桜咲く淡路町、蕎麦鮨ケーキで春のことほぎ

昨日の風もおさまって、ポカポカというわけじゃないけど日向にでると温かい今日。淡路町まで移動して、昼を食べようと思った降りる。目当ては神田まつやの蕎麦。お店の前には枝振りの良い桜の木が一本。それが満開で風が吹くたび花びらがひらひらと舞い、お店の景色をやわらかにする。
あぁ、春だなぁ…。もともと風情溢れるお店の外観が、今だけ華麗で儚く装う景色にウットリします。今日来て良かったってしみじみ思う。
開店とほぼ同時の時間にして次々、お客様がやってきてお店はざわつく。明るい声でのびやかに「いらっしゃいませ、なんにしましょう」と声かけ微笑むお店のおばさまたちの自然体にしてほがらかなこと。老舗でおいしく評価も高く、なのに気取らず街場の蕎麦屋の風情をずっと守っているのがステキと思う。好きな人がいて、好きな料理があって場所までが好きとなんとシアワセなんだろう…、って思ったりする。

天南ばんそばを注文します。
ここでは大抵この料理。
温かいそばにエビの天ぷらとネギ。
まさしく「天」「南ばん」「そば」であって、ところがエビの天ぷらがちょっと独特。
エビは小さい。
男性の手の中指ほどの大きさでしょうか。
3尾でひと組。
それらを一本、一本、天ぷらとして揚げ、最後に並べて衣を落とし一枚の天ぷらのように仕上げて乗せる。蕎麦が沈んだ汁の上を漂う筏のような姿がなんとも風流。ネギはしっかり煮込まれていて表面キュッキュ、芯はとろりと崩れて甘い。天ぷらもエビもネギも決して威張っておらずあくまで主役は蕎麦でござい…、って感じがボクのオキニイリ。

衣が多い天ぷらです。食べてるうちにつないだ衣がとろけて崩れ、エビの天ぷらが一本、一本離れてきます。崩れた衣にはエビの香りが移ってこの上もなく贅沢な天かすみたいな役目を果たす。
エビは健康的でたくましく、しっぽもカリッと揚がって旨い。
キリッと醤油の風味が強い濃いめのつゆを、麺が吸い上げ口の中へと運んでくれる。熱い汁の中でゆっくりやわらかになっていくのだけれど、ザクザクとした歯切れる感じはずっと健在。口の中でバッサリ散らかり汁の風味と一緒に消える。あぁ、旨い。
熱い汁そばにも蕎麦湯がついてくるのがここのスタイルで、麺を食べ終えそこに蕎麦湯を注いで味わう。蕎麦湯で割らずともちょっと辛めの汁として飲もうと思えば十分飲める。けれど蕎麦湯でわった途端に醤油の風味がサッと脇にまわって出汁の風味が力強さを増していく。粋でござんす…、まず一軒。

 

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ここまできたらせっかくです。近所の神田志乃多寿司の本店で寿司もつまんでおきましょう…、とお店の地下のお食事処にやってくる。
カウンターにズラリ、仕込んだ押し寿司、巻物が並んでてる。
注文するとあっという間にそれらを切り分けやってくる。
鮭に小鯛にエビに穴子の押し寿司に、穴子の太巻きが一個、それからサバの押し寿司が二貫ついた昼のおきまり。なんとキレイでうつくしい。
酸味の強めのシャリがカチッと角立ち切られた押し寿司は、噛みしめながら口の中でネタやシャリが混じり合って完成するのをたのしむ料理。ネタの上をかざる削った昆布がネットリ、隅から隅までおいしいゴチソウ。分厚いサバと分厚い昆布。柚子の香りが華やかにシャリと一緒に口を満たしてとろけて消える。脂はなんとおいしんだろう…、とウットリしながら昼の二軒目。さて三軒目。

 

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お腹はほどよく満たされたものの、近江屋洋菓子店によらずにここを立ち去るわけにはいかぬ。
それで寄る。
いつもならばパンにドリンクバーという組み合わせ。
今日は洋菓子。
サワーチェリーのパイをもらって、食後の〆とする算段。

ドリンクバーのジュースが今日は見事にどれも明るい緑と黄色の間の色合い。タンカン、ぶどう、パイナップルとどれも甘みがほどよくてサラサラ喉を潤していく。チェリーパイは酸味がおいしい。種をキレイに抜いたチェリーがキレイに並ぶ姿もキレイでやさしい味のクリームにさっくり歯切れて崩れるパイ生地。お腹を重くさせないところがステキだなぁ…、って感謝しました。淡路町の昼の贅沢、これにて完了。さぁ、移動。

 

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コメント

  1. すうさん

    御三家ですね(^^♪
    神保町の和菓子ささまにもお寄りください。
    季節感が半端ないです。

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      淡路町と言えばこの3軒。どこも外すことができません。
      神保町の和菓子屋さんといえば、ささまさんでしょうか…、それとも文銭堂さんかなぁ。ボクは落雁が好きなのでささまさんの干菓子を買って、こっそり会社で食べておりました。

  2. はる

    わぁ~、懐かしくて大好きなお店ばかり。
    以前、月に一度淡路町の病院に通っていた時に、よく立ち寄っていました。ささまの和菓子も帰りがけに買い求め、飛行機の中でつぶさないように、はらはらしながら持ち帰ったり。
    今は諸事情で当分家を離れることはできないのですが、いつか上京した際には、また必ず伺いたいと思った次第です。
    あの辺り、好きなんですよね。

    • サカキシンイチロウ

      はるさん
      東京という街の穏やかな側面が集まっているように感じますよね。
      最近では超高層ビルにたちかわる一角もポツリポツリと出始めましたが、それでも昭和の町並みはまだまだ健在。気持ちをホッとさせてくれますね。

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