師走も終わりの尾張屋の昼

クリスマスの日。
家でのんびり、年越し準備をする日曜日。
いつもはしない場所の掃除や、冷蔵庫の中の片付けしつつ、お買い物のリストを作る。
昨日、杵つきの丸餅を見つけてなんだか幸先良さを感じてニッコリ。
ランチは家の近所でとります。

四谷三丁目の交差点。
とてもにぎやかな街角にやっているのかやっていないのかわからぬほどにひっそりと佇む「尾張屋」で。
毎年、年の瀬になるとこの店の前に小さな出店ができる。しめ縄飾りを売る店で、木で枠組みができていました。間もなく商品が飾られはじめると一気に正月。目で見てわかる季節感。

いつも必ず座れる店で、だからといってノーゲストということがほとんどないというのが不思議なところ。
忙しくはない…、けれど同時にさみしくもない。お店の人も必死にならずにいつものんびり。自然体で長続きする店ってこういう店なんだろう…、って思ったりする。ボクものんびり、料理が来るのを待つことにする。

2階に厨房がある店で、一階にあるのはサービスカウンターだけ。
ブブーって鈍い音がしてそれに続いてガタンゴトンとダムウェーターが降りてくる音。
扉が開いて中からおいしい匂いがしてくる。それをテキパキ配膳しお待たせしましたと運ばれる。

今日たのんだのはここの名物料理のひとつ。
味噌煮込みきしめん(ご飯つき)。

数あるメニューの中で、ご飯が最初からついてる麺類はこの一品だけ。腹ペコのときにはこれがありがたく、しかも味噌のスープとご飯の相性はさすがにピカイチ。
柄つきの鉄鍋。
グツグツしながらやってくるのがなかなかおいしげ。
しかも今日は海老の天ぷらと餅を追加でトッピング。鍋の表面には白菜、エノキにほうれん草と具材たっぷり。ちょっとした鍋料理のような姿にまずはウットリ。

箸で麺を探ってたぐると、中からでてくるのは平打きしめん。味噌のスープで煮込まれたからでしょう…、軽く色づき表面とぅるり。七味をたっぷりふりかけて風味と辛味を追加する。
エビの天ぷらをトプンと汁に浸して取り上げ、ご飯の上にのっけて食べる。
味噌天丼のような感覚。ちなみに一本、420円という値段の天ぷら。高くはあるけど太くて健全、加水などせぬたくましいエビ。甘くて風味も力強くて、天ぷら衣の胡麻の香りでなんとおいしい。オゴチソウ。

それからかつ丼。お願いすると「玉子は固めでいいですか?」ってお店の人から聞いてくれる。なんだかおなじみさんな感じでかなりウレシイ。
固めでとはいっても、玉子はふっくら。ほどよき厚さの豚肉を厚めのパン粉の衣で包んで揚げたとんかつを、やさしく包んでかたまっている。出汁をタップリ吸い込んだパン粉衣がシットリ口でとろけるおいしさ。
甘めのタレです。煮込まれ飴色になった玉ねぎも甘くてシャキシャキ。案外タレがたっぷりで、ご飯がほどよく濡れるところもまた旨し。かつ丼ってつくづく人を幸せにさせる食べ物ってにっこりします。

サイドについた味噌汁は鰹節の出汁の香りがふわっと漂うスッキリした味。
煮込みきしめんの出汁は香りよりも旨みが強い煮干し系かなぁ…、味噌の旨みと一緒になってどっしりしてる。
具材の味が味わい複雑にしているということもあるのでしょうネ。
白菜の甘味。ネギの旨みにエノキも旨みを強くする。鶏もも肉がタップリ入っているのもスープの味を複雑にしてくれている。
食べてるうちに最初は気づかなかった具材が次々飛び出してくる。例えばゴボウ。あるいはニンジン。これほどタップリの野菜を食べることができる料理がきしめん店にあるっていうのがなんともウレシイ。
最初は四角い形を保っていた餅が、どんどんとろけてビヨーンと伸びる。伸びてきしめんに絡んで麺を一層ムチムチ。なめらかにする。
餅を食べると冬が来たなぁ…、ってしみじみ思う。お店の中もニギヤカになってきました。そろそろおいとま、買い物をして帰りましょう。

 

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