新宿龍の巣、モツカス鍋で雑炊作る冬の夜

土曜日の夜…、新宿で夜遊びしましょうと、まず腹ごしらえ。
ひさしぶりの「龍の巣」にした。
ここ5年ほど、日本の焼肉世界は多様化の嵐の中に放り込まれた。熟成肉から銘柄牛、塩や醤油、調味料。商品に対するこだわりだけじゃなく、高級店から食べ放題と使い勝手もさまざまで、一口で「焼肉を食べに行く」と表現できないいろんな焼肉の楽しみ方がある。
今日は気軽に、ただただおいしい肉、ホルモンでお酒を呑んで気持ちよくなるための店。
キッチンの周りを囲うようにカウンターやテーブルが置かれて、居心地の良さより臨場感と親密な雰囲気をたのしめるように作られた店。肉、ホルモンはとびきりです。なまなましいとでもいいますか…、あるいは色っぽいとでもいいますか。

ちなみに働いている女の子たちがかわいらしくて健康的な色気があるのもまたウレシ!
刺身の盛り合わせをとると、牛タンにハツ、キレイに膜をとりのぞいて白く仕上げたセンマイと、どれも見た目に負けない見事なおいしさ。
厚切り牛タンには塩をたっぷり。焼きはじめると脂が滲んで滴り落ちて、表面に小さな泡が噴き出してくる。ふつふつ湧いては小さくなってタンの中へと吸い込まれサクサク揚がったように仕上がる。噛むとさっくりはぎれてとろける。むっちりとした食感なめらか、肉感的。はらみを大量のにんにくタレに漬け込んだここの名物の「裏はらみ」。表に出せぬ秘密のおいしさ…、って意味なんでしょう。匂いを気にせず焼ける週末ならではの味。堪能します。

そしてホルモン。
ミノにハツ、レバーにシマチョウ、ハチノスと5種類たのんで盛り合わせ。
ホルモンのそれぞれに上に名前の札が置かれてて、シマチョウの札が2枚並んでる。
その一枚はミノの間違い。
間違ってしまうほどに脂がのっているのです。
ミノの間に脂をたっぷり挟んだ、お店によってはミノサンドって名前の希少部位として売られるものを贅沢に。
考えてみれば、ここのメニューには「上」の文字がつくメニューがほとんどなくて、どれもが普通の店なら上にランクされるものが通常ネタとして並んでる。

ミノを焼くと脂に焦げ目がついて焼きあがる。舌の上にのっけると、ひんやりとした脂がとろけて、それに続いてクニュクニュ、ミノ独特の食感がやってくる。
シマチョウの脂も甘くてそれがタップリ。にもかかわらず口の中からなくなると、脂のサーッと引いていく。こってりしてるのにさっぱりしてる不思議なおいしさ。
臭みを感じぬ新鮮レバー。フッカリとしたハチノス、サクサク歯切れるハツの旨味とどれもが上等。体の中に力みなぎるような味。

2人で来ることが多いここに今日は3人。カスモツ鍋もたのんで食べる。
土鍋の底に牛骨と昆布で炊いたスープを沈め、キャベツにニラ、そしてモツ。牛脂を搾った後のホルモンを乾燥させたカスを刻んでどっさりのせる。まるごとにんにく、肉うどん用に炊いた牛肉をのせてコンロでしばらく炊いてく。
湯気が徐々に湧いて来て、キャベツがしんなりし始めると底からスープが姿を現し沸騰して来る。
キャベツの上にのっかっていた肉やカスをキャベツの下に沈めてクツクツ。肉の旨味やカスの脂がスープの中に溶け出してきて、香りもおいしくなってくる。キャベツがしんなりした頃合いでキムチを投入。スッキリとした酸味と辛味で味を引きしめできあがり。

第1期モツ鍋ブームの頃にはまだホルモンに開眼してなかったボク。
遅ればせながら今更、あぁ、モツ鍋っておいしいなぁ…、って開眼中(笑)。
モツもおいしいのだけれど、カスの旨味とスープを吸ってとろける感じがまたオゴチソウ。

〆に雑炊。鍋の中にご飯をいれる。よく混ぜご飯がグツグツ火を通しご飯がふっくらしてきたところでスープをお玉ですくい上げご飯がひたひたになる程度までスープを減らす。このスープを減らしてしまうところがおいしく雑炊を作るコツ。
強火にします。軽くかき混ぜご飯のひと粒ひと粒が熱々になったところでざっくり溶いた玉子を注いでしばらく休ます。ほどよく玉子が固まったところでとりわけ海苔にネギ。ご飯にスープの旨味がしっかり染み込んでなんとおいしい。
いつ来てもおいしいなぁ…、と思って帰る店だけど今日は特別おいしく感じる。料理も良かった、仲間も良かった。そしておそらくボクの体調も良かったんでしょう。焼肉みたいな料理がおいしく感じるコトがなによりウレシク思う年頃(笑)…、温まる。

 

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