歌舞伎町にて蕎麦屋を2軒、とらそば・嵯峨谷
焼肉店でチヂミを食べはしたけれど、本格的な〆を食べてない。
それでお腹にちょっとばかりの隙間があって、こういうときは蕎麦だなぁ…。
そういえば近所に気になる蕎麦屋ができた。
「とらそば」という名前。
歌舞伎町の入り口という目立つ場所。
角地に建つビルの一階部分でかなり大きい。
この界隈に立喰そばとか牛丼屋とか、和風ファストフードのお店がたくさんあるけど、どこも間口が小さなお店。
この店、さぞかし家賃が高いに違いない…、ってずっと思っていたお店。
前面道路に大きく開いた明るいお店はかなり異色で、外国からの観光客にもアピールするんでしょう…、中はかなりにぎやかでした。
メニューはほぼ他の立食いそばと同じで富士そばに似ているといえばにている感じ。
とは言えカウンターの中のスタッフは作業どれもがぎこちなく、ほとんどのトッピングが小皿の上にあらかじめ置かれたモノをのっけるだけという具合。
温かいそば、冷たいぶっかけをたのんで食べてみるものの、味は残念なモノであります。
乾麺を茹でたような蕎麦はもったり。
風味も味もなくって口に入れるとまるで団子のようで、なによりスープが化学調味料まみれで胸が焼けるよう。
肉そばの肉なんて脂が冷たく固まったまま、汁と混じらずずっと表面漂っていた。
女性専用コーナーがあったり、外国人向けにメニューが用意されていたりとやる気満々。
なのに肝心の味がこれではさみしいかぎり。
なにより外国の人がコレを食べ、蕎麦ってこんなもんかと思ってしまうと思うと切なくなっちゃう。
そういえばニューヨークのタイムズスクエアで一番目立つ飲食店が、ピザとパスタのスバーロという店。そこの茹で置きパスタを食べるともれなく、アメリカの料理ってまずいと先入観を持ってしまう。
歌舞伎町というロケーションもタイムズスクエアに似ていたりして、なるほどこの店、日本のスバーロと思えばいいかとほとんど残して店を出た。
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たのんだものを残してしまう。
食いしん坊には最も屈辱的な出来事で、気持ちがどうにもおさまらない。
家に帰る前になにか口直しをと、「嵯峨谷」という店にくる。
とらそばと同じ通りに面してて、けれど間口の小さいお店。
ウナギの寝床で入口部分に食券販売機。
石臼が置かれてそこでそば粉ができてるという情緒あふれる穏やかな店。
こういう店を見るとさっきの大きな店って、絶望的なほどの安普請。どうやったらあんなに安っぽい店を作ることができるんだろうと思う。
注文をしてちょっと待ちます。突き出し麺を茹であげにして提供するというのがココの売りで、その分、時間はかかるけど、蕎麦の風味はしっかり残る。
ザルをたのみます。
たのんでじっと待ってたら、後からきたフランス系の人かなぁ…。
割りと達者なフランス訛りの日本語で、「海苔が苦手なのでいらないです」っていって食券手渡していた。
この店では、ザルから海苔を引くとせいろになって30円ほども安くなる。
だから、せいろにすればいいんですよ…、と、30円を返そうとする。
すると彼。「せいろもザルもタレは同じなんですか?」と聞く。
なんたるステキでありましょう。
かつての江戸前の蕎麦屋では、せいろの汁はから汁で、そこに味醂やかえしをくわえて甘みを足したタレをざる用に使ってた。
今ではそういう流儀はほとんどなくなって、せいろとざるを区別するのは海苔くらい。
そんな粋なかつての流儀を知ってるなんて、スゴいじゃないのと感心すると同時に、そんな粋をすっかり忘れてしまって当然のボクらって一体どうしたことかと思ったりもする。恥ずかしや。
ちょっと硬めの歯ごたえのある麺線です。幅広の平打ち麺で、表面積が大きい分、汁をたっぷり手繰り寄せ口の中をみずみずしくする。表面のとろみ感もほどよくて、なによりキレイにせいろの上に盛りつけられた姿がキレイ。悪くないなと思います。
これも揚げたて。
天ぷらが熱々なのは当然のこと、それを盛りつけたお皿も熱々。だからずっと熱さが続く。
バリッと硬めの衣がツユとの相性よくて、油の風味も新鮮でいい。
具材はさつまいもににんじん、玉ねぎ。野菜ばかりではあるけれど、その組み合わせがよくって甘味や旨み、食感、香りが多彩でたのしい。
タレにつけずにそのまま食べても十分おいしい。
衣に塩をかなり強めに加えているのでありましょう。だからつけダレを薄めること無く、蕎麦を最後までおいしくさせる。
最初から御膳にのってくる蕎麦湯も、食べ終わるまで熱々なのがウレシクて、蕎麦湯を注いでタレを飲む。
ちょっと甘みが勝っていますか。
蕎麦湯で割ったタレの味。そこに出汁の香りや酸味、あるいは軽い渋みが混じれば正真正銘、出汁がおいしいということで、残念ながらココは甘みを旨みに変えておいしくしてた。値段のコトを考えるなら、それもしょうがないかと思う。気持ちも収まり、家に帰って風呂にする。
もり蕎麦とざる蕎麦のつゆに違いがあるのを知っている!は、間違いなくフランスの「タタミゼ」でしょうね。かつてこんなタタミゼに「正しい割箸の割り方は、割る前に手刀でちょんちょんちょんと三方切りしないといけません!」っと、冗談で力士が懸賞金を受け取る所作を教えた処、真面目な彼と彼女は在日中毎日3回やり続けました!反省しております(笑)
嵯峨谷、生冷麦が食べられるので、好きです。
昨年アムスにいた際に知り合った20代半ばの今風なカッコのオランダ人のお兄ちゃん。「日本はどこがオススメなの?」と聞かれて、「うーん」と思いつつ、「やっぱり京都かなぁ?」と答えたところ、彼は3年ほど前に日本で2ヶ月過ごし、そのうち1ヶ月は関西の方にある武道場で剣道の修行をしていたそうで…
「じゃ、京都はよく知ってるよね」ということで、「金沢とかもイイヨ」とお茶を濁してしまう恥ずかしさ(笑)
彼の大好物は湯豆腐だそうです。渋いなぁ。
あや〜んさん
確かに冷や麦のネットリとしたなめらかさはステッキですね。
最近の外国の人たちって、日本人のしらない日本を知っていたりするから、ひやっとさせられることがありますね。
茶碗交番さん
日本びいきのフランス人は、真剣ですもんね。
ボクの知り合いに、作務衣を着てピンクレディーを踊るのが趣味のおっさんがいますが、彼の蕎麦をたぐる様は惚れ惚れするほどうつくしいです。
とらそば先日行きましたが、おっしゃる通り麺は乾麺の半茹で感、スープも化学調味料の味しかしないという感じで一口食べて絶望する味でした。
最近無添加のお店も増えて来ていますが立ち食いそばに化学調味料はしょうがない面もあると思いますが、ここは化学調味料の使い方すら知らないって感じですね。
どうやったらこんなに不味い物を作れるのかというレベルの物でこんなに不味いお蕎麦は人生初でした。
沖縄立ち食いそばマニアさん
化学調味料も上手に使えばおいしさを引き立てることもありましょう。
だから無添加無化調ばかりが良いとは決して思わないのですが、ここまで化学調味料リにこだわる料理ってなかなかお目にかかれませんよね。
インバウンドの人たちがかなり頻繁にお店に入って食事をしている。コレが日本の料理だと絶対に思われたくないと感じます。
そばのクオリティの低さ従業員のやる気の無さ(笑)
回りに食べ物屋はいくらでもある、
多分もう行かないかな、
匿名さま
人通りの多い交差点の角。一見客を相手にしてればある程度の売上がとれるから…、というコトなのでしょうね。
料理の味は個人の好みの範疇だから、このクオリティでもいい人が沢山いるのかもしれませんが、やる気の無さや雰囲気の悪さはいかんともしがたい。
飲食店の原理原則に気づいてくれればいいのですが…、なんだかスゴく残念ですね。