朝の寿司清、まかない丼

東京駅からはじまる朝。寿司清で朝食をとる。
地下コンコースに面した店で、かつては一階の食堂街の入り口にあった。人通りを比べればこの場所のほうがいいのだろうけど、大通りに面した店というのは往々にして入りづらい。
だからかかつての場所のにぎわいは移転後ずっと戻ってこない。
飲食店とは場所を含めて、ムードが大切な商売なんだ…、と思ったりする。

かつてに比べてメニューも随分絞り込まれて、ちょっとさみしい。
選択肢が鯛ゴマ茶漬けかまかない丼の二択のようになってしまって、それで結局まかない丼。
魚の端材を使った丼。
「端材丼」では到底商品にならないわけで、そこをおしゃれに「まかない丼」。
丼の中にはギッシリ、マグロに白身、サーモンにエビと色とりどりの魚がはいってとてもニギヤカ。キレイに食材を並べることよりこうして一見雑に見え、けれどまとまりがあってうつくしく盛り付けるのはむつかしい。

こんな料理がまかないにでてくることはまずないだろうから、まさにネーミングの勝利的なるオゴチソウ。お膳の上に醤油用の小皿がうつぶせにおかれているのが日本ならでは。「おはようございます」とそれをひっくり返して醤油をさして「いただきます」と挨拶をして、さぁ、食べる。

それにしても下のご飯がまるでみえぬほどギッシリ見事に並んだ具材。
さて、どこから手を付けようか…、と箸がまよって少々悩む。
そうか…、これだと答を発見。

丼の縁の一角をしめてるガリをまず取り出して、醤油皿の縁に置く。ついでにわさびと大葉を同じ場所に移して、下のご飯をあらわにします。
超満員の通勤電車が大きな駅に到着し、若干空いて空気が軽くなった車両の中のよう(笑)。
醤油皿に醤油を注ぎはしたけれど、魚のひとつひとつをよく観察すると醤油をまとって軽い漬けの状態でした。
手がかかってる。そのままご飯と一緒にかきこみ食べられるようになっているのにニッコリ。
果たして前からこうだったっけか…、って思ってしばらく考えるも、思い出せずになんてぼんやり食べてたんだろうと反省をする。ご飯が若干やわらかで、ところどころが団子になってた。なんだかさみしく、目が覚める。

ただ、魚はとても状態が良く、中でも今朝のめっけもんがタコでした。叩かれ煮込まれ噛むとクチャっと潰れて旨味を口に広げる。噛めば噛むほど味がでてきて、甘みが強くなっていくのもオモシロイ。
コハダはムッチリ。エビもムチュンと状態上等。
マグロは赤身や脂の乗ったハラミや中トロと状態違いが取り揃えられ、食べるところで味の印象が変わってくるのがたのしい感じ。特に赤身の豊かな酸味にウットリします。わさびをたっぷりのっけてツーンっと鼻から抜ける香りたのしみ、旨味が甘みに変わる様子を味わい、食べる。
案外これがおいしいなぁ…、と思ったのがガリにわさびをのっけてご飯と一緒に食べる食べ方。酢飯ではなく普通のご飯が酢飯のように感じるステキに、お腹もたのしく満たされる。

 

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そして移動で北に向かって電車に乗った。
この一週間、電車の移動がとても多くてけれど乗る電車、電車で空気やムードが違うところをたのしんだ。
窓の景色が違う以上に、乗ってる人の空気感。
のんびりだったり緊張だったり、ニギヤカだったりしみじみだったり。
社内のムードがそのまま向かう到着地の街のムードだったりするのもなんだかおもしろかった。
今日の電車はちょっとのんびり。
早めの時間に到着し、乗り換え時間にのんびりお茶。駅構内のプロントで、朝のクロワッサンをのんでメールをチェックする。断熱系の素材のカップに並々入った温めのコーヒー。ミルクたっぷりでやさしい味わい。今日も1日、がんばろう。

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