朝のご飯に新記のお昼。飲食店はどうなるんだろう…
ちゃんとご飯を食べなきゃ駄目だよ…って広島にいる友人がパンを送ってくれた。
ドゥヌラルテの冷凍パン。
箱にぎっしり10種類ほどのいろんなパンが詰め込まれていて、ひとつひとつが丁寧にビニール袋で包まれている。
まず自然解凍。好みでトースターで焼いて食べてということで、今朝のご飯はパンにした。生クロワッサンと食パンを賢いトースターで焼き上げる。
お供にオムレツ。
卵2個を割りほぐす。フライパンにオリーブオイル、刻んだニンニクを入れて弱火で煮込んで香りをだしたら、塩を加えた卵を流す。
中火でしばらくそのままにして、手早くかき混ぜフライパンの柄をタンタン叩いて形を作る。思った以上にキレイに形が整ってお皿に移してオリーブオイルに漬けたトマトを仕上げにのせる。
ハインツのクリームマッシュルームスープを添えて朝のご飯のひと揃え。
こんがり焼けたニンニクの香りと塩の風味で味が整うオムレツ。トマトの酸味と甘みが口の中でとろけてソースのようにふるまうおいしさ。さっくり歯切れてとろけるパンも味わい深く気持ちがホワンとあったかになる。窓をあけましょ…、晴れの空。
初夏の日差しにくっきりとした建物の影が歩道に落ちる土曜日の昼。
ショートパンツをはいて町に出る。
昼ご飯を食べましょうと、四谷三丁目の交差点近くの新記を選ぶ。
考えてみれば街をのんびり歩くのは2週間ぶりくらいでしょうか。たった2週間でこれほど街の印象って変わるんだろうかって思うほど。この店も通りに面した窓に貼り紙。テイクアウトができると必死に叫んでる。
お店は静かです。ひとりだから通りの見えるカウンターに一席もらって料理を注文。
香港麺が売り物の店。海老ワンタン麺を汁なしで作ってもらって野菜も食べなきゃと一緒に芥蘭菜の炒め物。厨房の方からカシャカシャ鍋をこする音。ジャジャっと野菜を炒める湿った音が聞こえてきて、美味しい香りもやってくる。おまたせしましたと料理が到着。
まず芥蘭菜。
油の香りがおいしくて、ひと口食べて体に栄養がみなぎる感じ。
それにしても芥蘭菜の葉っぱの渋いこと。
何度も何度もここで食べた料理なのに、今日の渋さは今までないもの。
歯茎がキチキチ、きしむような感じがするほど。
茎は甘い。だから一層、葉っぱの渋いことにびっくり。でもその渋さで体が目覚めお腹が動くようでたのしい。生きてるって感じがします。
香港麺は極細にしてザクザクとした歯切れたのしく口の中で散らかる感じが騒々しい。茹でて中国醤油がベースのタレにからめただけで味がしっかり整うところ、独特。エビのすり身がプリプリの海老ワンタンのプルントゥルンと口の中を滑る感じがオゴチソウ。
鶏ガラスープがついてくる。ネギの香りがおいしくて自家製ラー油をちょっと垂らして辛味をつける。海老ワンタンをレンゲに乗せて、スープにくぐらせ食べるとスルンと喉の奥へと一気に滑り落ちそう。そのなめらかにウットリします。
それにしても外食産業はどうなっちゃうんだろう…、としみじみ思う。
外食産業には「お店が主体で、お店を健全な状態に維持するために経営がある」飲食店と「経営が主体で、経営を拡大成長させる道具としての店がある」チェーンストアの2種類があって、ボクはずっと経営主体の店はどんどん物販店のようになってく。外食の最大の魅力であるはずの人と人とをサービスでつなぐことに一生懸命な飲食店。つまりサービス業としての飲食店こそが次の時代の主役になるはず…、と思ってた。
なのに今、人と人とのつながりを控えるようにと言われる状況にあって、ボクが好きな店ほど苦労をしている状況。
シアワセな食の環境を壊さぬために、何をすればいいんだろう。何をしなくちゃいけないんだろうって思うと気持ちが乱れます。
初めてコメントさせていただきます。
飲食店が何もできなくなった状況に更新を止めたのかと思い、
こんな時こそ、今、飲食店がどうすればいいのか…発信して欲しいのに…と感じておりました。
食べログが久しぶりに更新されたので、こちらもと期待したら…
大変なこと、
何と申し上げてよいのかわかりません。
これまで苦楽を共にしてきた方、
ご飯をシェアしてきた方を亡くした悲しみは想像もつきません。
あれもこれも食べたいを二人でシェアしてきたのに、これからは一人分…その都度、思い出されることは辛いこと。
今はまだ、早過ぎる事とは思いますが、まだ還暦、この先、また良き食の伴侶を得られますように。
これからも、おいしい店とのつきあい方もあわせて楽しみに読ませていただきます。
https://kogechator.exblog.jp
kogechatoraさん
おっしゃるように今こそ食に対する考えを発信すべきときでしたのに、個人的なあれやこれやでご心配をおかけいたしました。
おそらくこの状態が収まったとしても、かつての外食産業や飲食店には戻っていくことはなく、新しい食べ方、食べてもらい方を試行錯誤しなくてはならない時代がやってくるのだろうなぁ…、と覚悟しております。
これからものんびりと更新してまいります。よろしくお願いいたします。
ご無沙汰しております。
様々な面で、人生の岐路にお立ちだったのですね。
私も、何と申せばいいのか判りません。
ただ、この記事の「飲食店はどうなるのか」という問いにならば、一言言えるかもしれません。
厳しい言い方になりますが、消費者としては、
「人は店ではなく、人から物を買うのだ」
という事を理解しているお店が残り、
そうではないお店が淘汰されていく良い機会かもしれない、と思います。
(小売業全般にも言える話ですが。)
かっちさん
おっしゃるとおりだと思います。にもかかわらず、人の魅力を直接お客様に伝えることが難しい今の状況。
だからなおさら、どうすればいいんだろうと気持ちばかりが焦ります。