昔ながらのあたらしい味。路地裏の王様、王ろじ

ひさしぶりに「王ろじ」にくる。
伊勢丹近くにあるお店。とんかつ専門。
創業大正10年という。一等地にひしめくお店の中に生まれてしまうのでなく、「路地の王様」になるよう一生懸命がんばろう…、と、そういう気概で「王ろじ」と自ら名乗った。それでまもなく100年が経つ。「昔ながらのあたらしい味」というキャッチフレーズも、昔ながらにあたらしい。
かつては気軽にふらっと立ち寄れる店だった。けれど最近、いつも行列ができる有名店になっちゃって、足が遠のく一方だった。ところが今日、なぜだか表に行列がなくすんなり入れた。ありがたし。

メニューは変わらずとんかつメインに10種類足らず。自信のあるものだけでもてなす。
「とん丼、豚汁」とすかさず注文。
ずっとココではこの組み合わせ。
厨房の中にはご主人、調理補助の調理人がいつの間にか増えて今では総勢3名。
ホールサービスは女将さんがひとりでこなす。
この女将さん。インバウンドのお客さんたちにも堂々と、きっぱりとしたジャパニングリッシュで説明をして注文をとる。そのたくましさにニッコリします。
仕事は丁寧。ちょっと待ちます。厨房の中の様子は見て取れるから安心しながらのんびり待って、やってきました、トンドントンジル。

とん丼はかなり独特。まずは器が独特です。
パッと目はソーサー付きのボウルのように見えるのだけど、下皿と丼本体がくっついている。だから丼部分だけをもって持ち上げると下皿部分も一緒にスッと持ち上がる。このためだけのオリジナル。
器自体は何度か変わったけれど、ソーサーと本体が一体となったスタイルはずっとおんなじ。おもてなし。

丼の中にご飯。上にカレーソースがかけられて、揚げたばかりのとんかつを3つに切り分け、立てて並べる。
カツカレーのようではあるけど、カレーと呼ぶにはカレーは少なめ。あくまでソースという扱い。とんかつにはソースがかけられていて、カツライスをソースとカレーの2つの味でたのしんで…、って感じの料理。
カツも独特。豚ロース肉を丸めて筒にしたとこにぎっしりパン粉をまとわせ揚げる。表面ガリッ、肉はホロリと壊れて崩れる。歯ごたえがよく噛むと肉汁がジュワッとにじむ。カレーはスパイスが華やかで、ソースは酸っぱい。口の中をスッキリさせるオゴチソウ。

それから豚汁。これまた独特。注文を受けてから一杯、いっぱい作って仕上げる。まずベーコンと玉ねぎをこんがり炒める。香りが出たら出汁を注いでクツクツ煮込む。豆腐としいたけを加えてコトコト。味噌をくわえて沸騰させたら出来上がり。
味噌は麦味噌。甘みほのかで塩の風味と甘味が強い。こさずにそのまま入れて炊き、それで麦粒が残ってそれも具材のようにふるまうおいしさ。
何しろちょっと前まで沸騰していた汁です。だから熱々。その熱々が持続するのがありがたい。薄切り大根とピーマン、にんじんの細切りを麹でつけた漬物も昔のまんまで味わい深し。ボクとご主人、女将さん。おそらくほとんど同じ年齢じゃないかなぁ…、ならばまだまだ長き付き合い。よろしくお願いいたします。

 

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