念な鯛、見事なる出汁

お茶漬けの「えん」。
あっという間にお店が増えた。かつては日本の食材を選んで並べるセレクトショップみたいな店の、イートイン的位置付けだった。
それが今では単体で積極的に出店している。
新宿駅の周りだけでも数店あって、厨房設備をそれほど大きく持たなくていいということがあるのでしょう。茶漬けのトッピングは工場で仕込まれやってくるから現場で必要なのはご飯を炊くこと、出汁をあっためることくらいで簡単。
入口部分にはおむすびや唐揚げ、コロッケといったテイクアウトに適した商品を販売できるカウンターを置き、イートインは券売機にて先払いという合理的な営業形態。できた商品を今は運んでくれるけど、そのうちセルフサービス化する店も出てくるんじゃないだろうかと思ってみている。

鯛の出汁かけの定食にする。
本マグロとかアラ、フグ、ノドグロと高級魚と呼ばれる魚は数知れず、けれど瀬戸内生まれのボクにとって魚の王様といえば鯛以外に考え得ない。
つまりゴチソウ。
ブリブリとした歯ごたえたくましい鯛の切り身に胡麻だれまとわせそのままご飯と一緒に食べるだけでもおいしい上に、出汁をかけてサラサラ味わう。
気取った贅沢でなく、贅沢なものをワザワザ、カジュアルにたのしむ。着崩しの美学にあい通づる粋なゴチソウ。他に20種類近くの品揃えがあるけれど、他の料理は目に入らない、これ一択と注文します。

大きな茶碗にご飯がちょこん。
胡麻だれの上に鯛の切り身、まずよく混ぜて鯛の切り身を胡麻で汚してスタンバイ。
土瓶に熱々の出汁がたっぷり。
汲み上げ豆腐に胡麻ドレッシングがかけられたもの。
ごぼうとニンジンのきんぴらに刻んだきゅうりのしば漬けがつきひと揃え。
追加で梅干しと鳥の唐揚げを追加しました。
びっくりしたのがたのんだ梅干しがしば漬けの上にのっけられていたこと。ここの梅干しは好みの味で、だからいつもたのむんだけど必ず別のお皿にのせられやってきていた。
だって一個50円で買った梅干しです。ほんの少々でもうやうやしさを感じさせてもらいたいのに、雑な盛り付け。お皿を新たに使いたくなかったんでしょう…、なんだかすごく世知辛い。唐揚げは余分だったなぁとしたたか後悔。しょうがない。

メインの鯛は普通こういう料理を作るときに使われる、削ぎ切った鯛ではなくて細切りです。端材となるようなところを上手に仕入れて使っているのでしょう。安く売るための工夫のひとつ。しかも凍って流通させているんでしょう…、繊維がボロボロで鯛と言われなければ鯛とは感じぬ不思議な代物。
来るたび劣化を激しく感じる。格付け番組でぜひこの鯛を使って芸能人諸氏をだまくらかしていただきたい(笑)。胡麻だれであえると胡麻の味で整い、出汁をかけると出汁の味。つまり出汁かけにして食べるように最適化されているんだと思えばよいかと思って食べる。
ところでここの出汁はおいしい。なににもかけずそのまま飲むと圧倒的な旨味にびっくりするほどで、だから空の湯のみか何かを添えて最初に一口飲んでみて…ってすれば出汁も売れるのにって思ったりした、もったいない。

 

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