新宿御苑の志な乃にて蕎麦
新宿御苑の志な乃にて蕎麦
朝から冷たい雨の土曜日。昼ご飯を食べようと外に出るまで、雨が降ってるってわからなかった。
蕎麦を食べたく、それでテクリと新宿御苑の方に歩いた。
「志な乃」っていうお店があって、そこがかなりのオキニイリ。
実は昨日の夜から蕎麦をツルツルたぐりたかった。
お腹の疲れが、冷たい麺で癒やされそうな感じがして、韓国料理の〆に冷麺を食べようかって思ったほど。
お腹がほどよく満たされて、それは結局あきらめた。
それで今日は目覚めた時から昼は蕎麦…、って決めていました。
うちの近所にはいろんな蕎麦屋が何軒かあり、中でも最も個性的なのがこのお店。
ビルの一階。中に入ると民芸風の落ち着く雰囲気。
壁際の棚にこけしが置かれているところなんて、ちょっと田舎的なる民芸風。
いつも満席になるようなことはないのだけれど、お昼時にはぽつりぽつりとお客様がきて、ほんわかニギヤカ。
いつものは厨房の中で仕事をしているご主人が、客席に出たり入ったりと忙しげなのがなんだかたのしい。
まずはお茶。そして注文した料理に合わせて薬味やタレがやってきて、テーブルの上が徐々に整いお腹をすかす。
そしてけんちん汁がやってくる。
けんちん蕎麦もココの売り物。
蕎麦屋といえば、比較的健康的が売り物の業態。
けれど不思議なほどに野菜が足りない。
天ぷら野菜くらいしか、野菜商品がないのが普通で、それに比べればちゃんぽん麺とか野菜タンメンのような料理が揃ってる、ラーメン店の方がずっと健康的かも…、って思うほど。
けんちん汁は野菜がタップリ。大根、ニンジン、ごぼうに三つ葉。ほうれん草まで入ってて、豆腐もタップリ。野菜をどっさり食べられる。
甘めの出汁に胡麻の油の風味が混じり、そこに煮込んだ野菜の旨みも溶け出していく。塩の味わいも若干強めで、だからそのまま食べてもおいしくそこにセイロの蕎麦をつけてもおいしい漬け汁になってくれる。
お腹がほどよくあったまったところで合盛り。
蕎麦とうどんがそれぞれ半分。
ココの蕎麦はかなり太めで食感シッカリ。
ザラッと表面、こまかな凸凹が入ってて、だからタレをしっかりからめて口の中へと飛び込んでくる。
ツルンとすするというよりも、モグモグ、噛んで味わう感じ。
最初はゴリゴリ。噛んでるうちに徐々に粘ってとろとろしてきて、蕎麦の香りを吐き出していく。
うどんはなめらか。
軽い飴色に茹で上げられて、みるからツヤツヤ。みずみずしい。
ツルンとすすると、唇やさしくなでまわし口の中へとスルリと忍び込んでくる。
麺そのものに軽い塩味感じてそのまま食べても小麦の香りが旨い。タレに浸すとグイグイ飲み込み、味わいしっかり。薬味がタップリ添えられていて、生姜にワサビ、大葉に胡麻、白いネギと、うどんならば生姜なんだろうけど、蕎麦はワサビなんだよなぁ…、って迷いながら味わうところもまたたのし。
絵付きの鉄鍋。出汁を沸かせて、そこでクツクツ、鶏肉を炊く。
だから鍋の表面に小さな脂がプツプツ浮いて仕上がっていく。
カツオと昆布の和風の出汁に、鶏の旨みが混じってコクが出てくるのです。
風味も力強くなり、そこに野菜の旨みが混じる。
ニンジン、椎茸、三つ葉にネギ。
かまぼこに当然鶏肉、それからエビの天ぷらと具だくさんで食べる前から目が満ちる。
ココのうどんを炊くとヌッタリ、やわらかうどんになっていく。
蕎麦は一方、トロリととろけて細い蕎麦がきみたいな食感、風味になっていくのがたのしい。お腹もどんどんあったまるしネ。
鶏の脂に天ぷら衣の揚げ油。風味やコクがどんどん増して、それも体を温める、これから冬に向かってどんどん美味しくなってくれるお料理。オキニイリ。
それにしてもココの出汁。
おいしいです。
色は浅いのです。淡い色をしていて、なのにどっしりとした旨みがある。
昆布が多め。
節は少な目。だから甘みが強くて酸味がエグみがほとんどない。
だからゴクゴク飲めるのですね。
具材を沢山いれてもそれぞれをおいしくさせて、しかもさまざまな味を受け止めひとつにさせる。
天ぷら衣の油が混じっても、薬味を入れても味の輪郭は揺るぎなく、ずっとおいしく味わえる。冷たいつけダレにしても味わい濃厚で、ずっと食べていても味が変わらないのがスゴイとこ。
特別お願いしないでも、ボクの玉子がほどよく熱して黄身の芯だけ半熟なのが、ちょっとうれしい。オキニイリ。
こんばんは~
最近やっと新しいブログに眼が慣れてきた、ワイメアです。
御苑志な乃、昔は大好きでしたが最近は
どうやら神楽坂のほうが硬さが落ち着く(美味しいと思う)ように。。
赤羽橋が元祖ということですが未だ行く機会がなくて…。
神楽坂も梅香・膳楽房・芝蘭に通うことが増えて、志な乃も暫く行っていません。
そろそろという啓示かと…思っています。
ワイメアさん。
志な乃さんは確か九段下にもあるんですよね。
お店によってちょっとずつ味の傾向が違って、その食べ比べもたのしいですよね。
神楽坂。
ボクも長い間行ってないのでそろそろいかなきゃ。
初めまして。いつも楽しく拝見しています。
新宿志な乃さん、あまりに懐かしくてついメールしました。学生時代にアルバイトさせてもらったお店です。
けんちん汁、私も大好きでした。たまにまかない飯で出してもらったり、余った汁とうどんをご主人が持たせてくれたり…酒の肴も色々と教えてもらいました。
今は東京から離れてしまったのでなかなか行くことができませんが、お店が健在なのを確認できて嬉しかったです。
まだフジテレビが新宿にあった時代です。歳がバレますね(笑)
Keikoさん。
はじめまして。
おそらくご主人、女将さんともに当時と同じ方なんでしょうね。
元気でがんばってらっしゃいますよ。
味も変わらず、なによりけんちん汁の温かさにはいつもホッとさせていただいています。
たのしいコメントありがとうございます。元気をちょうだいいたしました。