日比谷のブヴェット、グランジ朝食3000円

ブヴェット。
有楽町に出来たミッドタウン日比谷の一階。一番目立つ場所にテラス付きで、出来たときには熱狂的な人気を集めた。
理由はニューヨークからやってきたこと。そのニューヨークで絶大な人気を博した店だということ。そしてその勢いを借りてパリにもお店をオープンしたフランス料理の店だということ。
しかもオーナーシェフが女性だということなどなど。話題に事欠かない特徴だらけで、今でも人気の状態だという。
「カジュアルなワインバーと古き時代のヨーロッパのカフェの融合」がコンセプト。…、なんだっていう。そういう頭でっかちを売り物にしてしまえるところがあまり好きじゃなくてオミットしてた。でも来ておかなくちゃ話になんないなぁとも思って、遅ればせながらやってきてみる。朝ご飯。

なんだかいい雰囲気です。ビストロっぽい。なんちゃらとなんちゃらの融合…、みたいなことを言わないでカジュアルなビストロといえばそれで住んだのになぁって思う。まぁ、それはそれ。
朝食メニューのほとんどは1500円以上という舶来プライス。
それじゃ、高いと言われたからでしょう。800円というモーニングセットもあって、でもそれだと名物メニューがたのしめない。
どれが人気ですか?と聞くとクロックマダムが一番人気。それにした。
小さなお皿にクロックムッシュ。上に目玉焼きがのっかって削った生ハムを飾ったところにチーズをおろして散らして仕上げる。とても上等な出来栄えのクロックマダムではあるのだけれど、小さなお皿に窮屈そうにのっかる姿がレストラン的でなくカフェ的だ…、という解釈なのでしょうネ。

うつくしく、きれいにお皿に装うことは案外簡単。
カジュアルに、ちょっと乱暴に見せながらおいしそうに見せる盛り付けはセンスが必要。
むつかしい。
ファッションで言えばグランジだとかドレスダウンだとかっていう、不用意に手を出すと貧乏臭くなったりダサくなったりしちゃうアレ。
ギリギリのところで上手にまとめているよなってちょっと感心。
ちょっと硬めにとお願いした卵の焼き加減は完璧。
上を飾る生ハムも削ったチーズもなかなか上等。しみじみおいしい。クロックムッシュのパンもハムも上等なのに、なぜだか溶けたチーズが量産品っぽく、エクセルシオールカフェのクロックムッシュの味がする。もったいないなぁ…、と思ったりした。

しかも量が少ないのです。マダムサイズ?と思うもマダムの貪欲なお腹を満たすに不十分。隣の人が食べてたクロワッサンがおいしげでそれをもらって残した生ハムと一緒に食べたら、これがすんごくおいしかった。
スプーンにのっかるクリームもジャムもおいしく、カフェオレボール1杯のどっしりとした苦味がおいしいカフェオレに浸して食べると、朝のお腹が目覚めるおいしさ。これなら800円の朝食セットをクロワッサンで選べば十分…、と思うもそれじゃぁ、おいしいカフェオレが選べない。なんともなやましいメニュー構成と思いながら伝票を見る。
調子にのってあれこれ追加したらなんと3000円超え。これなら二軒隣の帝国ホテルのパークサイドダイナーでアメリカンブレックスとが食べられたのにって思ったりした。なやましや。

 

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コメント

  1. いにしえ

    サカキさま
    古き時代のヨーロッパのカフェって、分かるような分からないような。カフェも国によって違いますしね。なんとなくふんわりとしたイメージ先行ですね。
    カフェといえば、先日、レストランの予約時間が8時半だったので、先にアペリティフでも飲んでおしゃべりしよう!となったのですが、頃合いのいいお店がない。バーもなんだか違うし。フランスだったら、こういう時はカフェだなぁと思ってました。
    カフェは飲むことよりもおしゃべりの場所としての役割があると感じていて、そもそもおしゃべりの文化が日本にはないのかななんて思います。箱と料理が来ても、文化が来るのは別のお話ですね。

    • サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      レストランでも喫茶店でも、みんなお喋りを忘れてスマフォの画面を一生懸命みているようになっちゃいましたね。
      昔の甘味処とか喫茶店とかは、お喋りをするために行っていたような場所。そう言えば、床屋だって昔はお喋りがたのしかったのに今ではもくもくを髪を切り、整ったらとっととかえる場所になっちゃった。
      コミュニケーション能力が云々という前に、おしゃべりの週間を取り戻すことが大切のように感じますネ。

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