朝の築地のスパゲティー。銀座の秋のクリームパフ。

築地の場外市場の中の「フォーシーズン」で朝をはじめる。
フォーシーズンのスパゲティがおいしいんだ。一緒しないか?って友人を誘ったら、そんなところは畏れ多くてって恐縮された。
いや、フォーシーズンズホテルじゃないよ…、築地の気軽な喫茶店って大笑いになったことがある。
正式には「4SEASON」って表記する。なかなかおしゃれでいい感じ。
開店時間は朝の9時半。35分にお店に来たらもう2組が座ってらっしゃる。厨房前のカウンターには茹で上げられたスパゲティがザルに山盛り。しかも大きなザルが3つ並んでスタンバイ。人気の様子がみてとれる。
場外市場は休業日。それでも町はインバウンドさんで大にぎわい。ここはまだインバウンドさんに発見されていない店。
和風スパゲティをお願いします。
まずはサラダがやってきて、一緒にタバスコ、粉チーズ、塩に胡椒に爪楊枝。タオル生地のおしぼり、お冷とテーブルの上がたちまちにぎわう。

厨房の方からおいしい音がしてくる。
ジューッと具材が炒められる音。
スパゲティがそこに投入されたのでしょう…。
湿った音が一際大きくなったと思うや、ゴンゴン鍋が五徳を打つ音、オタマがカシャカシャ、鍋肌をひっかく音がしてきておいしい匂いがやってくる。
音が止まってひと呼吸。
お待たせしました…、と運ばれてくるお皿の上は大葉の山。
スパゲティをすっかり覆って湯気と一緒に青い香りが湧き上がる。
大葉の下にはこれまた大量の刻み海苔。炒めあげられところどころが焦げて仕上がる細めの麺が隠れてる。この麺が独特なんです…、水分が抜けて硬くてザクザク歯切れる。噛みごたえが抜群で噛めば噛むほどに味が出てくる。そこが好き。

具材もたっぷり。斜め切りにしたソーセージ、しんなり炒めた玉ねぎ、ピーマン、椎茸、輪切りの赤唐辛子。それがゴロゴロ転がり出してスパゲティ混じりのソーセージ炒めを食べてるみたいな感じにさえなる。
麺が細くて乾いているからでしょう…、フォークにきれいに絡んでくれてスプーンいらずで食べられる。たっぷりの大葉や海苔が絡みつきやすいということもあるかもしれない。とにかくどこを食べてももれなく大葉のモサモサ感を感じることができるというのがとても独特。オモシロイ。
スパゲティって意識しないで食べてくと具材が最後に必ず残る。今日も最後は炒めソーセージになって終わった。それもよし。
有線のBGMの昭和歌謡も秋の歌。ビリーバンバンの「さよならをするために」に送られながらお店を出ました。秋の朝。

 

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午後から出張。出発前までシティベーカリーでちょっとのんびり。
甘いものは何があるかなぁ…、と思ってショーケースを見る。
オキニイリのクリームパフ。
ちょっと前まではレモンクリームだったのだけど、ヘーゼルナッツクリームになっていました。
秋モード。
これは食べなきゃとアイスコーヒーと一緒にたのむ。
コロンとしてて大きな松ぼっくりみたいな形がまず愛らしい。
サイズの割にずっしり重たくガサガサとした頑丈な生地に砕いたナッツやビスケット生地が散らかっている。
甘い香りがしてきます。
これはナイフフォークで味わうべきもの。てっぺんにナイフを刺して入念に力を加減しながら切っていく。ザクっと乾いた音がして、スッとナイフが入るも壊さぬように、崩さぬようにと切り分けるのは少々大変。気をつかう。

この断面のうつくしきこと。層をなす生地、層なすクリーム。カスタードの上にヘーゼルナッツクリーム、どちらもぽってり、なめらかでざっくりとしたシュー生地がそのなめらかを引き立てる。
ヘーゼルナッツの風味にコク。生地は塩が強めで、ときおりナッツが砕けて奥歯をたたく。ハッとする。
シナモンの香りがふわっと鼻をくすぐり秋の味だなぁ…、ってしみじみ思う。
春はピーナツバタークリーム、夏はレモンクリームとそれぞれおいしく趣深く、けれどこれが今まで一番のおいしさかなぁ…、冬になったらどんなクリームパフになるんだろうってワクワクしながらたのしんだ。

 

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