東京駅の京都の出島、近為でぶぶ漬け

東京大丸の食堂街。
大丸自体が大阪出身ということもあってでしょう…、駅前のビルのテナントとして仕切り直したした際に関西出身の飲食店を新幹線に乗せ連れてきた。
そんな感じのテナント構成がちょっと独特。大阪、京都の暖簾の横にお江戸の老舗が同居している…、ってところもなんだかオモシロイ。
イノダコーヒや英國屋。日本料理のたん熊、つる家。京漬物の「近為」もそう。近為のぞく。
京都に本店がありはするけど、東京に3軒もありしかも亀有に工場まである。地元よりも出先が大きく稼いでる…、っていうのがハワイからきたパンケーキ屋さんのビジネスモデルみたいで笑う。入り口脇には漬物売り場。その漬物が売り物の日本料理のお店であります。

1人用のカウンターもあるけれど基本的に大テーブル。
10人ほどがかこめるようになっていてその真ん中にIHヒーターが埋め込まれている。
そこに鉄釜。
中にはお湯が沸いていて、柄杓でお湯をすくいとり、お茶の差し湯にする仕組み。
なかなかおしゃれ。

ただこのやり方を真似た和カフェがいろんなところにできたのだけど、ほとんど失敗。面倒臭いことを人はしたくないのね…、この店だってほとんどの人が鉄釜からお湯は汲まない。しかも案外、柄杓ですくったお湯を急須に注ぐのは難しくってボタボタこぼれる。ちと残念。

その「柄杓でお湯を汲む」という行為を絶対しなくちゃいけないメニュー。
「京のぶぶ漬け」っていうのをたのむ。
まず最初にお通しがわりの漬物。
売店で売られているものの試食をしているみたいな感じ。
お茶を飲みつつパリポリかじる。
お膳が到着。
三段造りの木枠の中に小皿がおさまる。
ひとつひとつを出して見るという、そのひと手間がちょっとたのしい。
一番下にはわらび餅。
ひじきの煮物。
一番上には鮭の西京漬けを焼いたのが入ってる。
汲上豆腐に梅山椒。
どれもほんのちょっとづつにて、メインの料理はお茶漬けのお供の漬物。千枚漬けや筍の漬物などが7種類、キレイにならんでやってくる。
こう見てみると何一つとして手の込んだ料理がない。手間を省いているということでなく、仕込み、製造段階ではキチンとすべきことがなされてる。上手だなぁ…、って思います。

おひつの中にご飯がたっぷり。おかずあれこれ、ご飯を食べる。そのご飯自体がおいしいコトにちょっとびっくり。メイン料理が漬物だ…、と思っていたけど実はご飯だったかもって思うほどにおいしいご飯。ほんのちょっとのおかずでご飯がどんどん進む。
そしてそろそろ「ぶぶ漬けタイム」。
茶葉の入った急須に柄杓でお湯を注いで休ませる。ご飯の上に梅山椒。お茶を注ぐとただそれだけで味がととのいとても上等なお茶漬けになる。
お茶って旨味が強いんだなぁ…、ってしみじみ思いサラサラ食べる。おゴチソウ。

 

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