東京には安くて贅沢なお店があるものなのです…。
ひさしぶりに「車屋別館」にやってくる。
場所は新宿駅の近く、バーニーズニューヨークのはす向かい。
数年前まで本館が歌舞伎町のコマ劇場裏にあったのだけど閉店しちゃった。
懐石料理からフランス料理まで、新宿でおいしいもので接待だとか会食をしようとすればそこ一館でほぼ事足りる美食の殿堂的な場所だった。そういう需要が新宿で少なくなってしまって、営業継続がむつかしくなったのでしょう…、別館だけが残って営業。一階の鉄板焼きレストランがオキニイリにて今日の昼。
2、3人用の鉄板が六角形に厨房を囲んで設られていて、全ての料理がそこで仕上がる。にもかかわらずランチは1100円からメニューがあるというのが気軽でたまにきていた。
特にタナカくんは大好きで、今度親父が東京に出てくることがあったらここに連れてくるんだ…、って言っていた。
田舎じゃこういう店はないからネ…、鉄板焼なんて都会のホテルにワザワザ行ってたのしむモノ。だから絶対好きに違いないよ…、って一緒に行くのをたのしみにしていたけれど夢は果たせず。お父さんが亡くなったとき、ひとりで食べに来て泣いたらしい。
お父さんとこれなかったのは残念だけど、代わりにお母さんと一緒に行けばいいじゃない…、って言ったら「そうする」って答えたけれど、結局、その夢も果たせず仕舞い。代わりにボクが今日来て、泣いた。
ピカピカに磨き上げられた鉄板はいつきても気持ちいい。
熟年のコックさんがうやうやしく料理を仕上げる姿も贅沢。
鉄板の上に真鍮製の覆いをかぶせ、蒸し焼きしたりするのもどこか特別で、そういうところをご両親に見せて自慢したかったんだよネ。
かと言ってホテルの中にあるような高級な鉄板焼きのお店みたいに、かたくるしくなくくつろげて、いい店だなぁ…、ってくるたび思う。
1300円のハラミステーキのランチをもらい、ハンバーグの単品ひとつ追加する。
2人で来てた時にはそれぞれランチでたのんで分けて食べていたから、どちらかひとつと決められなくってこの注文。
まずサラダが来て、ご飯に味噌汁。
ステーキはすぐ焼けるから最初に登場。
ステーキをつまみながらハンバーグがじっくり時間をかけてできるのを待つのです。
ステーキを前菜代わりにするなんて贅沢じゃない?ってビール片手に、いつもニコニコ食べていた。
ステーキのサイドのジャーマンポテトが甘くてほっこり。オキニイリ。
ハンバーグにはデミグラスソースがたっぷりのっかってやってくる。もやしをベッドにして、上にパプリカやタマネギのソテがちらかり彩りよく仕上がってくる。合い挽き肉のハンバーグ。だからふっくらジューシーでなによりデミグラスソースがおいしいんだ。
ハラミステーキには大根おろしの醤油ソースがついてるんだけど、このデミソースをつけて食べるといっそう美味しく食べられる。しかもご飯もモリモリと。もやしをシャクシャク食べながら、いつもご飯のおかわりしてた。
今日はお肉でお腹いっぱい。タナカくんとお父さんの代わりに食べたよ。また来るネ。
本館は閉店したのですね。母の日近くに、母とフレンチでランチをしたら、帰りがけにカーネーションをプレゼントしてくださいました(^^♪
行きの歌舞伎町は酔っぱらったホストがいっぱいいたけど、そのギャップが面白かったです。
残念ですね。お店の作りも素敵だったのに。
すうさんさん
入り口脇には庭園があって、歌舞伎町の中とは思えぬ優雅な空気が流れていました。
コマ劇場は立派なビルに建て代わりましたが、それよりも車屋別館を無くしたことのほうが大きな出来事のように感じます。
サカキさん、車屋別館のランチ1人で行ってきました。
熟年のコックさんが最初から最後まで一言も発しないので湯山玲子さんの「女ひとり寿司」のようだ!と思いながら、サービスはすばらしく、ハラミステーキも付け合わせのモヤシもジャーマンポテトもおいしく、久しぶりの冒険楽しかったです(笑)。
新宿はしょっちゅう行くけどあの界隈は何年ぶりで、通りが広くてあそこだけぽっかり余裕のある感じが再発見でした。
あーたさん
このお店がある通りって、おっしゃるように不思議な程に広くてまるで細長い広場みたいな感じなんですよね。新宿にしては珍しい贅沢な空間。その贅沢をそのままお店にしたらこんな感じになるのかな…、って感じですよね。
この近所にあるおでん屋さんがそろそろ恋しくなる季節です。