料理が持っているスピード感を考えてみた…。

日曜日の昼。
家の近所のとんちゃんっていう韓国料理のお店でぼんやり。
東京の韓国料理店の大方がサムギョプサルを売り物にしているように、ここもサムギョプサルが美味しいというので人気。
だから昼からサムギョプサル用の石版がすべてのテーブルの上に置かれてスタンバイ。
とはいえ流石にランチに来る人達は定食だとかビビンパ、冷麺と厨房で調理されたものを選びたがる。だからせっかくセットした石版は無用の長物になっちゃうわけです。

実は韓国で20年以上にわたって外食コンサルの会社を経営していました。
最初は「韓国の人の役に立ちたい」という父の無邪気な情熱から。
徐々に現地のスタッフも増やしてコンセプトの融通やシステムの共同開発なんかもしていった。
隣同士の国のこと。
似たところもあれるかとお思えば、違う惑星の出来事かしらってびっくりさせられることもあり。
どちらが進んでいてどちらが劣っているという関係でなく、とても個性的なパートナーが、互いの得意を分け合うような関係がたのしく、いろいろ勉強したものでした。

食べるものより食べ方がそれぞれの国や地域の食文化により多くの影響を与えるとするならば、韓国のそれと日本のそれをへだてる大きな違いは「おもてなしのスピード感」じゃないかとその時の経験から思うに至ります。

例えばソウルで18時集合の会食にお呼ばれしたといたしましょう。
まず間違いなく18時5分には乾杯をして10分過ぎにはもう会食が本格的にはじまっていることになる。
予約をしない普通の会食でも同じようなスピード感かなぁ…。
早く食べ始めることができるようにと磨き上げられたテーブルのセッティングやメニュー構成が韓国の飲食店の特徴のひとつで、それには未だにやっぱり舌を巻く。
日本の飲食店は「待っていただくだけの価値の提供」が差別化のテーマになっていた時代が長かったから。テーブルのセッティング、メニュー構成、サービススタイルとどれもが「心地よく待たせること」に注力していたりしたのです。

日本的なサービスをたのしめるレストランを韓国で作りたい…、って人たちを集めた経営講座を開いこともありました。1年の勉強のはて「待っていただけるお客様が絶望的に少なくって」っと講座は解散。
そういえば日本でも、お店の人とのコミュニケーションを密にとりながら注文をきめたり、たっぷりの時間を使って食事をたのしむことを苦手を感じる人が増えてる。
今から15年近く前の韓国に、もしかしたら外食産業の未来のひとつがあったのかもな…、って思い出してみたりするのもなつかしい。

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