思い出を救える善意はあるんだろうか…。

寿司を食べると温かいスープ系の何かを食べたくなってしまう。
ひさしぶりに、思い立って桂花に来てみる。
熊本出身のラーメン専門店です。
ボクが新宿で遊ぶようになったときにはもうすでにあり、しかもちょっとした老舗感を漂わせていた。なつかしいなぁ…、と思ってくるとなんと今年で新宿進出50年。ボクがはじめて新宿の店に入ったのが多分、20歳とかのときだったからすでにその時、10年位上の歴史があったわけです。よく続いたなぁ…、としみじみ思う。とは言え一度破綻してしまったブランドです。熊本ラーメンの火をともし続けたいという気持ちもあってでしょう…、別の会社が取得して今に至るという歴史。

ラーメンにあまり執着心のないボクではありましたけど、青春の味が曲がりなりにも存続するということにまずホッとした。
けれど新たな運営会社のもとでも同じように経営されるんだろうか…、とちょっと心配になりもして、その心配が徐々に現実のモノとなってしまってもう5年以上になりますか。
足がすっかり遠のいていた。

経営が下手な会社は大抵、昔ながらを大切にする。
それは商品のありようもそうだし従業員の使い方もそう。なによりお客様に対してハニカミ気味にアプローチする遠慮がちな姿勢が共通。
経営が上手な会社にはあまりそういうこだわりがない。新しい環境に絶えず適応しながら変わり続ける。
お客様にその変化に気づかれぬよう細心の注意を計りながらも確実に変わっていうのが、桂花のスポンサーの信条でもありなによりお客様へのアプローチがきめ細やか。テーブルの上に置かれた「50周年」にまつわるさまざまなプロガンダめいた書類に、これは一体誰のためのものなんだろう…、ってちょっと思った。ひねくれ者でございますゆえ。

太肉麺をえらんでたのむ。
ここが好きになったきっかけがこの商品。
ターローメンと読むんだというのに、ちょっとした懐かしさを感じたのです。
ボクのアメリカでのニックネームを「ロバート」と決まったのは台湾出身者のコミュニティでのこと。豚肉の醤油煮が大好きだったボクのことを、台湾語の角煮を意味する「ローバー」って誰ともなく呼び始め、それがいつしかロバートになったというのがその顛末。
「肉」は「ロー」。大きな肉はターローでアメリカ的なる食生活でデブったボクは「ターローくん」に昇格してた。そんなターロー、太肉麺。

麺が独特。ザクザク歯切れるような力強さでにもかかわらずストレート麺。すすり上げるとスルンと口の中にやってきて、そしてザクザク。お店に入った瞬間に感じるスープの動物臭さも食べる頃には気にならなくなっているのがオモシロイ(笑)。
ただこれが昔通りなんだろうか…、と気になり始めるともう止まらない。
例えばキャベツは昔、もっと大きなざく切りだった。だから時間がたっても生々しくてスープの脂に疲れた舌を勇気づけてくれるようなコリコリシャキシャキしてうまかった。豚肉も果たしてこんなふうだったのか…、もしも昔働いていて人がここで働いてたら、もしかしたら…、とホッとできるもそうじゃないのがまた悩ましい。
今、日本全国で起こってる、老舗ブランドを企業が救済してしまうこと。商売下手な人だからこそのさまざまな良さが商売上手な人で変わってしまうこと。善意がそのうち「もったいないことしやがって」って悪意を生んだら身も蓋もない。なやましいなと思う昼。

 

関連ランキング:ラーメン | 新宿西口駅新宿三丁目駅新宿駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。