朝のサンドイッチにチョコレートパフェの正解

朝にサンドイッチを作る土曜日。
25年間。
ほぼ2週間に1度の割合で土曜日の朝にサンドイッチを作りました。
一年で26回。25年で650回。
いろんなサンドイッチを作りました。
パンも具材も調味料も、あれやこれやと工夫して作るたびにおいしい、おいしいと言って食べてくれ、ただおいしいじゃなくて、今日のサンドイッチはどこが良かった、ここをもうちょっとこうすればもっとおいしくなるんじゃないかなぁ…、なんてアドバイスも必ずしてくれる。
作りがいのある食べ手に恵まれ、ずっと作り続けることができたこと。
サンドイッチ作りとしてこんなにしあわせなことはなかったなぁ…、って今日はしみじみ思って作る。

アンデルセンのイギリスパンを10枚切りにしてもらったもの。耳はそのままで2枚重ねて片面だけを焼いておく。
粗熱とったところに焼いた卵にケチャップ、芥子にレタスの葉っぱ。それからハムとチーズとレタス、マヨネーズ。ハムはジャンボンブランでチーズはエメンタールというこの組み合わせをボクは一番多く作った。多分、650回のうち300回はこれを作って食べたんじゃなかったかなぁ…。
タナカくんが一番褒めてくれたのもこの組み合わせのサンドイッチでそれを食べたことがある人は、本当に親しい友人5人くらい。ほぼ彼のために作ったサンドイッチです。
作って思い出さないはずがないゴチソウ。食べれば必ず思い出す、そんなゴチソウ。今日も本当によく出来ました。半分食べて残りはお供え。家を出る。

思い出のサンドイッチを食べながら、行きたくって行きたくてしょうがなくなったお店にとんでく。
銀座のピエールマルコリーニ。
チョコレートパフェを食べたくって食べたくて、気持ちが急いだ。
お店の一階はチョコレートショップ。カカオの香りに体がふわっと包まれる。
2階を指差しニッコリすると、内線電話で2階、3階のカフェの状況を聞いて「どうぞ、2階のお席をお使いください」と答えも丁寧。カカオ色した階段を上がって2階に向かいます。
狭くて急なこの階段。足を悪くしていたタナカくんは1段、1段ゆっくり上がっていくのを下からみてた。気持ちは早く上に行きたい。でも足が思うように動かない。大きなお尻を後ろから押してあげたくなるような姿が今も見えるよう。おぶって階段を上がれるようにジムで足腰鍛えなくちゃね…、って冗談めかしていったら、ボクが痩せてあげるよなんて言ってた。ふたりで加入したジムにも結局、行かずじまいになっちゃった。

メニューも見ないで座ると「チョコレートパフェを下さい」とおごそかに。
お水で口をちょっと潤し、背筋を伸ばしてジッと待つ。
他の店では座ると水をゴクゴク飲んで、おかわりまでして待つのだけれど、とびきりのチョコレートパフェをおいしい状態で食べるため。
口の中の準備をしなくちゃ…、と水を飲むのも我慢する。

満を辞して登場するチョコレートパフェのうつくしきコト。
口の優雅に開いたグラスの一番底にはバニラアイスクリーム。チョコレートアイスクリームにやわらかに立てたホイップ。その上にまたチョコとバニラのアイスクリーム。間を埋めるようにチョコレートのムースと硬めに立てたホイップ。それからバナナ。すべてのてっぺんに正方形のチョコレート。

ゆっくり味わっていたいのにボヤボヤしてる溶けてしまう。急ぐ気持ちとずっとゆっくり食べていたいま逆の気持ちいったりきたりさせながら、無言でひたすら食べていました。
アイスクリームがおいしいことは当たり前。
酸っぱく苦いチョコのムースと味をほとんど持たないホイップをアイスクリームと一緒に頬ばり、口の中で好みの味を作り上げていくのがたのしい。バナナのネットリとしたとろけに酸味、甘い香りがチョコレートの苦味をひきたてる。
いろんなお店のいろんなチョコレートパフェがあり、どれもそれぞれおいしいけれど、完璧なチョコレートパフェの答えを出せ…、と言われれば多分、ここのこれがその正解に一番近い。全部をキレイに食べて最後にお水をゴクリ。「おかわり食べたくなっちゃうね」ってそれがいつも最後のひとこと。あぁ、なつかしい。おゴチソウ。

 

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コメント

  1. すうさん

    ここのパフェが一番好きです(^^♪
    初めて食べたときに、酸っぱいチョコも有りだなって思いました。大人な感じだし。。。

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      ここではじめて「チョコって酸っぱいものなんだなぁ…」って思いました。大人になったような気がしました。

  2. EIKO ISHIKAWA

    大切な人のために作ったサンドウィッチ。
    25年間作り続けたサンドウィッチ。
    サンドウィッチ好きとしては、想いと合わせてレシピブックがあるといいのに…と願ってしまいます。

    • サカキシンイチロウ

      EIKO ISHIKAWAさん
      レシピブック…、気持ちが落ち着いたら作るかもしれません。キチンと数値化できるかどうかが課題になりますが。

  3. よおぜふ

    ザ・チョコレートパフェ様ですね!
    こちらの季節物が大好きです(栗、すいかなど)。
    私の初酸っぱいチョコは、エヴァンのタブレットでした。エスプリが効きすぎていて?チョコ=スイーツと思っていた頭をガーン!とやられたことを覚えています(笑)。
    適度な酸味は、香りや甘味を引き立てる大事な成分だと思ってます。甘すぎる果物を食べて、更に実感しました。(シャインマスカット )

    • サカキシンイチロウ

      よおぜふさん
      酸味と苦味。その両方があってこそ料理の味がひきしまり、引き立ちおいしくなるのでしょうね。
      人生を豊かで深いものにするアクセントも同じようなものかしら…、と思ったりします。

  4. あーた

    サカキさんのサンドイッチはいつ見ても本当においしそうでおいしそうで。
    レシピ本、できたらとってもうれしいですが、レシピなくとも今まで作られたサンドイッチがひたすら載ってる写真集あったら、なんて思います。

    • サカキシンイチロウ

      あーたさん
      本当にたくさん作りました。写真もたくさん撮ったけれど、食べてる写真を撮ればよかった…、って残念に思います。
      おいしそうに食べてくれたから作りがいがありました。

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