新年の大庵でにしんそばをたぐる

昼をそばでと「大庵」にくる。
開店一番のお客様でした。新宿の街並みを眺めながら食事ができるオキニイリのカウンター席。
そのカウンター席の中でも一番オキニイリの右端の席をもらってニッコリ。
右利きのボクにとって右側に人がいないということはこの上もなく落ち着くコトで、しかもこの店。よほどのことがない限りひとりでふた席を使わせてくれるので左側にもほどよき空間。
カウンターなのにまるで窓に面したテーブルをもらったみたいな感じになれる。注文するとまずそば茶。お通しがわりの小鉢が到着。大抵ひじきの煮物なんだけど今日は焼いた万願寺とうがらしとホタテの稚貝の炊合せ。なんだか得した気持ちになった。

メインのそばの前にお腹を喜ばせようと、黄韮のおひたし。季節の料理ということでたのんでみると、まずうつくしい。黄色というより黄金色で長さの揃った黄韮の上には糸がきにした鰹節。シャキシャキとした噛みごたえ。それが叙々に軽く粘ってどうじに黄韮独特の香りが鼻から抜けていく。
シャキッと冷やされ、出汁がおいしく上等で口や体がたのしく潤う。
それからそば稲荷を一個たのんだ。そばで作ったいなり寿司だと思って食べるとまるで違った味わいで裏切られる。冷やしきつねそばを汁なしで仕上げたものと思うのが正しい解釈。ごま油とお揚げの甘味が冷たい蕎麦をおいしくさせる。さぁ、メイン。

鰊そばをたのみました。
若い頃は、苦手な料理のひとつだった。
まず鰊のウロコが怖かった。
小さい頃には魚が怖くて、特に目やウロコがキラキラ光っているのがなまなましくて、食べるものじゃないって頭が判断してた。
ただそれも目のないところや皮を剥いでしまえば食べられて、食べるようになるとそのおいしさに少々のことは目をつぶれるようになったのだけど、身欠きニシンの鱗はずっと怖かった。
それにせっかくのそばの香りや出汁の風味が鰊の匂いで台なしになると、そう思ってずっと避けていたんだけれど5年ほど前のことでしょうか…、試しに食べてみたらこれはこれでおいしい料理なんだと感じた。甘辛に煮た鰊の風味が出汁の風味に混じるおいしさ。大人になった証拠だなぁ…、と思って今ではたまに食べたくなるくらい。

鰊の上に白髪ネギ。まず麺を持ち上げ鰊の上にそっと纏わせ写真をパシャリ。鰊そばといえばそばの腹巻をした鰊の姿が頭に中に焼き付いていて、そうすることでホッとする。
それに出汁を鰊が吸い込んでふっくらとしてホロホロ崩れていくようになる。崩れた鰊がそばにからんで一緒に口の中にとびこみ混じり合う。それがおいしい。熱々の汁の中でそばがどんどんやわらかになり、もったりしてくる。そこにバサっと乾いた感じの鰊がまじって鰊そばならではの食べ心地になっていくのが面白い。
キレイに食べて汁を猪口に移して蕎麦湯。汁は薄くなっていくのに、不思議なほどに出汁の旨みやかえしの風味。まじった鰊の味わいがくっきり姿を表すところがなんともご馳走。オキニイリ。

 

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